栄養士が推奨する食事の「40/30/30ルール」で活力アップ
休んでも休んでも疲れが取れない……そう感じている人は少なくない。疲労を感じる理由はたくさんあるが、食生活が一因であることも多い。なかでも、私たちのほとんどが知らず識らずのうちに摂取している単純炭水化物は血糖値を素早く上昇させるため、血糖値スパイクによるひどい眠気や倦怠感、イライラを引き起こしてしまうのだ。
そこで栄養士のナタリア・キンテーロがおすすめするのが、至ってシンプルな「40/30/30ルール」だ。キンテーロいわく、この食事法は「炭水化物40%、タンパク質30%、脂質30%を1食の目安」にしたもので、理想的なPFCバランスに基づいているという。
その効果を最大化するためには、GI値(グリセミック指数)が低い、もしくは中程度の炭水化物を選ぶといい。レンズ豆や黒豆のような豆類、野菜、ほとんどのフルーツ、全粒粉のパスタや玄米、サワードウブレッド(自然発酵させた酵母で作るパン)などだ。「低GIの食品は、血糖値の急上昇を抑えます。つまり、それに続く疲労感を避けることができます」とキンテーロは説明する。
血糖値スパイクを抑えながらエネルギーを摂取できる食材
すべての炭水化物が血糖値スパイクを引き起こすわけではない。一日中安定してエネルギーを補給し、間食をしなくても満腹感を維持してくれるものもある。キンテーロのおすすめは以下だ。
- レンズ豆、ひよこ豆などの豆類。食物繊維とタンパク質が豊富で、血糖値を安定させる働きがある。
- リンゴ、ナシ、サクランボ、プラム、ベリー類、柑橘類など、GI値の低い新鮮なフルーツ。
- キヌア、ライ麦、オーツ麦、大麦、玄米などの全粒穀物。これらの複合炭水化物はゆっくり消化される。
- 全粒粉のパンやパスタ。精製された小麦粉からできたものより、食物繊維や栄養を多く含む。
GI値の高いフルーツには注意を
フルーツはビタミンやミネラル、抗酸化物質を豊富に含むが、なかには血糖値を急上昇させる可能性があるものもある。「フルーツを食べ過ぎたり、GI値の高いフルーツを食べたりした場合(血糖値スパイクが)起こります」とキンテーロは警告する。
しかし、40/30/30ルールを実践するときにフルーツを完全に抜く必要はない。中庸とバリエーションが鍵だと、キンテーロは言う。「40/30/30ルールに沿った食事にするには、フルーツを1カップ程度に抑え、高繊維で炭水化物量の少ない、野菜のようなほかの食品でバランスをとってください。栄養素のバリエーションを豊かにすることで、血糖値の上昇がさらに和らぐでしょう」
キンテーロによると、糖分の多いフルーツ(熟したバナナ、デーツ、ブドウ、柿など)は避けるのが得策。全粒粉のパンや豆類を食べる場合は、フルーツは抜いたほうがいいとも付け加える。
重要なのは夕食
40/30/30ルールはどのタイミングの食事にも適用できるが、キンテーロによると、特に夕食で意識することが重要だという。健康的な夕食をとるのは、不思議ととても困難だ。長い一日を終えて疲れているとき、すぐにお腹を満たしてくれるような食べ物や、1杯のワインが欲しくなる。だが、そのような一時的な嗜好品は不要な血糖値スパイクを招き、翌日さらに疲れやすくなる。悪循環だ。
40/30/30ルールに徹せるよう、またそれぞれの割合を計算する手間を省けるよう、キンテーロが勧める簡単な方法がある。夕食の一皿を3分割し、3分の2を野菜、穀物、豆類などで満たしたら、残りの3分の1にサーモン、鶏胸肉、卵、豆腐などの良質なタンパク質食材を乗せる、というものだ。フルーツを入れてもいいが、大切なのはバランス。フルーツを食べる場合は、全粒粉のパスタやパン、豆類などのでんぷん質を抜くことを忘れずに。
Text: Ana Morales Translation: Rikako Takahashi
From VOGUE.ES
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