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セバスチャン・スタン、ドナルド・トランプ役が自分史上最も困難だった理由

  • 2025.1.15
"The Apprentice" New York Premiere Screening - Arrivals

セバスチャン・スタンが、『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』で若き日のドナルド・トランプ次期大統領を演じたが、「これまでで最も困難な経験だった」という。その理由について「トランプを演じることの複雑さだけでなく、作品が引き起こした反応のためです」と『ヴァラエティ』主催のポッドキャスト「Awards Circuit」で語った。同作は資金調達の時点で問題が浮上し、また米大統領選挙の年に公開されたことが賛否両論を呼んだという。

セバスチャンは本作と『A Different Man』でゴールデン・グローブ賞にWノミネートされ、後者でコメディー/ミュージカル部門男優賞を獲得。だが、「出演するなと言う人もいました」と振り返る。「出演すると孤立するとか、彼と似ていないとか、危険すぎるとか言われました。だけど僕にとって演技とは、心地悪いところへ向かう行為です……たとえ最も暗いものであったとしても、人間性を理解しようと試みることなのです」

「理解することは共感の試みであると解釈されているようですが、この映画の目的は共感ではありません。本作では、彼を信じるのか、彼の手に自分の命を預けたいのか、と問いかけているのです」

『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は1月17日より日本公開。
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は1月17日より日本公開。

トランプの心理を深く掘り下げた結果、予想以上に暗い事実が明らかになったそうだ。「彼は人々に人間性を失うことを許し、これまでしようともしなかった行動を取らせた。これが、僕には何よりも怖かった。愛の対極は憎しみではありません。無関心です。今起こっている無関心を、僕は心配しているのです」

こうした無関心は、『アプレンティス』のプロモーションやセバスチャン自身にも影響を及ぼした。『ヴァラエティ』の対談シリーズ「アクターズ・オン・アクターズ」の企画が持ち上がるも、対談相手が見つからず、実現しなかった。「人々の躊躇が露わになりました」「パーティーで、本作を今年一番のお気に入りだと言いに来てくれる人はいましたが、公にサポートするとなると誰もが口を閉ざしてしまいました。これは本当に大変でした」

それでも、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)で共演し、友人でもあるポール・ウォルター・ハウザーのような人たちがSNSを通じて支持を表明し、「アクターズ・オン・アクターズ」に立候補してくれるなど、思いがけないサプライズもあった。セバスチャンはうれしそうに語る。「最高でした。ポールのことはずっと尊敬しています。この業界にまだ残る仲間意識を思い起こさせてくれました」

Text: Tae Terai

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