私は定年間近のサラリーマン。妻と娘のために毎日仕事をしているものの、出世レースから外れて以来家族には冷たくされる日々。そんなある日、妻から退職金を渡すように言われて……。
窓際族と呼ばれて
高校を卒業してから今までずっと同じ会社で働いてきた私。若いころは出世を目指したりもしましたが、直属の上司が部長の座を奪われ、それに伴って私の評価も下落……。今ではすっかり窓際族と呼ばれるポジションに。
出世レースから外れたのを機に、妻と娘から金ヅル扱いで疎んじられるようになった私は、家にも会社にも居場所がありませんでした。
そんな私の憩いの場は、近所のカラオケスナック。昔から歌うことが好きで、気晴らしにマイクを手にしていたのですが、常連客の方々が喜んでくれるのでついつい何曲も歌ってしまうのでした。
まさかのプレゼント?
そうしてやってきた定年退職の日。私は後輩社員から花束をもらい今までのことに思いをはせながら会社を後にしました。
いろいろあったけれど、家族には一応感謝の意味でケーキを買って帰ることに。今日くらいは「お疲れさま」と労わってくれるだろう、そう思いながら帰宅したのですが……。
待ち受けていたのは「ゲッ! ママ、もうお父さん帰って来た!」という娘の冷たいひと言。
一方で妻は、「今まで長かったわ……。はいこれ、プレゼント」と言いながら1枚の紙を出したのです。
そのプレゼントとは……まさかの離婚届でした。
退職金の行き先は
慌てる私に、「お父さんって本当に鈍感。だから出世レースからも外されたのよ」と娘。続けて妻も「本当に察しが悪い年寄りね。もう用済みだから離婚するのよ!」と言うのです。おまけに、養育費として私の退職金1000万円は妻と娘がもらうと豪語。
家族のために何十年も働いてきた私にとっては耐え難い仕打ちでした。たしかに父親・夫として至らない部分はあったかもしれないと思いながらも、2人を許せない気持ちでいっぱいに。
争う気力も失せた私は、言われるがまま1000万円の退職金を手放し、妻と離婚。むしろこれですっぱり縁を切り、計画している第3の人生を謳歌しようと前向きに考えることにしたのです。
順風満帆な第3の人生
離婚から数カ月後、会社員時代よりも忙しい日々を過ごしていた私の元に、元妻から1本の電話がかかってきました。
彼女は電話口で、「あなたとやり直したい、娘も後悔している。家族で一緒にいたい」と懇願。しかし、私にはその魂胆がわかっていました。
というのも退職後、なんと私はCDデビューを果たしたのです。SNSで流した動画はプチバズリ。退職後の私の年金は大したことがないからと離れていった元妻子はそれを見て、慌てて連絡を取ってきたようです。
元に戻せるか!
聞けば、彼女たちは私から奪った退職金1000万円もすでに使い果たしてしまったのだとか。私は、「もう君たちに用はないし話すこともない。元には戻れないよ」ときっぱりと言い、電話を切りました。
私をさんざんむげにした挙句、退職するや否や金だけとって捨てた2人を、家族と思うことはできません。
その代わりと言うのもおこがましいですが、これからは応援してくれる人のために歌手活動に注力したいと思います。
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自分のことを大切にしてくれない妻子とは、離婚して正解だったかもしれないですね。退職金も取られてしまいましたが、歌手として生きていける毎日はきっと充実したものになるのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室