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専門医直伝!30代から始める安全&効率的ダイエット10の秘訣

  • 2025.1.19

30歳を迎えることは、人生の一つの節目であり、ワクワクする瞬間でもある。より賢く、より強くなり、たくさんの人生の教訓を経て、自分自身のことをより深く理解できるようになったはず。ただ、この先の10年が少し魅力に欠けるのは、20代の頃に比べて体重が落ちにくいと感じる瞬間が増えることかもしれない。30代で減量を目指すなら、どんなアプローチを取るといいのだろう?

まず初めに、30代で減量は無理だという考えにとらわれないこと。「今年〇〇歳になってから何もかもうまくいかなくなった、と嘆く患者さんはとても多いのですが、面白いことに、その『〇〇歳』という年齢は人それぞれ違うのです。25歳と言う人もいれば、30歳、42歳と言う人もいます」と話すのは、減量に特化した医療サービス「Weight Medicine MD」の創設者であり、認定専門医のメーガン・ガルシア=ウェッブ医学博士。「ですが、食事や運動のスタイルを理想と現状で比べてみると、体重が増えた原因がはっきりと見えてくることは多いのです」

30代(そしてそれ以降)で減量することは完全に可能なこと。ここからは、30代で無理なく安全に体重を落としていくためのシンプルな10のコツと、30代で痩せにくいと言われる理由について、専門医たちが詳しく解説してくれる。アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

 

30代で体重を落とすのが難しく感じる理由とは?

まず、年齢を重ねると代謝が自然に低下し、安静時に消費するカロリーが減少すると説明するのは、ハーバード大学医学大学院で教授を務めるクリストファー・トンプソン医学博士。さらに20代を過ぎると、10年ごとに筋肉量が3〜8%減少していき、筋肉が減少すると安静時に消費するカロリーも減るため、時間とともに体重増加につながりやすくなる(筋肉を増やすための筋力トレーニングが非常に重要となるのはこれが理由!)

また、30代では生殖ホルモンが変動し、食欲、エネルギーレベル、体脂肪の分布にも変化が現れる。「月経周期や妊娠、更年期前後のエストロゲンやプロゲステロンの変動は、水分の保持や脂肪の貯蔵パターンに影響を与えます」とトンプソン医学博士。

30代で妊娠した女性の場合は、エネルギーを確保するために体がより多くの脂肪を蓄えるように適応し、こうした代謝の変化は出産後も続く場合があるとトンプソン医学博士は指摘する。「また、産後は文化的な期待やサポートが十分に得られないことでストレスを感じることが多く、これが体内のコルチゾール値の上昇を引き起こし、おなか周りの脂肪が増えやすくなります」

よって、体重が落ちにくくなる原因をひとつに絞れるといいのだが、実際にはさまざまな要因が関係している。「30代になると、体の仕組みやホルモン、ライフスタイルの変化が重なります。それに応じて食事や運動を適切に管理していかなければ、体重が徐々に増加していく完璧な環境が作り出されてしまうのです」とトンプソン医学博士。

30代で効果的かつ安全に体重を減らすための10のコツ

安全なダイエットでは画一的な方法などはなく、ホリスティックな栄養管理、定期的な運動、十分な睡眠、マインドセットの転換、持続可能なライフスタイルをバランスよく築き上げることが成功への鍵!

“長期的な成功において重要なのは、持続可能であること”

「健康を損なうような極端なカロリー制限や急激なダイエットは避け、長期的に続けられる食事やライフスタイルの改善に焦点を当てていきましょう」と話すのは、 肥満外科専門医のアンドレ・テイシェイラ医学博士。「持続可能であることが、長期的な成功には不可欠です」

どれくらいのペースで減量すると安全? ガルシア=ウェッブ医学博士は「週に約0.5〜1kgのペース」を守るようにアドバイスしている。「減量は、急いでするものではありません」

