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【50代のリノベーション】マンション住み替え体験記~いざ内覧!中古マンション探し始まる~Vol.2

  • 2025.1.11

リノベーションして、自分好みの部屋に住みたい!という思いから、物件探しを始めた、50代夫婦の私たち。前回は、マンションに求める条件(管理費、修繕積立金が安いこと)を整理して、売り出し中の物件を検索するところまででした。23区内の現居の周辺、60㎡以上、角部屋希望、築年数は問わないという条件でしたが、果たして希望の住まいは見つかるのでしょうか……。

初めて内覧したのは、リノベーション中の物件

物件サイトを見始めて4カ月ほどして、初めてマンションの内覧に出かけました。家から徒歩数分のマンションが売り出されていたからです。検索サイトを通じて、内覧を申し込むと、すぐに不動産業者から連絡が。目星をつけていたほかの物件も含めて、以下の3軒を1日で回りました。

マンションA…最初に問い合わせたマンション。リノベーション工事中。76㎡、角部屋。駅近で、立地、広さ、部屋位置は理想的。
マンションB…リノベーション済みマンション。600戸を超す大規模マンション。82㎡。旧耐震だが、数年後に耐震補強工事を予定している。
マンションC…リノベーション工事中のマンション。65㎡。駅から遠いが、川沿いの静かな立地は好印象。

※トップ画像は、私たちが実際にリノベーションして住んでいるマンションの画像です。

物件サイトに載っている中古マンションは ほとんどリノベーションされている!

見学した、リノベーション済みマンションの一例。家具などが入っておしゃれに演出しているが、真ん中の梁が低い。

ここで、中古マンションを探すときの注意点を。物件を検索するととても多いのが、「リノベーション済み物件」です。これは、古いマンションを不動産業者が買い取って、一般的に好まれそうな内装、間取りにして販売しているもの。新築そっくりのきれいな内装なので、早くきれいな部屋に住みたい、という人にはおすすめです。でも、間取りや内装を自分たちで考えたい人は、リノベーション前の中古マンションを探す必要があります。リノベーション前の物件というのは、前の家主が引っ越したままで内装などに手を加えていない物件のこと。引っ越し済みで空き家の場合もあれば、居住中に売りに出している場合もあります。

物件情報で、必ずチェックしたいリフォーム履歴。直近でリフォーム完了となっているのはリフォーム済み物件。空欄になっている、または日付が古いものはリフォーム前の物件。

しかし、リノベーション前の物件というのは、とても数が少ない。あっても、まだ築浅で価格が高いものが多いのです。中古を買ってリノベーションしたい場合は、物件価格プラスリノベ費用(この時は1000万円で考えていました)でトータルの予算になります。リノベーション済みのマンションを購入して追加工事をすればいいのでは?とも考えました。でも、すでに工事費が価格にのっている物件を買って、さらに追加工事となると高くついてしまうので断念。

中古マンションを見るときのポイントは?

さて、この、最初の日の内覧は、不動産業者の営業担当がいい人で、マンションAの解体中の室内を、案内してくれました。壁の作りはこうなっているとか、専有部分の配管は取り替えるなど、細かく説明してくれて、リノベーションのイメージが具体的になりました。(しかも、この営業担当とは、思わぬご縁で再会します)。Aマンションは価格が高いことと、電気温水器使用(部屋の中に大きなタンクがあり、電気で温めて給湯している)が懸念点に。

内覧させてもらった、解体途中のマンションA。これは、一部既存の壁を活かした状態。水回りを移動させる場合は、床はすべてはがして解体。解体工事は大変だし、ごみもたくさん出るんだな……と実感。

マンションBは営業担当おすすめの物件。大手ゼネコンが手掛けた物件で、建物はしっかりしています。しかし、管理規約で床はカーペット敷という規則(つまりフローリング不可)。価格が安いのはそのせいのようです。マンションによっては、このように管理規約でリノベーションの内容を制限していることがあるので、不動産業者に確認を。

マンションCは、川沿いの眺めのよい部屋ですが、こちらもリノベーション中物件でした。ただ、広くないLDKにカウンターキッチンがドーンとあり、ここにダイニングセットやソファを置いたら狭くなるだろうな……と想像できます。キッチンを壁付けにしたり、小さなワークスペースをなくせばもう少し広くなりそうだったので、間取りが残念です。

