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仕事道具は断捨離できても推しグッズを捨てられないオタク/やましたひでことカレー沢薫のオタクの断捨離⑧

  • 2025.1.8

断捨離とは——新たに手に入りそうなものを「断ち」、家のいらないものを「捨て」、物への執着から「離れる」こと。これによって人は心まで解き放たれ、もっとご機嫌な人生を生きられるという。そんな理念のまったく反対側にいるのが、オタクだ。新しいものはどんどん欲しいし、買ったら捨てられないし、物への執着はすごくある。部屋は散らかるけれど、好きなモノに囲まれたオタク人生は最高。だが本音を言えば、「本当はモノを整理してキレイな部屋で暮らしたい」「憧れのインテリアにして人を呼びたい」といった願望もあるようで…。「オタクの断捨離」では、漫画、アクスタ、コスプレグッズ、服…などを集めるオタクの実態を観察しつつ、漫画家・カレー沢薫氏&やましたひでこ氏とともに、愛すべきオタクたちにとって快適な“断捨離”を模索していく。

※断捨離はやましたひでこ個人の登録商標です。

シリーズ累計26万部の大ヒット書籍『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』(ダイヤモンド社)で描かれる漫画の中に、美容部員として登場するBAパンダさん(以下、パンダさん)。某有名ブランドに美容部員として勤務する傍ら、セミナー開催など多岐にわたって活躍しているが、プライベートでは重度のオタクだという。

パンダさんの幼馴染であり、『メイクがなんとなく~』の作者でもある漫画家の吉川景都さんは、「パンダさんに比べたら大体の人は集めていない部類に入る」と彼女のオタクぶりについてコメントしている。

パンダさんの推しは爆発的人気アニメの某キャラクターで、アニメキャラのグッズだけではなく、キャラの着ぐるみにまつわるアイテムまで集めているから、コレクションの数は凄まじい。さらに、もし1分の1スケール(つまりキャラ等身大)の推しが発売されたら何百万しても買うというから覚悟が違う。

「新しいグッズが出たら必ず買うって決めてます。ただ、片目がつぶれてるフィギュアだけは買いません。悲しいから。そういうルールでも作っておかないと無理だなと思ったから」(BAパンダ)

なぜそこまで集めるのかを聞くと、「推しのグッズを次も作ってほしいから」だという。完売させられないのは自分たちの努力不足だからだと感じており、グッズの購入は「お布施」の意味合いも強いとか。

「グッズを買うのはリスクヘッジ。一期一会、推しは作品の中でも一番にグッズが売り切れるので、後から欲しくなっても買えず、泣くほど後悔するので」(BAパンダ) 「パンダさんのオタ活って命ギリギリ。今これをしなかったら失うような危機感がある」(吉川)

ちなみに、パンダさんは「捨てられないオタク」ではなく、「取捨選択できるオタク」である。なぜなら、仕事道具は断捨離できているからだ。

「このコンシーラーは自分の肌より脂性肌の人のほうが合っている。ブラウンと合わせるピンクと、ラベンダーに合わせるピンクは違うから、両方残す。メイクグッズは、なぜ必要なのか、不要なのかを説明できます。推しグッズは“これは…いるだろう”(同じ絵柄のでっかいクッション2個を見つめながら)」(BAパンダ)

現在の悩みは、グッズを飾る壁がないこと。ゆくゆくは、自分の棺桶に4分の1スケールの推しだけでも入れてもらいたい、という願いがあるそうだ。

〈ハマる経験は、実は滅多にないこと by やましたひでこ〉 推し活に推しグッズ、それがなんであれ、 人生で、そんなコト、そんなモノに出逢えた幸運に感謝ですね。 ハマる、夢中になる、そんな経験は、実は滅多にあることではないのですから。 それは、有り難いことに、私も同じ。 断捨離にハマり、断捨離に夢中になっている幸せな人間。 しかも、その断捨離は、自分で創り上げ、それを伝え、仲間を増やして分かち合うという最上級の喜びがある。 違いは、喜びグッズがいっぱい増えていくのか、好きなモノが厳選されて減っていくのか、現象が真逆だということだけ。 言い換えるならば、推し活とは運命的な出逢い、オタクとはとても恵まれた人生。 いえ、運命というよりは宿命!? ならば、その宿命に喜んで身を投じ、『お布施』を存分にして、究極の願望『棺桶に4分の1スケールの推しキャラ』を叶えてまいりましょうか。ダ・ヴィンチWeb

やました先生いわく、断捨離とはすなわち、ゴキゲンな人生を送ること。自分に必要なモノと不要なモノを知り、取捨選択しながら生きていくこと。その点でいえば、パンダさんは自分を楽しませるために不可欠なものを選び取り、文句のつけようがないほどゴキゲンな毎日を送っているようだ。さて、棺桶に4分の1スケールの推しを入れるようにお願いする相手は誰なのか。悩むなら、そちらのほうかもしれない。

●BAパンダさんが登場する書籍 『続 メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』(ダイヤモンド社)

「結局、今のメイクでいいのかわからない」「メイクは楽しくなってきたけど、あれ、またワンパターンになってきたかも……」顔面迷子だったマンガ家が、再び友達の美容部員に聞く!「基礎を学んだら次は応用」ではなく「基礎、そして基礎以前に戻れる」一冊。(リリースより)

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