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【両国】すみだ北斎美術館 企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」

  • 2025.2.13

粋(いき)な遊び心で読み解く江戸の大小(だいしょう)、絵暦(えごよみ)

すみだ北斎美術館で開催中の企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」[2024年12月18日(水) 〜 2025年3月2日(日)]を見て来ました。

江戸時代の暦は、太陰太陽暦でした。月の日数は、30日(大の月)か29日(小の月)で、それぞれ6か月ずつとすると1年は354日でした。一年を24等分した二十四節気は農業などのためにに季節がわかるよう加えられたものでした。

月の満ち欠けの日数で運行する江戸の暦は現在と違い、同じ月でも大の月(30日)か小の月(29日)で毎年日数が変わるため、生活の上でその年の大の月と小の月を知ることが重要でした。

そこで江戸時代は、小さな摺物(非売品の私的な摺物)にユーモアのセンスに溢れたウィットに富んだ絵暦が制作され大流行します。

本展は、北斎も描いた江戸の大小、絵暦を読み解きながら江戸文化の遊び心と粋を感じる展覧会です。

※特別な許可を得て撮影しています。企画展示室内は撮影禁止です。

 

出典:リビング東京Web

「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」展示風景 すみだ北斎美術館

大小を楽しむ―絵暦に隠された大小のパターン

絵暦に隠された大小のパターンは様々でした。

《角大師(つのだいし)》

全身で大小の月を表している絵暦《角大師》。 頭は「正」、右手は「十一」、左手は「三」、胴体は「五」、右足は「六」、左足は「八」。 1、3、5、6、8、11が天明6年の小の月となる「文字絵の大小」のパターンです。

 

出典:リビング東京Web

絵師未詳 「角大師」 天明6年丙午(1786) 摺物 すみだ北斎美術館蔵 通期展示

《暫(しばらく)》

狂歌師・東山堂数良が描いた歌舞伎の演目がモチーフの《暫》。 大小は絵の中に、ではなく、絵と共に記された文字の中にあるパターンです。

「此狂言はあたりま小/\(あたりま小)/\(あたりま小) 四はら九は家の株二てきんこしの ろくかうつらから七七 何やつたエイ 三辻庵門住 円印「両国」」

本文に「小、四、九、二、六、七、七」とあり七が2つあるのは閏(うるう)7月を表わします。 「何やつた、エイ」は歌舞伎「暫」のセリフ。

江戸の太陰太陽暦では、大と小の月それぞれ6か月とすると1年は354日。そのため太陽の運行の365日に11日足りないため数年に一度閏月(うるうづき)を入れていたそうです。 文中の「寛政九たれも芝居を見(巳)のとし」とかけて寛政9年丁巳(ひのとみ)の小の月は、2、4、6、7、閏7、9になるそうです。

まるで謎解き脳トレをしているようです。江戸の粋に生きるのもなかなか知恵がいるようです。

 

出典:リビング東京Web

東山堂数良 「暫」 寛政9年丁巳(1797) 摺物 すみだ北斎美術館蔵 前期展示:2024年12月18日(水)~2025年1月26日(日)

葛飾派の大小ー北斎と一門が描いた江戸のカレンダー

葛飾北斎と一門が描いた大小を読み解きます。

 

出典:リビング東京Web

企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」展示風景 すみだ北斎美術館

月入り絵の大小《鴬と金太郎》

《鴬と金太郎》のほのぼのした摺物ですが…。

鉞(まさかり)に「小」とあります。刃先には「正、五、六、八、十、十一」の文字が隠れています。 1、5、6、8、10、11が小の月は、寛政11年ということが分かる絵暦です。

 

出典:リビング東京Web

葛飾北斎 「鴬と金太郎」 寛政11年己未(1799) 摺物 すみだ北斎美術館蔵 前期展示:2024年12月18日(水)~2025年1月26日(日)、後期はパネル展示

大小にチャレンジ―江戸の絵暦を読み解く

展示室の最後に江戸の絵暦を読み解く「大小に挑戦」の展示がありました。 早速《猿面と目かつら》にチャレンジ!―答えは会場の最後に。

すみだ北斎美術館の企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」は、3月2日(日)まで。 絵暦が読めたら江戸文化の粋に少しは近づけたことになるかもしれません。 是非お出かけください。

 

出典:リビング東京Web

「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」大小に挑戦 展示風景 すみだ北斎美術館

 

出典:リビング東京Web

絵師未詳 「猿面と目かつら」 嘉永元年戊申(1848) 摺物 すみだ北斎美術館蔵 前期展示:2024年12月18日(水)~2025年1月26日(日)

 

出典:リビング東京Web

「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」観賞ワークシート すみだ北斎美術館

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、和菓子マグネット たい焼き(363円)、和菓子マグネット 桜(363円)、手帖としても使える江戸帖 立葵(1‚650円)を購入。 江戸帖 立葵には江戸文化コラムが掲載されていて、江戸の美意識、粋なライフスタイルの情報満載です。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ すみだ北斎美術館

〇すみだ北斎美術館

URL:https://hokusai-museum.jp/

住所:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号

TEL:03-6658-8936(9:30-17:30 休館日除く)

交通:都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分、JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分、都営バス「都営両国駅前」より徒歩5分、墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)停留所」からすぐ

〇企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」

会 期:2024年12月18日(水) 〜 2025年3月2日(日)

※前後期で一部展示替えを実施

前期:2024年12月18日(水)~2025年1月26日(日)

後期:2025年1月28日(火)~3月2日(日)

開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)

休館日:毎週月曜日

※開館:2月24日(月・振休)、休館:2月25日(火)

会場:すみだ北斎美術館 3階企画展示室

観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生 700円、65歳以上 700円、中学生 300円、障がい者 300円、小学生以下 無料

※観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。

※一般以外の料金対象者は年齢等の確認できるものをお持ちください。

※障害者手帳をご提示の方は、付添の方1名まで障がい者料金でご覧いただけます。

※前売券及び当日観覧券の発売日・オンラインチケット販売方法や、各種割引の詳細、団体でのご来館、最新のイベント情報は、すみだ北斎美術館公式ホームページをご覧ください。

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