高校3年生だった私は、兄と暮らしていました。高校を卒業するまで一緒に暮らす予定でしたが、卒業を間近に控えたころ、兄の結婚相手が一緒に住むことになり……。
兄から紹介されたA子
私はマンガを学べる専門高校に通っており、兄と2人で暮らしていました。私の実家は地方にあるため、都会の高校に通うためにはひとり暮らしをする必要が。ただ、両親は高校生のひとり暮らしを心配しており、都会でひとり暮らしをしていた兄が「卒業まで俺が面倒みるよ」と言ってくれたのです。
そんなやさしい兄のおかげで、私は楽しい高校生活を送っていました。そして、卒業まであと半年となったある日のこと、兄から「A子」という女性を紹介されます。「俺、A子と結婚することに決めたんだ!」と幸せそうな兄を見て、私もとてもうれしい気持ちになったのでした。
兄夫婦と突然の同居
A子は気さくで、元気な印象が強い女性。兄はおとなしいタイプなので、私は意外に思いました。その後、兄とA子はお互いの両親へのあいさつを済ませるとすぐに入籍。A子は兄の家で一緒に暮らすことになりました。
2人の新婚生活を邪魔するわけにはいかないと、私はひとり暮らしをすると言いましたが、兄は「未成年を追い出すわけにはいかない」とのこと。結局、3人での生活が始まったのです。
このときA子からは、「妹が卒業するまで結婚できないって言われていたけど、私それまで待てなくて。だから一緒に暮らすしかないよね。私は全然大丈夫だから気にしないで!」と言われ、私はなんとなく彼女の言葉に刺々しいものを感じました。
印象が変わった義姉
3人の生活が始まり1カ月が経ったころ、段々とA子に対する印象が変わっていきました。兄が一緒にいるときはとてもやさしく穏やかなA子ですが、兄がいなくなると、途端に私に対して当たりが強くなるのです。
オンライン授業を受けるため家にいると「ズル休みばかりしている」と言ったり、マンガを描いていると「お絵かきばっかりして、いつまで兄のすねをかじるつもり?」と嫌味を言ったり……。私がきちんと生活費も家賃も渡していることを伝えても、A子は聞く耳を持たず「嘘つくな」と言い出す始末。
そしてある日、近所のカフェで学校の課題をやっていると、衝撃的な光景を目撃します。
街で義姉の姿を見かけるも…
カフェの奥のほうの席から「えぇ~すごぉ~い」と聞き覚えのある声が聞こえ目を向けると、なんとA子の姿が! さらに、隣には見知らぬ男性がおり、2人はまるで恋人のようにくっついています。
どう見ても友だち以上の関係に見えるその男性とA子が店を出ようとしたとき、A子と目が合ってしまいました。「いけないものを見てしまった」と思った私は、さっと目を逸らし足早に立ち去ります。帰宅してからもモヤモヤが収まらず、これからどうするかを思案。
すると、A子が帰宅。A子はすぐに私を呼び出し、鬼の形相で激怒します。「せっかくのデートがアンタのせいで台無しよ!」と言うA子。浮気についてはまったく悪びれる様子はありません。
唖然としていると、A子は「いい? 今日のことは黙ってて! でないとあんたを追い出すから」と脅し、私が「このことがバレて、追い出されるのはA子さんですよね?」と返すと、「夫婦の共有財産って知らないの?」と笑うのでした。
不貞がバレたのに開き直り!?
余裕の表情のA子に、私は「後ろを見てください」とひと言。なんと、A子の背後には兄が。私は帰宅後、「大事な話があるから急いで帰ってきて」と兄に連絡をしていたのです。
まさか兄がいるとは思わず焦ったA子は、「いつからいたの!?」とパニック。そこで私は、兄にボイスレコーダーを渡します。私は、A子がなにか言い出すだろうと予想し、ボイスレコーダーを準備していました。
こうなってはしらばっくれることもできません。A子はまるで開き直ったかのように「離婚しましょ! あなたもニートの妹もさっさと私の家から出ていけ!」と逆ギレ。このような状況でも強気なA子に呆れた私は冷静に、「出ていくのはA子さんだよ。この家は共有財産じゃなくて特有財産。つまり兄が結婚前に自分で取得した財産だから、あなたのものにはならないの」と伝えました。
すべてを失ったA子の末路は?
「え?」と戸惑うA子。そして、手のひらを返して「やっぱり離婚はしない! やり直そう?」と兄にすがりつきますが、時すでに遅し。兄はA子の本性に薄々勘づいていたようで、少し前から離婚を考えていたようです。
その後、2人は離婚。A子は兄から不貞行為の慰謝料を請求され、実家へ出戻り。さらにその後、付き合っていた男性は既婚者だったようで、男性の妻からも慰謝料の請求が。今は朝から晩まで働いてお金を稼いでいるそうです。
一方の私は無事に高校を卒業し、ひとり暮らしをスタート。そして、描いたウェブマンガが大ヒットし、プロとして活動するようになりました。兄は、「自分は女性を見る目がなかった」と落ち込んでいますが、次こそ幸せな恋愛をしてほしいとひそかに願っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
ベビーカレンダー編集部/ムーンカレンダー編集室