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ストレスは肌の大敵!キレイになるには心からケアしよう【ヴォーグなお悩み外来】

  • 2025.1.18

自律神経が乱れるとカサカサ敏感肌に

Young beautiful woman with dry irritated skin.

ストレスが溜まっている患者さんは、顔を見た瞬間に分かります。眉間がカサついていたり、皮脂が目立っていたり、顎や口の周りにニキビができていたりすることが多いですね」

このように話すのは、野村皮膚科医院院長として、毎日100人以上の患者を診察している野村有子先生。ストレスは、どのようなメカニズムで肌に悪影響を与えるのだろう。

まず、ストレスにより体の自律神経のバランスが乱れ、代謝の低下や体の冷えにつながる。そして、肌のバリア機能がダウンし、些細な刺激にも敏感に反応するようになってしまう。その結果、肌はカサついたり荒れたりするのだ。

ストレスはやっぱりニキビの原因!

Arrows Pointing to Blemish on Woman's Forehead

ストレスは肌を乾燥させる一方で、皮脂の分泌を増やす原因ともなるから厄介だ。ストレスは内分泌系を介して皮脂の分泌に影響。そして、皮脂を過剰に増やし、ニキビを作ったり悪化させたりする要因になるのだ。

実際、ニキビで皮膚科を受診する患者の約30%が、受験や就職、結婚などの生活上の変化をきっかけに、ニキビが発症・悪化しているという報告がある。また、80%近い患者が、日常的なストレスの増大とニキビの発症や悪化との関係を自覚しているそうだ。

さらに、皮脂の分泌が多くなった状態では、脂の多い場所を好むマラセチアというカビの一種が増加し、皮膚に炎症を生じ、脂漏性皮膚炎になることも。脂漏性皮膚炎は青年期以後に発症すると,頭のフケや顔の肌荒れを繰り返し、治るまでに時間がかかることもあるから要注意だ。

慢性的なストレスはシミやシワを増やす

Stressed businesswoman working late

ストレスは、シミやシワにも関係しているのだろうか? 先生はYESと答える。

「ストレスが溜まると肌のターンオーバーがガタッと落ちます。肌の再生力が低くなるのでシミやたるみの原因になるのです。また、ターンオーバーが乱れて古くなった角質が肌に残ると、肌の水分量が低下し、シワやくすみにもつながります。慢性的にストレスを抱えている人は要注意です」

シミやシワがたくさんできた自分の肌を見て気分が落ち込み、さらにストレスが溜まるという悪循環に陥る人もいるという。

「鏡を見るたびに気分が落ち込んで表情が暗くなり、やる気がなくなり、スキンケアがおざなりになる。ストレスが溜まって甘いものを食べすぎたりお酒を飲んだり、ご飯を作るのが面倒になって加工食品やファストフードばかり買って食事バランスが崩れる……。これらの行動もまた、肌荒れのもとになってしまいます」

肌荒れは、心から治そう

Mixed race woman relax and breathing fresh air outdoor at sunset

ストレスと肌荒れは密接に関係している。だからこそ、「ストレスが溜まっていたら皮膚はきれいになりません!」と、先生は断言。

「もし一時的に不調が治ったとしても、ストレスがあると、また肌荒れを引き起こします。ストレスが溜まっている限り、本当に満足できる肌にはならないと思います。肌荒れは、心からきちんと治していくのが大切です」

時には患者の人間関係の悩みを聞くなど、治療に加えて心のケアも重視している先生。患者からは「先生と話すと元気になる」と評判だ。

仕事にプライベートに忙し過ぎたりと、慢性的なストレスを抱えている人に何かアドバイスはあるだろうか?

「まずは、何がストレスになっているのかに気がつくことが大切だと思います。そして対処できるならば早めに取り組む。もし職場の上司やクライアントなど、避けられないストレスがある場合は『割り切る』ことも賢い選択だと感じます。仕事に対して感情をあまり挟まない、職場の人間関係に深入りしない、などの工夫ができるのではないでしょうか。

コロナ禍がありましたし、物価は上昇しているのに給料は上がらないなど、色々な社会的ストレスがたくさんあると、患者さんを通しても感じます。でも、その中でも私たちは生きていかなくてはならないわけですから、『1日1個楽しいことを見つけよう』という気持ちをぜひ持ってみてください。眉間にシワを寄せていたら、シワシワの顔になってしまいますよ! 私も白衣を脱いで家に帰ったら、美味しいものを食べるなど楽しいことをして、仕事の疲れを癒すようにしています。また、自分だけでなく家族や友達の幸せを願うのも大切だと思います。その幸せは、自分の幸せにもなるわけですから 」

話を聞いたのは……

野村有子先生

医学博士、皮膚科専門医、野村皮膚科医院院長。慶應義塾大学医学部卒業。アトピー性皮膚炎をはじめとするさまざまな皮膚の病気の診断、治療を行う。一人一人の患者を大切にした適切できめ細かな指導をしようと、1998年に野村皮膚科医院を開業。

Text: Kyoko Takahashi Editor: Kyoko Muramatsu, Yuna Shibata

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