2025年1月20日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領の2度目の就任式に出席した妻のメラニア・トランプ。アメリカ人デザイナー、アダム・リップス(ADAM LIPPES)がデザインしたダークネイビーのコートとスカートのアンサンブルに身を包み、特に人々の目を引いたのが、NY発ブランドのエリック・ジャヴィッツ(ERIC JAVITS)によるドラマチックなつば広ハットだ。ダブルウェイスのウール製で、アイボリーのリボンが縁取られたボーターハットは、実はトラブルであわや間に合わないところだったという。
ジャヴィッツは『ヴァニティ・フェア』のインタビューで、マイアミのオフィスからニューヨークでの最終フィッティングのために送ったら、「ダンボールは濡れて押しつぶされた状態で届き、中の帽子は修復不可能なほど破損していた」と明かす。「ちょっとした崖っぷち」に立たされた彼は、4日以内に2つ目の帽子を作った。「トランプ夫人のスタイリスト、エルヴェ・ピエールがマイアミでハットを受け取り、自らファーストレディの元へ運んだ」という。
ジャヴィッツは「WWD」に対し、「彼には運転手がいるので、起こり得る惨事を最小限に抑えるため、自らの手で彼女の元へ届けました。他の誰の手も触れさせず、誰の目にも触れさせず、エルヴェの手からファーストレディの元へ届けられました」。そして、こう胸を張る。「トランプ夫人の装いは、アメリカの最高の職人によって作られたものです。世界に示すことを誇りに思います」
Text: Tae Terai