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ローラ・ダーン、故デヴィッド・リンチ監督に公開ラブレター

  • 2025.1.23
『ワイルド・アット・ハート』(1990)の撮影現場にて。
LAURA DERN and director DAVID LYNCH on the set of WILD AT HEART, 1990『ワイルド・アット・ハート』(1990)の撮影現場にて。

1月16日(現地時間)、78歳で亡くなったカルトの帝王デヴィッド・リンチ。『ブルーベルベット』(1986)や『ワイルド・アット・ハート』(1990)、『インランド・エンパイア』(2006)、「ツイン・ピークス The Return」でタッグを組んだローラ・ダーンが、彼を偲んで公開書簡を「ロサンゼルス・タイムズ」紙で発表した。

「あなたは、私たちが故郷と呼んだ愛するロサンゼルスの街が完全に崩壊する中、私たちのもとを去りました。人々が悲嘆に暮れ、損失を被っていることを心配していましたね。でも、まるであなたの映画のように、恐怖が起こっている間もあなたは、常に人々の中にある光と善良さを信じ、我が街とここに暮らす人々すべてのために希望を持ち続けました」

「あなたは、最も印象的なイメージを与え、私たちの夢に影響をもたらしただけでなく、ロサンゼルスをそこに永遠に刻み込んだ天才です。私たちの街がこの状況にある中であなたを失いましたが、感謝と絶望がこれ程まで密着に結びついていることになぜか驚きを覚えません」

Portrait Of David Lynch & Laura Dern

芸能一家で育ち、若くして活動を始めたローラだが、俳優として評価を得たのは『ブルーベルベット』がきっかけだった。「芸術という人生の旅であなたの導きに従い、形を変え成長しながら何年も過ごすなど、こんなに恵まれた人生を送るとは、10代の頃には想像もしませんでした」と感謝し、こう綴る。

「あなたのおかげで、女性の心理のあらゆる側面を探求し、典型的な姿やそれまでの解釈をすべて打ち破る姿を演じる機会を得ました。あなたは私を恐れを知らない境地に導き、また恐怖渦巻く場所や神聖な場所へと連れて行ってくれました。そして、悲劇の中に滑稽さを見出す助けをしてくれました。我が国の善良なものを信じさせ、その下に潜むものすべてを恐れさせてくれました」

AFI Fest 2006 Presented by Audi Presents "Inland Empire"

そして、『ブルーベルベット』で「パートナー、仲間として深く受け入れてくれたこと」、『ワイルド・アット・ハート』と『インランド・エンパイア』、「ツイン・ピークス The Return」の撮影中の、彼の人柄を思わせるエピソードなどを綴り、こう締めくくっている。

「私の中で、あなたは今も奇跡的な旅を続けています。あなたがこの世を去ったとき、あなたが次なる素晴らしい冒険を計画していたことがうれしいです。生涯をかけてあなたを愛し、恋しく思い続けます」

Text: Tae Terai

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