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冷水を浴びせられ、食事も与えられない。生家でも嫁ぎ先でも虐められつづけた不遇な王女へ、救いの手が差し伸べられて…

  • 2025.1.9

侍女から生まれた王女が、生贄同然で嫁ぐことに。生家で虐め抜かれた彼女が、数々の困難に直面しながらも真実の愛を知る――。

そんな王道シンデレラロマンスが『黒狼王と白銀の贄姫 辺境の地で最愛を得る』(高岡未来:著、白木苺:漫画、vient:キャラクター原案/KADOKAWA)である。

母親が侍女ゆえ、長い間虐げられてきた王女・エデル。使用人以下の扱いを受けても、エデルには黙って堪える以外の選択肢はなかった。

やがて母国は敗戦。エデルは王妃の娘の身代わりとして敵国に嫁ぐことになる。この結婚により今の劣悪な環境から逃れられるかもしれない、という望みを見出していたエデル。しかし、彼女の希望は儚くも散ってしまう。

彼女を虐め、苦しめ続けた女官が嫁ぎ先にも同行するからだ。

嫁いだ後も、女官からの虐めは止まらない。食事を与えない、冷たい水を浴びせ罵倒するなど、エデルを傷つけ続ける。彼女の味方は誰もいない。あまりの辛い境遇に、胸が痛む。

しかし、食事をとらない妻を不思議に思った夫のオルティウスは、エデルをとりまく違和感に気づく。オルティウスは女官に接近禁止命令を出し、エデルを守ることに。

結婚当初はさまざまな要因が重なり、エデルを警戒していたオルティウス。しかし暮らしを共にするうちにエデルの素直さや優しさに触れ、彼女に惹かれていくのだった。

このままふたりには幸せになってもらいたい。そう思ったところで、エデルの殺害未遂事件が起きてしまう。テンポの良い展開と緊張感のある描写に引き込まれ、片時も目を離せない。

エデルとオルティウスの絆が深くなればなるほど、彼らに降りかかる困難は大きくなっていく。困難に直面するたびに、ふたりは強く、人間として成長していく。そんな姿が実に好ましく、応援したくなってしまう。

ふたりは幸せになれるのか。そしてエデルを虐め抜いていた人間に罰はくだるのか。ふたりのその後を、あなたの目で追いかけてみてほしい。

文=ネゴト / 森ソタカ

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