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コム デ ギャルソン・オム プリュスは軍服を解体。川久保玲が率いる、平和と抵抗の行進【2025-26年秋冬 メンズコレクション】

  • 2025.1.27

「To hell with war(戦争なんてもううんざり)」──コム デ ギャルソン・オム プリュスCOMME des GARÇONS HOMME PLUS)の2025-26年秋冬コレクションテーマについてこれ以上の説明は冗長な気もするが、川久保玲は今回、若い少年や男性が世界中から殺し殺されるために召集されている、あるいは、そうなるかもしれないという恐怖のなかで生きているという現実に目を向けることで、私たちを感情を揺さぶった。

解体した軍服で示す、平和と抵抗のメッセージ

このご時世に、「ミリタリー」を扱ったコレクションを発表するほどの度胸を持ったデザイナーをほかに想像するのは難しい。なぜなら、ファッションブランドのほとんどはあえてリスクを冒すようなことはしないからだ。しかし、川久保は内なる信念の赴くままにデザインし、自己検閲することはなかった。

ランウェイに送り込まれたのは、彼女が率いる反戦運動家たち。モデルたちのヘルメットは花や色とりどりのファブリックで飾られており、彼女のスタンスは明確に示されていた。

解体されたフィールドジャケットや真鍮ボタンで留められた軍服など、ミリタリースタイルの要素はコラージュされ、35通りのルックとなって登場。タータンチェックを取り入れたルックもあったが、これもまた、キルトがスコットランド連隊の伝統的な装いの一部であることを思い出させるものだった。

反抗的でパンクな要素がどこかになければ、それは川久保玲のデザインとは言えない。予想通り、ショーが終わりに差し掛かると、マルチジップのハーフパンツが何ルックかに登場した。ある男の平和と愛の花は、別の男にとってのパンクである。どちらも、デザイナーが常に指し示している「抵抗」の姿だと言えるだろう。

※コム デ ギャルソン・オム プリュス 2025-26年秋冬メンズコレクションをすべて見る。

Text: Sarah Mower Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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