メキシコの殺人現場で、抵抗するカメラマンを力づくで拘束する軍の関係者たち。不法拘束の瞬間をとらえた映像に、東野幸治らスタジオメンバーが衝撃を受ける場面があった。
1月11日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める番組『国境デスロード』#6が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。
番組前半で密着したのは、カメラマンのヘススさん(34歳)。彼はアメリカとの国境に面するメキシコの街・ティファナで、死亡事故と殺人事件を専門に活動するフリーランスのカメラマンだ。ヘススさんによると、この街では1日平均8件、最大で15件もの殺人事件が起きているという。プジョルジョDがヘススさんと出会った日の夜にも、麻薬を製造、販売する組織・麻薬カルテルによる、射殺事件が発生。現場へ向かったヘススさんは、早速遺体を撮影しようとしたが、通行規制のため近づくことができない。そこで通行規制を変更してもらえないか、捜査官に交渉したが「できない」と断られてしまった。
しかしヘススさん、過去には通行規制の変更を要求しただけで、軍隊に拘束されてしまったことも。ヘススさんのスマートフォンには、軍隊に捕えられる様子を撮影した動画が保存されており、「これを見ろ。全員で俺を捕まえてる」と見せてくれた。その生々しい映像に、スタジオの東野は「すごいな」と驚愕しつつ、「撮ってるやつも友達なんかな」と動画の撮影者について推測。その後のスタジオトークでも東野は、この動画の話題を持ち出し、「弁慶が死ぬ時みたいになっていた」と、拘束時の壮絶な様子を弁慶の最期に例えていた。
手錠をかけられ、機材を破壊されるという散々な目に遭ったあげく、警察に引き渡され、逮捕されてしまったヘススさん。しかし最終的には、報道の自由を阻害する行為と判断され、不当逮捕という判決に至ったそうだ。