第97回アカデミー賞のノミネーションが、1月23日（以下、現地時間）に発表された。フランスの名匠ジャック・オーディアールの『エミリア・ペレス』が、作品賞をはじめ監督賞や助演女優賞（ゾーイ・サルダナ）など最多12部門13ノミネートを獲得。また、ハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トートの数奇な半生を描いた『ブルータリスト』が、作品賞や監督賞（ブラディ・コーベット）など10部門で候補入りした。全米で大ヒットを記録したミュージカル映画『ウィキッド ふたりの魔女』も、10部門でノミネーションを得ている。続いて、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』と『教皇選挙』がそれぞれ8部門でノミネートされた。
今年もいくつかのサプライズがあり、主演男優賞には『ブルータリスト』のエイドリアン・ブロディ、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のティモシー・シャラメ 、『シンシン／SING SING』のコールマン・ドミンゴ、『教皇選挙』のレイフ・ファインズに加え、『Queer（原題）』のダニエル・クレイグが名を連ねると思われていたが、最後の1枠は『アプレンティス：ドナルド・トランプの創り方』のセバスチャン・スタンが手に入れた。本作は昨年のカンヌ国際映画祭で好評を博したものの、その題材のせいで配給会社が見つからなくなるところだった。トランプの師匠ロイ・コーンを演じたジェレミー・ストロングは助演男優部門にノミネートされている。
また、ゴールデン・グローブ賞の選考に残った『The Last Showgirl（原題）』のパメラ・アンダーソンが主演女優賞の候補から外れ、『ウィキッド ふたりの魔女』のシンシア・エリヴォ 、『エミリア・ペレス』のカルラ・ソフィア・ガスコン 、『ANORA アノーラ』のマイキー・マディソン、『The Substance（原題） 』のデミ・ムーアという予想された4人と並んで、『I’m Still Here（英題）』のフェルナンダ・トーレスが最後の枠を獲得した。
2週間前にロサンゼルスを襲った山火事による大火災のため、アカデミーは当初1月17日に予定していたノミネーション発表を延期した。また、2月に予定されていた毎年恒例のノミニーズ・ランチョンも中止した。2025年のアカデミー賞授賞式は、コナン・オブライエンの司会で3月2日に開催されることが決まっており、ロサンゼルスの英雄的な救急隊員に敬意を表するとともに、この街の不滅の精神を称えるという。
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