最後に、目標は何であれ、減量の過程が複雑な感情を引き起こすこともあると理解しておくことが大切。特に、摂食障害の経験がある場合は、その感情がより強く表れることがある。ガルシア=ウェッブ医学博士は、自分が一番良い状態でいられる方法を見つけることが重要だと話している。「減量は体重計の数字にこだわるのではなく、自分が理想とする習慣にどんどん近づいていく過程だと私は捉えています」

1. タンパク質を優先的に食べる

「タンパク質は、食後の満腹感を長く保つ鍵となるもの。これにより、次の食事の前にお腹が空いて間食をすることが少なくなるでしょう」とガルシア=ウェッブ医学博士。つまり、1日のタンパク質の摂取量を増やすことで、満腹感が持続し、結果的にカロリーの総摂取量を減らすことができる。実際、臨床研究によると、高タンパク質の食事は減量に役立ち、体重維持にも効果的であることがわかっている。なぜなら、2020年に『Journal of Obesity and Metabolic Syndrome』誌で発表された研究によると、タンパク質は消化時に体が消費するカロリーを増加させるから。

タンパク質の必要摂取量は人それぞれ異なるが、ガルシア=ウェッブ医学博士は1日に体重1kgあたり1〜1.2gのタンパク質を摂取するように勧めている。理想は、1回の食事につき20〜30gのタンパク質を目安に摂ること(必要に応じて間食にも含めて摂るとよい)。例えば、体重68kgの30歳女性であれば、1日に約82gのタンパク質を摂る必要がある。

2. 毎食、食物繊維が豊富な野菜と果物をたっぷり摂る

果物や野菜は、健康に良いビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているため、腸の健康をサポートし、消化を遅らせ、満腹感が得られることで食欲を整える手助けをしてくれる。トンプソン医学博士いわく、大人は1日25~30gの食物繊維を摂るように目指すべき。

また、新鮮な野菜や果物はカロリーが低いため、毎食の総摂取カロリー量が減り、体重が落ちやすくなる。研究でも、果物や野菜の摂取量を増やすことで、女性の減量につながることが一貫して示されている。

減量を順調に進めるために、ガルシア=ウェッブ医学博士は、1日5~7食分の果物と野菜を摂取するように勧めている。「できるだけ加工されていないものを選びましょう。りんごならりんごソースやりんごジュースではなく、りんごのスライスを食べることが理想です。果物や野菜が加工されると、満腹感の維持と血糖値の安定に重要な役割を果たす食物繊維を取り除かれることが多いからす」

3. 食品の成分表示を読み、自炊を心がける

カロリーやマクロ栄養素に気を配ることも大切だが、特に「健康的」とされる食品であれ、トンプソン医学博士いわく、成分表示をしっかり確認することが重要。特に避けたいのは、人工的な糖分や油、加工された成分。

同様に、外食時にはメニューに記載されていないが、脂肪分や糖分、加工成分が潜んでいる場合が多い。これらを避けるためにも、できるだけ自炊を心がけていこう。

4. 筋力トレーニングにコミットする

レジスタンストレーニングは、代謝や脂肪燃焼能力に大きく影響するため、週に少なくとも2~3回は取り入れるのが理想的だとトンプソン医学博士は言う。ダンベル、レジスタンスバンド、ウェイトマシンを使った筋力トレーニングは、筋肉量を増やしたり維持したりするのに有効で、これが安静時代謝率(完全に静止しているときに体が消費するカロリーの量)を高め、体脂肪の燃焼と長期的な減量をサポートしてくれる。

ただし、筋力トレーニングでは筋肉がつくため、体脂肪は減っても、体重にはほとんど、あるいは全く変化がみられないことも念頭に置いておこう。

5. 歩数を増やす

ウォーキングは1日のカロリー消費量を増やし、総エネルギー消費量に貢献するだけでなく、長期的な減量につながる可動性や抗炎症反応にも重要な役割を果たすもの。

トンプソン医学博士は、1日7,000〜10,000歩を目指すよう勧めているが、たとえ30分の散歩でも減量にプラスな影響を与えるという。「できるだけ体を動かすことが大切です」と補足したのは、ニューヨーク在住の減量を専門とする認定医のスー・デコティス医学博士。

