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伊藤健太郎×愛希れいか×乃木坂46・弓木奈於が明かす、仕事での葛藤「すごく怖かった」<未恋〜かくれぼっちたち〜>

  • 2025.1.9
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子

【写真】伊藤健太郎×愛希れいか×弓木奈於、撮り下ろしSHOT6枚

カンテレ×FODオリジナルドラマ「未恋~かくれぼっちたち~」が、1月9日よりスタートする。本作は、吉田ウーロン太らが脚本を担当したオリジナルストーリーで、大人になりきれていない若者たちの繊細な感情を映し出す“隠れぼっち”たちの群像劇。漫画出版社の編集部を舞台に、仕事はできる、人にも優しい、そしてイケメンだが、心に隠した本当の自分と向き合うことから逃げている“隠れぼっち”な30歳手前の主人公・高坂健斗が、タイプの真逆な二人の女性にうっかり心を持って行かれてしまう模様を描く。

放送を前に、主人公・健斗役の伊藤健太郎と、健斗が心惹かれる二人の女性、売れっ子アイドル漫画家・深田ゆず役の乃木坂46・弓木奈於&元小説家で健斗が勤める編集部に派遣社員としてやってくる鈴木(柿沼)みなみ役の愛希れいかにインタビュー。本作の撮影秘話からお互いの印象、自分が子どもだと思う瞬間まで、さまざまなことを語り合ってもらった。

「僕も昔はそういうことが結構あった」

ーーまずはそれぞれが演じている役柄と自身の相違点を教えてください。

伊藤:僕は一つも似てないですね。 全然似てないです。健斗を理解できるところはあるんですけど、共感はほとんどできないですね。でも、唯一分かるなと思うところが、健斗はわりと言わなくていいことをポロっと言っちゃうんですよね。特に自分の中で話してるときの熱が高くなってるときに言っちゃうんですけど、言ってから、「あ、今のはいらなかったな…」って気付く。最近では直ってきたんですけど、僕も昔はそういうことが結構あったので、唯一似てる部分なのかなと思いました。

逆に最も違うなと思う部分は、ゆずがいきなり健斗の家にやってきて、「ここなら私、小説書けるかもしれません!」って居座ろうとするシーン。健斗はすぐに受け入れて、自分のテリトリーをなくし、家を模様替えして、ゆずのスペースを作ってあげるじゃないですか?僕は自分だけの空間は確保したいので、絶対にないですね。それに、僕だったら、一緒に住む自体は受け入れるとしても、もう少し時間が欲しいです。相手を知っていって徐々にかなと。

弓木:私は…。

愛希:(喋り出した弓木を見て)可愛い…。

一同:(笑)。

弓木:ゆずと似ているなと思ったところは、会話の途中で急に違う話をし出すところですね。それもただ素直に思い出したから、この話をしなくちゃという感じで無意識にコロコロ話題が変わるところです。私は気付いていなかったのですが、マネージャーさん曰くすごくあるらしいです。他にも最初は人見知りで壁を作っちゃうけど、慣れてきたらとことん距離が近くなってしまうところも似ていますね。

「照明部のおじちゃんたちが弓木さんにメロメロです(笑)」

愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子

ーー共通点が多いのですね。では、逆に違うなと思うところはありますか?

弓木:違うなって思ったところ…違うなって…違うな…。

ーー特にないですか?

弓木:うーん…あります!

伊藤:無理しない方がいい(笑)。

弓木:本当にあります!ゆずの行動力があるところは自分にはない部分だなと思います。思ったときにすぐにやってみようと実行する力と言いますか。一度そう思ったら、もうそこしか見えなくて、とりあえずやってみるっていうのが、ゆずにはあると思います。私はそう思っても、いろいろと考えてしまって行動できないことが多いので、そこは見習いたい部分でもあるなと感じました。

愛希:私がみなみに共感できるところは、 変わり者という部分です。あと、あまり周りに影響されずに自分の世界があるところ。 だから、今回あまり役作りをしてないんですよね。自然体な、そのままの感じで臨みました。違うところは、彼女は小説家なので、自分の思いをはじめ言葉で何かを伝えるのがすごく上手なのですが、私は言葉で何かを表現するのはあまり得意ではなくて…。 どちらかというと体で表現する方が好きなので、そこは違うところかなと思います。

ーー愛希さんが演じているみなみの「言葉が海に浮かんで、その海にダイブすることで救われる」というセリフが印象的でした。みなみは小説家ということもあって独特な感性を持っていますが、皆さんは撮影を通して、お互いのことを変わってて面白いなと思った瞬間はありましたか?

愛希:(弓木の方を見て)存在がなんかもう独特っていうか…。

伊藤:妖精さんみたい!

