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プロテインパウダーに「危険な量」の重金属が!?米非営利団体が報告

  • 2025.1.17

日々の栄養摂取量を最善の状態にしたい人や、ジムで掲げている目標を達成したい人たちの多くが取り入れている、「プロテインパウダー」。だが、その多くには「危険な量」の重金属や有害な化学物質が含まれている可能性があるという。

食品や日用雑貨の製品ラベルの透明性を向上させることを目指すアメリカの非営利団体、クリーン・レーベル・プロジェクトは2025年1月9日(現地時間)に公開した最新のレポートで、「調査の結果、従来の栄養成分表示には記載されない物質が、多くの製品(プロテインパウダー)に高濃度で混入している可能性があることがわかった」としている。

実際のところ、プロテインパウダーに何が含有されているというのだろうか。また、どのような製品であれば安全なのだろうか――?

検出された「重金属」とは?

検査を行ったプロテインパウダーの大半には、鉛とカドミウムが含まれていたという。発達障害や高血圧との関連性が指摘されている鉛の摂取量には、「ここまでならば安全」という数値はない。

また、アメリカの労働安全衛生局(OSHA)によると、慢性的なカドミウムへの曝露は、腎臓や骨、肺に損傷を与えるだけでなく、一部の種類のがん発症リスクを高める危険性があることがわかっている。

ミシガン州立大学(農学・自然資源学部 食品科学・栄養学科)で食品安全や毒性学、リスク評価を専門とする教授、フェリシア・ウー氏は、「鉛は神経毒として知られています。また、カドミウムは骨や腎臓に有害な影響を及ぼすことがわかっています」と説明している。

ただ、この報告書で明らかにされているのは、鉛とカドミウム、一部のプラスチック製品に含まれる化学物質のBPA(ビスフェノールA)とBPS(ビスフェノールS)に関する検査結果。クリーン・レーベル・プロジェクトの最高経営責任者、ジャクリーン・ボウエン氏は『CNN』に対し、その他の混入物質については今後明らかにすると話している。

発表された結果について、「幸いだった」と言えることがあるとすれば、それは検査の対象とされた160種類のプロテインパウダーのうち、BPAとBPSが検出されたのは3種類だったということだろう。

Women's Health

どの製品に混入していた?

残念ながら、レポートは重金属が検出されたプロテインパウダーの具体的なブランド名と製品名を公表していない。ボウエン氏は、それは「公平性と一貫性を保ち、利益相反の可能性を回避するため」だと述べている。

レポートによると、検査を行ったプロテインパウダーのうち、「植物由来」の製品の77%、「オーガニック」の製品の79%、「チョコレート風味」の製品の65%に、カリフォルニア州の州法「住民提案65号(プロポジション65)」によって定められた安全基準を上回る量の毒性重金属が確認されたという。

「住民提案(プロポジション)」は、住民が所定数の署名を集め、州法で規制するかどうかを投票で決定することを提起し、その結果、法律として成立したもの。「プロポジション65」は、有害物質のリストの作成と、少なくとも年に一度は改訂を行うことなどを定めている。

いっぽう、検査結果によれば、米とエンドウ豆、大豆を原料とした植物性のプロテインパウダーからは、ホエイベースの(チーズの製造過程で得られる副産物を原料とした)プロテインパウダーと比べて、3倍多い量の鉛が検出されたという。

また、チョコレート風味のプロテインパウダーには、バニラ風味のパウダーよりも4倍多い鉛と、最大110倍の量のカドミウムが混入していたとのこと。

クリーン・レーベル・プロジェクトは、70のブランドが取り扱う160種類のプロテインパウダー(市場の83%を占有)について検査を実施。さらに分析化学研究所に依頼し、258種類の混入物質に関する詳細な調査を行ったとしている。

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安全な製品は?

クリーン・レーベル・プロジェクトは、「厳格な検査の結果」に基づいて選んだという「最善の」プロテインパウダーのリストを公表している。そのリストには、Wicked ProteinやRitual、Neededといったブランドの製品が含まれている。

飲み続けて問題はない?

このレポートが対象としているのは、アメリカで販売されているプロテインパウダー。そのため、日本やイギリスをはじめ、その他の国の消費者が過度に心配する必要はないとされている。

ただ、ウー氏は、「はっきりとしたことを言うのは難しい」としている。「プロポジション65」で規制されているのは、一日に許容される重金属の摂取量だが、クリーン・レーベル・プロジェクトが検査にあたり、消費者が一日にどの程度の量のプロテインパウダーを摂取すると想定したのかなど、詳細は明らかにされていない。

ウー氏は、より詳しい情報が開示されなければ、健康に対する実質的なリスクを評価することはできないと述べている。

不安を感じるという人は、重金属の混入量が最も少ないことがデータで示されているホエイベースや卵ベースのもの、バニラ風味のものを選ぶようにするといいかもしれない。また、植物由来のプロテインパウダーのなかでは、エンドウ豆を原料としたバニラ風味のものが、混入量が最も少なかったとされている。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Women’s Health UK

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