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ある日、突然倒れてしまうことも…「貧血」について医師に聞きました

  • 2025.1.30
出典:シティリビングWeb

ある日、突然倒れてしまうことも…「貧血」について医師に聞きました

自覚をしている人も多い「貧血」。実際にはどういう症状があり、どうやって対策をとればいいの? 「貧血」について編集部員が医師に聞きました。

~今回のお悩み~

・女性の多い職場ではありましたが、新人のときはなかなかつらさやしんどさを伝えづらく、生理の日に無理して、貧血でめまいがしたことがあります(Y.U)

・小学生の頃から貧血の症状がひどく、改善されることなく30代に突入しました(A.O)

教えてくれたのは…佐賀絵美先生
二子玉川女性のクリニック院長。産婦人科医師として総合病院でお産から婦人科がんの手術まで研さんを積む。ささいな症状を含めた女性の悩みを広く解決するホームドクター、かかりつけ医を目指して開業

出典:シティリビングWeb

Q.貧血の主な症状と原因は何ですか?

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足することで起こります。貧血による主な症状には、むくみ、動悸、息切れがあります。これらは体内の酸素不足が原因。呼吸によって体内へ取り入れた酸素は、肺で赤血球に乗り心臓を通って全身に酸素を運びますが、運搬する赤血球が少ないことで心臓が頑張らなければならなくなります。特に女性は月経による出血があるので、出ていく鉄より入ってくる鉄が下回れば、鉄欠乏性貧血になりやすいです。また、体質が影響する場合もあります。

Q.貧血になりやすいのはどんな人ですか?

ナプキンがすぐあふれてしまう、レバー状の血の塊がどばっと出てくるなど、月経量が多い自覚のある方は注意が必要です。貧血だけでなく、そこには婦人科系の疾患が隠れていることもあります。対策として、日常的に鉄分を意識した食事をとることや、規則正しい生活、質の良い睡眠を意識し、体の健康を維持するよう心がけましょう。同時に婦人科受診もおすすめします。

Q.貧血を放置すると体にどのような影響がありますか?

若いうちは、軽度の不調であれば代償できてしまいますが、徐々に貧血が進行して、ある日突然倒れて救急車で運ばれる…という方もいらっしゃいます。体は徐々に症状に慣れてしまうため、軽度の息切れや疲労感を「いつものこと」と深刻な症状に気づかないことがあります。そのまま放置すると少なからず普通の方よりは心臓に負担がかかっていき、貧血からくる心不全などのリスクが高まります。軽度の段階で改善策を講じることが大切。生活しにくい症状が出たり続いたりするときには、「こんなことで受診していいんだろうか」「これくらいなら大丈夫」と自己判断をせずに、早めの受診をおすすめします。何もないことがわかればよいですし、もし何か疾患があればすぐ治療に入ることもできます。

Q.貧血にならないために、どのような生活習慣を心がけるべきですか?

貧血予防には、鉄分豊富な食事を意識することが基本です。レバーや赤身の肉、魚介類、ほうれん草、大豆製品、海藻類などを積極的に取り入れましょう。また、鉄分が不足しがちな場合は、サプリメントを活用することも有効ですが、適量を守ることが重要です。加えて、十分な睡眠と規則正しい生活を送ることも欠かせません。

Q.貧血かも…と思ったとき、何科にかかればよいのでしょうか?

女性の場合、月経による出血があり、ヘモグロビン濃度の上下が定期的にあることからも、まずは婦人科を受診してみてください。婦人科で異常がなかったときは内科で血液の病気がないかを検査していくことになるかと思います。貧血の治療は、その原因に応じて異なります。鉄欠乏性貧血の場合は鉄剤の服用が基本ですが、月経過多(月経量が通常よりも多いこと)が原因の場合には、ピルの処方で対処することもあります。また月経過多の原因が子宮筋腫や子宮内膜症・子宮腺筋症の場合もあります。その時は内服治療のみならず手術による加療が必要なこともあります。医師の診断を受け、最適な治療法を選ぶことが大切です。貧血は病名ではなく“病態”です。病態の原因を突き止めることが必要なので、悩ましい症状がある場合は医療機関を受診しましょう。

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