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知っておきたい! 救急法の基礎知識を解説、救命講習へ参加してみよう

  • 2025.1.30

災害のときはもちろん、家族や身近な人が事故や急病で倒れたとき、冷静に行動するのは難しいものです。慌ててしまい、適切な判断ができなかったり、どう対処すべきか迷ったりすることが考えられます。

しかし、救急法の知識があれば大切な人の命を救うために行動できるかもしれません。基本的な心肺蘇生や応急手当てなどを学び、いざという場面で役立てられるように準備しておきましょう。

救急法とは

救急法とは、救急車が到着するまでに行う一次救命処置のことです。

ケガ人や急病人に対して、一次救命を正しくできるかどうかが、命を救うカギとなります。心肺停止になったあと、AEDが1分遅れるごとに救命率は7~10%下がり、10分以内にAEDを行わないと助からない恐れがあるからです。

救急車を要請してから到着までにかかる時間は、総務省の2023年のまとめでは平均10.3分とされており、その場に居合わせた人の行動が大切です。

それでは、目の前にケガ人や急病人がいたら、どのように対処すべきでしょうか。重要な3つのポイントを解説します。

ポイント① 手当てを始める前に

倒れている人の手当てを始める前に、まずは周囲の安全を確認します。

自分や周りの人が危険にさらされていないかをチェックして、二次災害(事故)が起きないように注意することが大切です。

その後、倒れている人の全身状態について、以下の点を確認しましょう。

  • 意識はあるか
  • 呼吸をしているか
  • 出血はあるか
  • 手足は動かせるか
  • 脈拍はあるか

近くにいる人に大声で助けを求め、119番通報とAEDの準備を行います。周囲の人と協力して、救急車が少しでも早く駆けつけられるようにしましょう。

ポイント② 心肺蘇生

倒れている人が呼吸していなかったら、心臓が止まっていることを疑って心肺蘇生を行います。心肺蘇生とは胸骨圧迫や人工呼吸、AEDを使った処置のことです。

胸骨圧迫30回、人工呼吸2回というサイクルを救急車が到着するまで繰り返します。このサイクルの途中でAEDが届いたらAEDを行う準備をします。

胸骨圧迫は心臓マッサージといわれるものです。胸の真ん中に手の付け根を置いて、肘を真っ直ぐ伸ばして5~6cmくらい沈むように胸を圧迫します。1分間に100回のテンポで圧迫を繰り返すことを意識しましょう。

人工呼吸では、鼻を押さえ軽く胸が上がるくらい息を吹き込みます。

AEDの使い方

AEDが準備できたら、すぐにAEDを倒れている人の横に置いて開けて実施します。電源を入れると音声ガイダンスが流れるため、それに従って準備を進めましょう。

  1. AEDの電源を入れる
  2. 音声に従って電極パッドを右胸と左の脇腹に装着する(服の上からではなく肌に直接貼る)
  3. AEDが自動で解析して電気ショックが必要か判断する
  4. 電気ショックが必要な場合、周囲の人に離れるように伝えた後、ショックのボタンを押す
  5. 電気ショックの後はすぐに心肺蘇生を再開する
  6. AEDは2分おきに自動解析するため音声指示に従う

AEDは一般の方でも扱えるように作られているため、操作自体はあまり悩むことなくできるでしょう。

AEDは病院やクリニックのほかに、市役所や学校、駅などに設置されています。

女性にAEDを使う際は、肌が露出しすぎないように注意してください。

ポイント③ ケガの応急手当て

出血などケガがある場合は、手を洗いできるだけきれいにしてから、手当てを行います。

救急処置において三角巾を使うことがあります。血が止まるように圧迫したり、傷が空気に触れないようにしたり、固定したりすることが目的です。三角巾がない場合は、スカーフやシーツなどでも代用できます。

ケガからの出血が少ない場合は、できるだけ早く清潔な水で傷口を洗い流しましょう。ケガが深いときは、感染したり出血が多くなったりする可能性があるため、すぐに医療機関を受けられるように救急車を手配しましょう。

救命講習に参加してみよう!

救命講習は、各地の消防署や日本赤十字社で定期的に開催されており、主に以下のことを体験しながら学べます。

  • 胸骨圧迫の方法
  • AEDの操作方法
  • 子どもへの救急法
  • ケガの応急処置

講習の時間は、2~4時間程度のところが多いようですが、講習内容や時間は開催場所によって異なります

実践的に練習することで、緊急時にも自信を持って行動できるでしょう。

また、短時間で学べる内容のため、忙しい人でも参加しやすいのが特徴です。

大切な人の命を守るためにも、救命講習に参加してみてはいかがでしょうか。あなたや周りの人にとって大きな安心につながりますよ。

(プロフィール)

西川しょうた

看護師/保健師/保育士

大学を卒業後、集中治療室や救命救急センター、心臓血管病棟などで看護師として14年間勤務。主に急性期の看護ケアに携わる。災害支援ナースに登録済み。現在は3人の子育てをしながら、医療・看護にまつわる記事の執筆や監修を行っている。

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