飲み始めよりも思い描くこの瞬間が楽しい。私をうきうきにする休前日

私は、次の日が休みの仕事終わりが大好きです。勤務が終わるといつも以上にそそくさと荷物をまとめ、同僚への挨拶もそこそこに颯爽とロッカールームを後にします。そして、車のエンジンをかけ、そのまま帰宅……はせず、帰り道にあるスーパー、日によってはコンビニに立ち寄ります。

ここで行うのは、文字通りの食料調達。そう、今夜行う宴に向けての準備を行うのです。私は大体毎日晩酌はするのですが、次の日が仕事の時はやはりそこまで大量の飲酒ってできないじゃないですか。翌日の事を気にせずに飲める休日の前夜は非常に貴重なものであるため、ここでの準備は後悔のないよう、念入りに行わなければならないのです。

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まず物色するのはお惣菜が立ち並ぶ、デリカコーナーです。自分が立ち寄る時間帯は割引のシールが付けられている物も多いので、美味しいと安いのダブルコンボでこれにはニヤけが止まりません。

きゅうりの一本漬けやおつまみメンマといったいかにも酒の肴にふさわしいサッと食べられる一品料理のパックを手に取り、買い過ぎても無駄にしてしまうためそうならないよう量を調整しつつ、そのまま乾物コーナーへ移動します。

安かった時に纏めて買っておいたスナック菓子等のストックが家にある場合は控えますが、新商品などで気になる品があるとついつい無駄遣いはいけないと分かっていても手を伸ばしてしまいますね。

私は辛い物が好きで、かつお酒を飲むといつも以上に食べたくなってしまうため、常に家に一袋以上は辛い系のスナック菓子も常備するようにしています。

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ある程度カゴの中身が潤ってきたら次はチーズなどの冷蔵食品がある場所へ。ある程度お腹はいっぱいになったけれどもう少し何か飲みたい……そして合わせてアテで何かほしい、と思った際にチーズ系ってちょうどいいんですよね。

でも最近はこういった乳製品も昔と比べてかなり値上がっている気がしていまして、欲しくてもあまりポンポンと気軽に手を出せないのが世知辛い所ですね。そのため、ここでは気になる物をあまり思いっきり買う事ができず、いつも大体モヤモヤしています。

そして、何やかんやありつつも、最後に立ち寄るのが今夜の主役、これがなくては始まらないセンターポジションに位置するお酒です。とはいっても、よく飲むお酒は常に家の冷蔵庫にストックされており、両親が飲む分も合わせてネット通販等で購入する事が多いのであまり現地で調達する事はないです（纏めて買った方が一本あたりの単価も安いですし……）

大方飲む物は決まっていてそれは家に揃っていると頭では分かっていても、こちらもつい物色してしまうんですよね。

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昔、まだお酒を飲むようになったばかりの頃はどれが美味しいのか分からず気になった物をかたっぱしから試していた時期もあったのですが、最近は自分のお酒の強さや好みの種類はほとんど把握しているため、あまり新しい冒険をするような事はないです。

とはいえ、CMで新しい酒が出た事を知ると、それがべらぼうに度数が低くて甘い酒じゃない限りは何となく買ってしまう……これも人間の性ですね。

そんなこんなで一通り欲しい物は見終えたので、会計を済ましそのまま帰路につきます。今夜の宴に向けてこの日の昼食もいつもよりかなり抑えめにしているため、買い出しを終えて運転しているこの時はかなり空腹の状態です。

そして頭の中は家に帰ったらまず一番初めに何を飲もうか、そしてそれに合わせてまず買った物の何から手を付けようか……とこの後の宴の事でいっぱいになります。

正直、飲み始めよりもその前の様子を思い描いているこの瞬間が一番楽しいかもしれないです。だって、宴は一度始まったらすぐに終わってしまいますからね。夏休みは始まる一週間前くらいが一番楽しいのと感覚は同じかもしれません。

そして、帰宅するといよいよ宴は始まります。いつもは缶ビール一本の所を明日を気にせず飲酒する事ができる訳ですから、ついつい本数も進んでしまいます。それに加え、原液を自分で割ったハイボールや他のお酒も合わせて時間が許す限りしこたま飲む事ができるので、これのために生きているなぁ、と毎回しみじみと思わされる至高の時間です。

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最悪、お風呂に入る前に途中で寝落ちしてしまう事もあるのですが、それも次の日が休みなら許されてしまうのだからこんなに嬉しい事はありません。

でも、今はまだ独身だからこんな自由気ままな事ができるのだろうな、と思いますし、もし結婚したらこんな自堕落な生活はきっと許されないだろう……と現実に目を向けるとこの上ない絶望感に駆られます。

一緒に飲んで食べてダラダラできるような相手と結婚できたらこれ以上の事はないので、それを許容してくれる相手、逆に一緒に楽しんでくれるような人を探せばいいのでしょうか……難しい限りです。

■たんこのプロフィール
自分の感じた事、日常を淡々と記します。ホラー好き