6. マインドフルに食べ、間食の習慣を見直す

間食自体は悪いことではないが、デコティス医学博士いわく、何をどれくらい食べているかに意識を向けることが大切。「1日中間食をし続けていると、インスリン値が急激に上がり、脂肪燃焼を妨げます」。インスリンは空腹感や脂肪の貯蔵を調整しているため、インスリン値を下げることが減量と体重管理における肝になるという。

ポテトチップスやクッキー、クラッカーのような精製された炭水化物(満腹感が得られない食べ物)を考えなしに食べる代わりに、バランスの取れた食事を心がけ、間食が必要なときは果物や野菜、タンパク質が豊富な食品を選ぶようにするといい。

7. 考え方を変え、モチベーションとなる「なぜ」を見つける

マインドセットの管理も長期的な成功に欠かせないこと。「自分のライフスタイルに合った現実的な目標を立て、それを守り続けることです」とガルシア=ウェッブ医学博士。「ビジョンを築いてください。目指すものが明確でなければ、それを手に入れることはできません」

なぜ体重を減らすことが自分にとって重要なのか、その目標を追い続けることでどんな変化が得られるのか(活力が増す、子どもと遊ぶための体力がつくなど)を改めて自分に問いかけてみよう。「自分の時間と行動は、自分が100%コントロールできるということを忘れないでください。そう感じないかもしれませんが、実際に自分のスケジュールは、自分が思っている以上に調整できるものです」とガルシア=ウェッブ医学博士。つまり、それが本当に大切な目標なら、忙しい日常の中でも優先順位をつけ、ときには他のことを犠牲にしてでも、その目標に時間とスペースを捻出できるもの。

8. 水分補給を徹底する

水分が不足すると、喉の渇きを空腹と勘違いすることがある。最低でも1日11.5カップ(2.7ℓ)の水分をとるようにしよう。研究によると、水分摂取量を増やすことで食欲を抑えられ、代謝が上がることが示されている。

普通の水が苦手なら、炭酸水に新鮮なレモンやライムを絞って飲んでみて。

9. できるだけストレスを減らし、睡眠の質を守る

家族、友人、仕事でスケジュールがパンパンに詰まっているなら、すでにストレスがピークに達しているかも。実際にストレスホルモンのコルチゾールは、体が脂肪を蓄える原因となり、減量が余計に難しくなる。テイシェイラ医学博士は、ストレス管理にベストを尽くすように勧めている。ストレスは食欲を増進させるホルモンにも影響を及ぼすため、ヨガや瞑想、ジャーナリングなど、自分がリラックスできる方法を日常に取り入れると効果的。

睡眠も欠かせないポイント。睡眠不足になると、食欲を刺激するホルモンであるレプチンとグレリンを増加させ、これが夜食や甘いものを食べたくなる欲求を引き起こし、結果的に1日のカロリー摂取量が増えることになる。テイシェイラ医学博士は、できる限り毎晩7~9時間の睡眠を確保するようにアドバイスしている。

10. 大事なのは「完璧」よりも「一貫性」

「継続こそが鍵なので、自分が好きな食べ物を食べて、楽しく続けられる運動を見つけましょう」とデコティス医学博士。「無理にパサパサの鶏胸肉を食べる必要はありません。食材や味を工夫し、新しいスパイスやハーブでアレンジを加えてみましょう。食べるものがおいしければ、減量が苦痛や罰のように感じることはありません」

運動に関しては、自分に合ったトレーニングプログラムを見つけたり、週に1回友達と一緒にウォーキングをしたり、自分が楽しめるフィットネスチャレンジに挑戦してみて。

結局のところ、減量には一夜漬けや魔法のように解決できる方法などなく、長期的な健康を見据えた基盤作りが重要だとトンプソン医師は強調している。「目指すべきは、自分が強く、エネルギッシュでいられ、自信を持てる体重を手に入れること。体重計の数字を追い求めることではないのです」

※この記事はアメリカ版ウィメンズヘルスの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Andi Breitowich Translation: Yukie Kawabata

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