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ニキビ・毛穴の塗り薬、「自分に合う」選び方とは?【べピオ、ディフェリンetc.】

  • 2025.1.21
教えてくれたのは…

はなふさ皮膚科

花房火月 理事長

がん研究会有明病院と東京大学医学部附属病院で培った外科技術を生かし、2011年に三鷹はなふさ皮膚科を開設。皮膚腫瘍やエイジングケアに力を入れていて、ニキビに悩む人も全国から来院。https://mitakabiyou.com/

保険診療のニキビ・毛穴悩みの塗り薬、それぞれの特徴は?

「できてしまったニキビに対しては、保険診療で薬を処方することができます。イソトレチノインは残念ながら保険適用外ですが」と、花房先生。どういった薬があるか、詳しく解説します!

アダパレン(ディフェリン)…白ニキビ・黒ニキビ・ニキビの予防に

花房火月 理事長

アダパレンという成分を含んだ治療薬がディフェリンゲル。アダパレンにはレチノール様作用があり、ニキビの原因となる毛穴のつまりを防ぐ効果があるんですね。新しいニキビの発生を防ぐ作用があるので、ニキビのできはじめである白ニキビや黒ニキビの予防に効果があります。紅斑やかゆみ、皮膚の乾燥、ヒリヒリ感などの副作用がありますが、比較的軽めで終わることが多いようです。妊婦さんや授乳中の女性には使えないので、その点も注意が必要ですね。


過酸化ベンゾイル(べピオ)…白ニキビ・赤ニキビ・ニキビの予防に

花房火月 理事長

過酸化ベンゾイルが主成分で、白ニキビ、赤ニキビに有効なのがベピオ。ブドウ球菌とアクネ菌の活動を抑える、詰まった角質を薄く剥がして毛穴詰まりを取り除くという2つの作用によってニキビを治療します。副作用はかゆみ、乾燥、皮むけなど。


抗菌薬

花房火月 理事長

感染に伴う炎症を起こしているニキビに効果があるのが抗菌薬。症状が改善されるまで塗り続ける必要があるが、つけ続けると時に耐性菌が出てしまうことも。ダラシンやアクアチム、ゼビアックスといったものがある。


●ダラシン…赤ニキビに

花房火月 理事長

ダラシンTゲルは無色透明で粘り気のある塗り薬で、クリンダマイシンを主成分とする外用薬です。クリンダマイシンはアクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を防ぐ効果があるため、炎症を起こしている赤ニキビと、化膿している黄ニキビに効果があります。やや耐性菌が増える傾向にあります。まれにかぶれを起こすことがあるので、かゆみや刺激を感じたら使用を中止してクリニックを受診すること。


●アクアチム…赤ニキビに

花房火月 理事長

ニューキノロン系といわれる抗菌外用薬で、アクネ菌やブドウ球菌を殺菌することで、ニキビや皮膚表在感染症を抑制、改善させる治療薬です。クリームとローション、軟膏の3種類がありますが、赤ニキビにはクリームとローションが適応となります。ニキビ治療でいうと、感染に伴う炎症状態となる赤ニキビに効果を発揮します。副作用はほとんどありませんが、まれにかゆみや刺激感、ほてり、乾燥、赤みなどがあらわれることがあります。


●ゼビアックス…赤ニキビに

花房火月 理事長

キノロン系の合成化合物、オゼノキサシンを有効成分として配合している外用抗菌薬。ローションと油性クリームの2種類の剤型があり、どちらも赤ニキビの改善、とびひなどの治療に使われます。1日1回の塗布でよく、理論上はごくわずかな量でも殺菌効果が期待できるというメリットがある一方で、まれにかゆみや皮膚の乾燥、刺激感などの副作用があるなどデメリットもあります。また妊娠中の方を対象とした臨床試験を実施していないため、妊娠中の方、また妊娠の可能性がある方には使用しないことが望ましいとされています。


複数の薬効を1つにした合剤

●デュアック…白ニキビ・赤ニキビに

花房火月 理事長

クリンダマイシン(ダラシン)と過酸化ベンゾイルという2種の成分からつくられたニキビ治療薬。ニキビの原因となるブドウ球菌とアクネ菌の増殖を抑えつつ、詰まった角質を薄く剥がして毛穴の詰まりを取り除くという2つの働きがあります。そのため、毛穴詰まり状態の白ニキビと、炎症を起こしている状態の赤ニキビに効果があります。副作用はかゆみ、赤み、乾燥、皮むけで、使い始めて1週間ぐらいは、ピリピリとした刺激、赤みが出ることが多いですね。角質を薄く剥がす作用があるので、乾燥や皮むけはある程度起こると思ったほうがいいでしょう。


●エピデュオ…毛穴のつまり改善に

花房火月 理事長

べピオ(過酸化ベンゾイル)とディフェリン(アダパレン)、2つの成分を配合しているエピデュオ。過酸化ベンゾイルは殺菌作用でアクネ菌を殺菌し、ピーリング作用によって毛穴のつまりを改善しますし、アダパレンは皮膚の角化サイクルを調節し、毛穴のつまりを改善する作用が期待できます。寝る前に1回塗布するだけでいいなど使い勝手もいいのですが、妊娠中の方は使用できず、授乳中の方も避けることが望ましい薬です。多く見られる副作用はかゆみ、赤み、乾燥、皮むけなど。使い始めて1~2週間は、ピリピリしたり赤みが出たりしやすいと思います。また、皮膚炎を起こすこともあるので、強いかゆみや熱感、腫れなどが出てきたら医師に相談してほしいです。


ニキビ・毛穴の塗り薬Q&A

「自分に合う薬」は皮膚科に行けば見つかりますか?

花房火月 理事長

実際に試してみないとわからないというのが本当のところですね。皮膚科医選びにも注意が必要で、指定病院でしっかりトレーニングを積み、5年以上の診療実績と手術実績、研究実績、論文発表、学会発表などの条件をクリアした皮膚科専門医の診察を受けるのがベスト。


処方された薬を塗っても治らないとき、どうすればいい?

花房火月 理事長

数ヵ月使い続けて様子を見て、それでも改善しない場合は、別の薬や抗生剤の内服を試します。どうしても保険適用の薬だけでは治らないときは、イソトレチノインなど自費での治療に移行することも。


使いたい薬を自分で選ぶことはできますか?

花房火月 理事長

希望を伝えれば考慮はされると思います。でも妊娠中や授乳中は使えない薬もありますし、肌質によっては副作用が出てしまうこともあるので、医師と相談しながらになると思います。


ニキビの市販薬を選ぶときに気をつけることは?

花房火月 理事長

市販薬は誰もが使えるものなので、副作用がほとんどないぶん、効果もそれほど高くないと思ったほうがいいでしょう。ニキビに悩んでしっかり治したいと思うなら、皮膚科で治療を受けたほうが早いと思いますよ。


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イラスト/もちづきいずみ 取材・文/穴沢玲子

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