愛希:そう!本当に妖精さんで、人間ではないのではないかと思ってしまう雰囲気があります。

伊藤:纏ってるオーラが独特で、近付けるけど、触れようとしたら触れない人みたいな(笑)。

愛希:唯一無二のものだと思いますし、それがすごく素敵ですよね。でも、雰囲気だけじゃなくて、発言も面白くて。

伊藤:さっきもなんか急に思ったことをボロボロこぼすように言い出して…。

弓木:そんな、ボロボロこぼしてないよ(笑)!

伊藤:「…何!?何!?!?」って言ったら、「あ、ごめんなさい。今心の声が全部出ちゃいました」って(笑)。そんなことないじゃないですか?そういうところが面白いなって、よく和ませていただいてます。あと、照明部のおじちゃんたちが弓木さんにもうメロメロですね(笑)。

一同:爆笑

伊藤:おじちゃんたちがいつも「可愛くて震えちゃいます」って言ってます(笑)。

「至るところで宝塚を出してくれる」

愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子

弓木:愛希さんは本当に礼儀正しくて。ミスしちゃったときに、自分から「すみません!」と、すごく清々しく謝られるんです。言動すべてがハキハキしているのに、お話ししたらおっとりしている部分もあって、その二面生がすごく素敵だし変わっているなと思います。

伊藤:確かに。本当に面白いです。

愛希:それはもう宝塚で鍛えられたものですね。

伊藤:まさに至るところで宝塚を出してくれるんですよ。無意識なときもあるし、あえて見せてくれるときもあって。

愛希:意識的に見せたときなんてありました!?

伊藤:ありますよ、一回。シャンとした姿勢をして大きな声で「もう一回やらせてください!」って。

愛希:あった(笑)。それが「宝塚っぽい」って言われたからやってみたんですけど…。

伊藤:(笑)。そのときに意外とこういうノリが良いこともやってくれる方なんだなと思って。多分、愛希さんは本当はもっとお茶目で面白い方なんだろうなと思うときがあって。それが最近ちょいちょい「出てる!出てる!!」って思う瞬間があるので、僕からすると、素を出していただけるようになった気がして、うれしいですね。

弓木:分かります!でも、伊藤さんも変わってますからね。

伊藤:え!?一番普通だよ。

弓木:いやいや、めっちゃ変わってますよ。何が変わってるって、全部なので、具体的には出てこないのですが、もうオーラが…。

伊藤:(笑)。ヤバイやつじゃん!

弓木:伊藤さんはすごく自然体なんですよね。人を虜にしちゃうんです。スタッフさんも含めて、みんなを無意識のうちに転がしちゃう。そういう魅力がとてもあるんです。伊藤さんが全員とフラットに接しているからこそ、みんなすごく伊藤さんと話しやすいのかなと思います。何気ない一言に「え、すっごくいい人じゃん…」と思う人が現場で続出している気がします。

愛希:本当に常にみんなにフラットだから、ご自身でも「裏表がない」っておっしゃってますが、その通りなんだろうなって。もちろん悩みとかはあると思うのですが、伊藤さんには影が一切ないんですよね。その真っ直ぐさみたいなものが、私からしたら変わってるなと思う部分ですね。

伊藤:自分、基本何も考えてないから、いろいろなことを気にしてないだけだと思います(笑)。

愛希:それ、素晴らしいことです。

弓木:あと、現場で伊藤さんが寝ていらっしゃったときに、その横でみんなで結構騒がしくしちゃったんですよ。後にそのことに気付いて、申し訳ないねという話をしていたら、伊藤さんが「全然!騒がしいところの方が寝れるんで」とおっしゃって、本当にちゃんとぐっすり寝ていらっしゃったんです(笑)。そこもすごく変わっているなと思いました。

伊藤:めっちゃ寝てた!ガヤガヤしたところだとよく眠れるんです。…でも、確かにそれは変ですね(笑)。

「全部が子どものまま」

愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子

ーーどこでも寝られるの羨ましいです(笑)。本作では、大人になりきれていない若者たちの繊細な感情が描かれていますが、皆さんが今でも大人になりきれず子どものままだなと思うことはありますか?

伊藤:本当に全部が子どものままです。僕、16〜17歳ぐらいで止まってる気がするので、全然大人になれてないです。自分が想像してた27歳はもっと大人でした。

ーー分かります。子ども時代に想像していた大人よりも、ずっと幼い自分が今いますよね(笑)。

伊藤:基本的に頭の中は学生時代とあまり変わってないです。 当時見てた30歳近い方たちって、すごく大人に見えてたんですけど、 自分が同じような年齢になった今、当時見てた大人たちのようになれてるのかと考えると、いやぁ〜…なれてないなと痛感します。

愛希:私も本当に子どもですね。この3人の中では一番年上なのですが、皆さん本当にしっかりされているなと日々思っています。大人にならなきゃいけないと思っていた時期もあったのですが、あるとき、こういうお仕事をさせていただく上では、子どもの心をなくしてはいけないのではないかということに気付いて。そこからはもうこのままでいいやって開き直って、あまり大人に変わろうとはしてないですね。もちろん、他人に迷惑をかけない等は気を付けますし、大人としてきちんと対応するところはしなければいけないですが、それ以外は、子どもの心をずっと持ち続けたいなと思っています。

ーーでは、愛希さんはどういう瞬間に子ども心を刺激されますか?

