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【インフルエンザ対策】予防法と治し方ガイド

  • 2025.1.9

インフルエンザウイルスが今シーズンも猛威を振るっています。なかには、短期間で2度感染するケースも。年始早々に病に伏すことのないよう、インフルエンザの乗り切り方を解説します。

インフルエンザの基礎知識

風邪とは別の感染症

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスが体内に入ることで起こる感染症で、風邪とは別のものです。インフルエンザのウイルスには複数の型があり、その年によって流行するウイルスが異なります。

通常の流行期は冬

日本では例年、12月~3月がインフルエンザの流行期です。しかし、2021年と2022年の冬は新型コロナウイルス感染症の対策が強化されたことなどにより、インフルエンザの流行が起きませんでした。

その後、新型コロナウイルス感染症の対策が緩和されたことや、多くの人のインフルエンザへの免疫が低下したことなどから、2023年、2024年は季節外れの流行が発生したと考えられています。昨今では季節関係なく、インフルエンザが流行する傾向にあります。

感染経路は2つ

インフルエンザの感染経路は次の2つです。

飛沫感染
感染者の咳やくしゃみなどを吸い込んだ人が感染します。

接触感染
感染者の咳やくしゃみ、鼻水などが手から手に付着したり、ドアノブやつり革などを介して手に付着したりしたとき、その手で口や鼻、目の粘膜に触れることで感染します。

全身症状が急速に表れる

一般的に、インフルエンザと風邪の症状には次のような違いがあります。

インフルエンザ
のどの痛みや咳、くしゃみ、鼻水などの症状に加え、38度以上の発熱や、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が急速に現れることが多いのが特徴です。軽症で回復する人もいますが、中には脳症や肺炎などを併発し重症化する人もいます。

風邪
のどの痛みや咳、くしゃみ、鼻水などの症状が中心で、インフルエンザほど高い発熱ではないことが多く、重症化することはあまりありません。

高齢者や持病のある人は重症化リスクも

インフルエンザで重症化するリスクがあるのは、高齢者、持病のある人、妊娠中の女性、乳幼児などです。持病とは、ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患や、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患などが該当します。重症化リスクがある人は特にしっかりと対策をしましょう。

インフルエンザの予防方法

インフルエンザの予防対策は新型コロナウイルス感染症の予防にも有効といわれています。

手洗いをする

帰宅時や料理をする時、食事前などにこまめな手洗いをしましょう。指先や爪の間、指の間、手首もしっかり洗うのがポイント。また、アルコール手指消毒剤による手指の消毒も効果的です。

栄養と休養をとる

日ごろから十分な栄養と休養をとり、体の抵抗力を高めましょう。

人混みを避ける

インフルエンザの流行中はなるべく人混みへの外出を控えましょう。外出しなければならないときは、マスクの着用がひとつの対策になります。

換気をする

室内ではこまめな換気をしましょう。窓を開けるほか、換気扇も役立ちます。換気扇は寒い季節でも室内温度をあまり下げずに換気ができます。

のどを乾燥から守る

空気が乾燥し、のどの潤いが奪われて乾燥するとウイルスが体内に侵入しやすくなります。加湿器などを使用して部屋の湿度を50~60%に保つほか、少しずつこまめに水分をとり、のどを乾燥から守りましょう。

予防接種について

厚生労働省によると、インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発病を抑えたり、発病後の重症化を予防したりする一定の効果があるとされています。
※ワクチン接種がインフルエンザの発病を100%抑えるわけではありません

また、ワクチン接種後、接種した場所の腫れや発熱などの副反応が出ることがありますが、通常2~3日で症状はなくなります。

インフルエンザにかかってしまったら?

インフルエンザにかかってしまったときの対処法を解説します。

早めに医療機関を受診する

高熱が続く、呼吸が苦しいなどの症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。ただし、発熱してから12時間未満の場合は検査結果が陽性にならないことがあります。検査は発熱後12時間以上経過してからがおすすめです。

安静にする

十分な睡眠や休養をとり、安静に過ごしましょう。

水分をとる

脱水症状を防ぐために、十分な水分をとりましょう。

治療薬について

抗インフルエンザ薬は、医師が必要と判断した場合に処方されます。薬が処方されたら、用法・用量・使用する日数を守って使用しましょう。

感染拡大を防ごう

インフルエンザにかかってしまったら、家族や周りの人にうつさないよう次の対策をしましょう。

●マスクを着用する
●人に向けて咳やくしゃみをしない
●鼻をかんだティッシュはすぐにゴミ箱へ捨てる
●くしゃみや鼻水が手についたらすぐに洗う

(まとめ)
この冬はインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念されていますが、インフルエンザの予防対策は新型コロナウイルス感染症の予防にも役立ちますしっかり対策をして流行期を乗り切りましょう。

構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事の監修者

医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長 菊池大和

菊池大和

2004年3月、福島県立医科大学医学部卒業後、湘南東部総合病院外科・外科科長などを経て、令和元年5月1日より現職。「総合診療、救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献する」ことを目的に日々診療を行う。 救急センター長日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医身体障害者福祉法指定医(呼吸器)、厚生労働省初期臨床研修指導医、神奈川県難病指定医、エピペン処方認定医

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