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安部若菜 エッセイ連載「私の居場所は文字の中」/第10回「澄んだダンス」

  • 2025.1.10

新年、あけましておめでとうございます。

初詣、初売り、初競り、何をやっても初めてになり、心機一転、切り替える節目が用意されていることをありがたがっているうちに正月がとっくに終わっていました。

2024年から2025年になり新しい年が始まった訳ですが、2025年というのは何だか特別な年に感じます。 まず、5の倍数の年は何だか区切りっぽい。2015年しかり、2020年しかり。

そして『大阪・関西万博が2025年開催』。 開催が決まった2020年時点では、2025年なんて大分先だなぁと思っていたのに、あっという間に来てしまいました。

思えば日本開催のオリンピックの時も同じような会話をしました。 「お・も・て・な・し」って言ったのこの間に感じる…え⁉︎あれ2013年⁉︎

学生のうちは、「早く20歳になりたい」と願っていたのに、最近はどんどん過ぎる年月が怖くなってきました。まぁ、年を重ねた自分も楽しみなのですが。

とにかく、今年は大阪・関西万博。私は大阪に住んでいますし、NMB48がスペシャルサポーターに就任しているというのもあり、もうすぐやってくるという実感もあります。 が、関西以外の方の目にはどう映っているのか、実際に万博が始まったら大阪がどんな雰囲気になるのか、未知だらけの1年です。

でもいつもと同じような1年が過ぎ去るよりも、日常に新しいものがある1年の方が楽しみですし、ワクワクが湧き出てきます。

2025年が終わった時に自分自身が、日本全体が今より良い雰囲気でありますように。まだ初詣に行っていないので、今年はそう祈りを込めて手を合わせようと思います。

安部若菜の最近読んだ本

ダ・ヴィンチWeb
『軽いノリノリのイルカ』(満島ひかり,又吉直樹/マガジンハウス)

『軽いノリノリのイルカ』

又吉直樹さんと満島ひかりさんの豪華タッグによるショートストーリーです。

満島さんが回文(“トマト”のような上から読んでも下から読んでも同じ文章)を作り、その回文を元に又吉さんがショートストーリーを書く、という説明のまえがきを読んだ時は、はて?と思ったものですが、早速1つめの回文からぐっと引き込まれました。

例えば、私が1番好きだった回文は

『溝の中透かし キレイな哀しみ うつ熱生みし 泣かない歴史 かすかな望み』ダ・ヴィンチWeb

私はこれを読んで、どことなく水色っぽい印象を受けました。 回文ってあまり触れたことがなかったのですが、ふんわりと雰囲気を想像して楽しんだり、色んな楽しみ方が出来るんだと新たな発見です。

さて、ここからどんな物語が作られるのか想像も出来ないまま読み進めると、毎度斜め上からの文章がやってくるので、唸りながらページを捲りました。

そして合わせて載っている写真も、回文の空気を残しつつ、ポートレートや風景など幅広く素敵な写真で、文章だけでなく本の作り全てを楽しめる一冊でした。

あぁ、この文を回文で締めたらかっこいいなぁと思ったのに、あまりに何も浮かびませんでした。 しんぶんし。

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