愛希:こういう仕事をする上で、トキメクというのが一番大事だと思うんです。小さい頃から常にセーラームーンになりたいみたいなことを思っていたので、それと同じように今もこういう役をやりたいみたいなワクワクする気持ちでお仕事に臨めたらと。それが一番楽しいですし、そういう夢とかキラキラした感情の力が最も強いなとも感じていて。でも、そのトキメキって大人になるにつれてどんどん失っていくんですよね。だから、そういう感情はなくしたくないなと思っています。

弓木:私もすごく子どもだなと思ったことがあって…。最近気が付いたんですけど、このみちゃんという役の女の子がいるのですが、一緒のシーンのときにお母様がエネルギーチャージとして甘いものを何回も補充されていたんです。私もヘアメイクさんに同じことをしていただいてるなって(笑)。 私がちょっと眠そうだなとか、お腹空いてそうだなという時にお菓子を持ってきてくださるので、知らないうちにエネルギーチャージされていたのかと気付きました。あとは、私多分独占欲が強いんですよね。あまり言わないようにしていますが、そこがとても子どもっぽいなと思います。

愛希:独占欲…面白い。私はあまりないかも。

弓木:例えば、仲良くなりたいと思った子に自分以外と話をする隙を与えないくらいたくさん話しかけたり誘ったりしちゃうとか…。それは友達関係でも。もちろん心の中で思ってるだけで、言わないですよ!

愛希:へぇ〜そうなんだ、それはすごいね。でも、そこまで思ってくれるなら独占されてる側もうれしいですよね。

伊藤:確かに。僕はあんまり独占欲はないけど、小さい時はありましたね。小学校1年生ぐらいのときに、おもちゃかお菓子かを姉貴に取られて、母親に訴えたら、「それが嫉妬っていうのよ」って教えられました(笑)。

「お姉さんキャラでやっていくぜ!という意気込みで乃木坂46に入った」

愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子
愛希れいか×伊藤健太郎×弓木奈於 撮影=玉井美世子

ーーなるほど。本作では、ゆずが健斗に抱く「何か違うんだよな…」というちょっとしたズレが個人的にリアルだなと思ったのですが、皆さんが本作に共感した部分はありますか?

伊藤:物語の後半の話になってしまうのですが、健斗が新人の漫画家の先生に、「自分が作りたいと思ったものを作品として世の中に出すべき」と言うシーンがあるんですけど、そこが刺さりました。役者をやっていく上で、僕にとってそれが永遠のテーマでもあるのかなと思っていて。求められるものをやることももちろん重要ですが、そればかりだと自分の心が健康ではなくなってしまう気がしていて…。

実際に僕もやりたい作品やお芝居だけをやれてたかというとそうじゃなかったので、それに悩む時期もありました。マストのものだけになってくると、どうしても作業になってしまう部分があって、仕事が楽しくなくなってくると言いますか…好きじゃなくなってしまう感じがして。やらされてると思って仕事をさせていただくのは一番失礼なことでもあると思うので、それがすごく怖かったんです。ただ今振り返るとあれも必要なことだったんだなと感じています。後半の方で健斗の気持ちに変化があってそれを説明するシーンがあるのですが、その感情にはすごく共感できるなと思いながら撮影していました。

弓木:私は、ゆず自身が思っている以上に早いスピードで世間から持ち上げられてしまって、なんか思ってたのと違うな…と葛藤している姿に共感しました。私は最初、みんなの相談相手役的なお姉さんキャラでやっていくぜ!という意気込みで乃木坂46に入ったのですが、生放送のラジオが始まった途端、全然違うことがばれてしまって…。でも、「逆にそこがなんかいい!」みたいな感じで持ち上げていただくことも多くて、それが自分の中でギャップと言いますか、違うんだけどなと思う部分です。あと私はグループに所属していますし、大家族なので周りに人はいっぱいいるのですが、無意識のうちに隠し持ってしまう部分があるので、そういうところもゆずに近いのかなと。共感できるところが多かったように感じます。

愛希:私は好きなことを仕事にするというところです。私もありがたいことにそうさせていただいているので、星くん(鈴木大河)をはじめそこに行き着くまでのそれぞれの過程みたいなところにも共感しました。好きなことを仕事にする難しさと、それを仕事にできたときの幸せ、そしてだからこその葛藤っていうのは分かるなと思うし、自分自身も今すごくお仕事について改めて考えている時期でもあるので、投影しながら撮影に臨んでいました。

構成・取材・文=戸塚安友奈

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