さらに、この物件、キッチンまわりの床が一段高くなっている。トイレやお風呂などの水まわりも廊下と段差がありました。古い物件は、床下の配管の関係で、このように「水回りの床が一段高くなっている」というのが、実は多いのです。

ささいなことにも思えますが、これから年をとっていく50代だから、段差はできるだけ少なくしたい。ねぼけてトイレに行って、つまづくのもいやなので、除外しました。

築古マンションの欠点としてほかにも、「梁が多くて天井が低い」というのがあります。梁があるのは構造上しかたないですし、梁と壁の位置を合わせたりすることで、目立たせなくできます。ただ、水回りの段差は解消しづらく間取りにも影響するので、注意が必要です。

新耐震であることを重視するか、否かの問題

そして、もうひとつ、中古マンションを選ぶうえで気になるのが、耐震基準。建築基準法の耐震基準は、1981年6月に切り替わっていて、それ以前に建築確認されたものを旧耐震、以降のものを新耐震と区別しています(建築確認された時期なので82~83年築にも旧耐震物件が含まれています)。新耐震のほうが、安全性が高いと考えられるため、旧耐震よりも物件価格は高くなります。住宅ローン控除など、税制面でも新耐震と旧耐震では扱いが異なります。

旧耐震は耐震面でリスクがある一方、価格は安く、好立地でゆとりのある敷地に立っている場合がある、というメリットがあります。あくまで新耐震にこだわるのか、気に入った物件ならば旧耐震でもよしとするのかは、価値観次第です。ちなみに、この日、私たちが内覧した3軒はいずれも旧耐震でした。旧耐震を選んで見に行ったのではなく、価格や立地で探したら、旧耐震だったのです。

この日見た3軒のなかでは、マンションAがいちばんよかったのですが、想定していた予算よりも500万以上オーバー。同じマンションで、リノベーション前の部屋が出たら、チェックしよう!と思うのにとどまりました。

忘れちゃいけない、管理と修繕積立金の状況

最初に行った内覧で、リノベーション済み物件は見てもあまり意味がないとわかったので、次からはリノベーションされていない物件(特に新耐震基準のもの)を選びました。

室内の印象(梁が低すぎたりしないかなど)、窓からの景色(古い民家がぎゅうぎゅうに立っていたり、ガソリンスタンドの隣の物件は避けました)なども大切なのですが、それ以上に重視していたのが、やはり修繕積立金です。マンション全体で修繕積立金がいくらたまっているのか、過去の大規模修繕ではどんな工事をしたのかも、必ず不動産業者に確認しました。

築40年以上のマンションでも、適切に修理されていれば、そこまで外観からボロボロという風にはなりません。入ってみると敷地や共有スペースがゆったりしていて、建築当初にお金をかけたんだろうなとわかるマンションもあります。適切にメンテナンスされているかどうかは、マンションの寿命に直結するので、中古マンションを購入するときに、最重要チェックポイントかもしれません。

そんなわけで、2023年の春~夏にかけて、トータル10軒程のマンションの内覧に行きました。内装がくたびれているのはいいとして、60㎡台だととても狭く感じたり、いいなと思う物件は高かったりで、これだ!と思う物件には巡り合わず。2023年夏ごろから、さらに相場価格が上がってしまい、自分たちの予算で検索すると、出てくるのは心惹かれない物件ばかり……という状況になって、いったん物件探しは休止に。

前から気になっていたマンションの情報を発見

年が変わって2024年。息子が大学受験生となった冬。登録していたアプリから、おすすめ物件の情報が届きました。

実際に買うことになった物件の、広告に掲載されていた写真。日当たりのよさと開放感がひかれたポイント。このときは家具が入っていますが、内覧した時は何もありませんでした。

それは、我が家のすぐ近く、私がいつも散歩している川沿いに面した物件。建物は古いのですが、遊歩道から見ると堂々として見えます。ここが売りに出ないかなとひそかに思って眺めていたのです。

見れば、リノベーションしてない物件で、最上階角部屋。手が届きそうな価格(これまで内覧した物件の中でも安かった)。これはすぐにでも見に行くしかない!と、夫婦で乗り気になったのです。

次回は、ついにマンション購入、契約までについてお話しします。

※画像・文章の転載はご遠慮ください。

田中絵真

フリーライター 田中絵真

田中絵真

暮らしまわり、ヘルスケアの記事を多く執筆。

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