地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
実は日本海側は世界屈指の豪雪地帯!いったいなぜ?
本州の日本海側は、平野部としては世界でもっとも低緯度にある積雪地帯であると同時に、世界有数の豪雪地帯でもある。こうした大量の雪を降らせているのは、シベリアや中国大陸から北西の風に乗って流れ込んでくる、シベリア気団と呼ばれる非常に冷たく乾燥した寒気である。なぜ、低温で乾燥した空気のかたまりが日本海側に大雪を降らせるのか。それには、日本海の存在が大きな役割を果たしている。
大陸からの強い寒気には、北西の風とともに日本海を渡ってくるうちに、相対的に暖かな日本海から水蒸気と熱が次々に補給される。これにより、寒気は下のほうから暖められ、上下方向で温度差が拡大するため、大気が不安定となる。その結果、温度差を解消しようと対流(上下方向のかき混ぜ)が発生し、それにともなって雪雲が発達。これが先ほどの風によって運ばれ、日本海側の山などにぶつかることで、北海道や本州の山沿いの地方に大量の雪を降らせる。
また、このとき発達する雲は積乱雲であることから、積雪には雷をともなうことがある。特に、雪の降り始めの頃に発生する雷は、「雪起こし」や「鰤起こし」などと呼ばれ、日本海側の初冬の雷を指す季語となっている。
一方、太平洋側の地方には、日本海側に雪を降らせて水分を失った空気が、山々を越えて吹き下りてくる。そのため、冬の太平洋側では雪がほとんど降らず、晴れて空気が乾燥する。ただし、非常に強い寒気が流れ込んできたときには、雪雲の一部が太平洋側にかかるため、一時的に雪が降ることもあるそうだ。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』