お味噌を手作りするなら寒い季節がおすすめ
昔は、各家庭でお味噌を作っていたことから「手前味噌」という言葉もあります。それぞれのおうちで、それぞれの味のお味噌ができ上がるため、同じ材料でお味噌を作っても、環境や家の菌、仕込んだ人の常在菌によって味も変わるようです。そんなお味噌は、寒い時期に仕込む「寒仕込み」がおいしいと言われています。低温でゆっくり発酵させることで味に深みがでるからです。また、冬場は雑菌の繁殖が抑えられることもあり、初心者も安心してお味噌を仕込むことができます。まだ、お味噌を手作りしたことがない人にとっては、なかなかハードルが高そうと思われがちですが、煮大豆を使うことで、約40分で仕込むことができます。我が家では、季節の恒例行事として、子どもと一緒にお味噌を仕込んでいます。
必要な材料とレシピが入ったセット
初心者にも簡単にお味噌が仕込めるように、必要な材料がセットになったものが、この時期、さまざま売られています。私が購入したのは、「大地を守る会」で数量限定販売されている手作り味噌のセットです。島根県の「やさか協同農場」が育てた国産有機大豆、有機米麹、高知県沖の海洋深層水「天海の塩」と、カラダにやさしいものが厳選されています。市場に出回っている国産有機大豆の割合は、10%未満とのこと。希少でおいしい大豆で、お味噌を作ることができるセットです。容器は、あり・なしを選ぶことができ、わが家では、最初だけ容器付きを購入し、同じものを使用しています。でき上がりのお味噌は、約2kgのため、容量3キログラムくらいの容器があれば、購入の必要はありません。
手づくり味噌の作り方
この手作り味噌のセットに入っている有機大豆は、煮大豆。そこが、「みそ」です。実は、大豆を水でもどして煮るという作業に一番時間を要するため、その工程をカットすることで、約40分でお味噌を仕込むことができます。
1.煮大豆を温めつぶす
煮大豆を温めて、手や肘でつぶします。温めたほうがつぶしやすくなります。大豆は、好みの大きさまでつぶせばいいのだそうですが、細かくつぶしておくと麹と混ざりやすくなるため、粒がほとんど確認できないくらいまでつぶしました。
2.麹と塩を合わせる(塩切り)
約10~15%程度の塩を残し、塩と麹をボウルなどに入れます。麹のかたまりが感じられないくらいまで、手でしっかりほぐします。
3.つぶした大豆を加え混ぜる
つぶした大豆を塩切りした麹に加え、全体をよく混ぜ合わせます。このときに、大豆の粒が残っていて気になる場合は、さらにつぶしましょう。
4.大豆を丸める
3を野球ボールぐらいに丸めた味噌球を作ります。空気を抜くように、かためのおにぎりをつくるイメージです。
5.容器に詰める
事前に消毒した容器に、カビを防ぐために空気が入らないように押し固めながら詰めていきます。すべて入れたら、表面を平らにします。
6.表面周囲に塩をふる
平になった表面に残しておいた塩をふち中心にまぶします。
7.ラップして重石をのせて保存
容器の内側についているお味噌をきれいに拭き取り、ラップなどをかぶせ、重石をのせフタをしたら完成です。重石もしっかり消毒したものを使用しましょう。
仕込みから約6か月で「切り返し」と言って、上部のカビを取り除き、一度全体を混ぜて空気を入れる作業があるのですが、今回は、仕込んだ量が2kgのため、この作業はなしで大丈夫です。仕込み後、約9か月で手前味噌ができ上がります。
保存中は、風通しがよく、直射日光が当たらず、湿度変化の少ない場所が好ましいです。約9か月後、少し取り出して食べてみて、12か月後の味と比べることもできます。熟成期間が長くなるほど、色が黒っぽくなり、味わいも変化します。そんな変化を楽しめるのも、手作りならでは。一度食べるとやめられなくなり、わが家のようにリピートする人も多いらしい。この時期は、手作り味噌のセットがさまざま販売されていますが、40分で手軽に仕込むポイントは、煮大豆のセットを選ぶこと。秋には、おいしい手前味噌のお料理が楽しめますよ。
林ゆり
ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育つ。LOHASを実践しながら、ファッション、コスメ、食べ物など、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてライフスタイルマガジンやブログで発信中。