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赤楚衛二&上白石萌歌が映画『366日』での共演を語る「運命的なものを感じました」

  • 2025.1.7
映画『366日』に出演する、赤楚衛二と上白石萌歌にインタビューを実施。 撮影=山田健史
映画『366日』に出演する、赤楚衛二と上白石萌歌にインタビューを実施。 撮影=山田健史

【写真】赤楚衛二×上白石萌歌、背中合わせの別ショット(撮りおろし8枚)

沖縄出身のバンド・HYの名曲をモチーフに誕生した映画『366日』が、1月10日(金)に全国公開を迎える。本作は、運命的に出会い、恋をした男女の20年の時を超えた、切なすぎる純愛ラブストーリー。どこか陰がありながらもやさしい主人公・真喜屋湊を赤楚衛二、天真爛漫でひたむきなヒロイン・玉城美海を上白石萌歌が演じる。互いの誕生日には本作にふさわしい運命的な偶然があるという2人に、作品に込めた思いやそれぞれの印象、自分にとって“特別な1日”について語ってもらった。

赤楚に“お腹が痛くなるくらい”笑わせられた過去も「毎日励まされていた」

――2023年放送のドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」でも共演されていたお二人ですが、共演前のお互いの印象、共演を経て新たに発見した点などがあれば教えてください。

赤楚衛二(以下、赤楚):5年くらい前にとあるブランドの写真撮影でご一緒したのが最初でしたが、どちらかというと静かな方なのかな、と思っていました。ミステリアスな雰囲気があったんですよね(笑)。でも「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」でご一緒させていただいた時には、本当に元気で明るくて、現場に日光を当てる、太陽みたいな人だなと思いました。ただ、あの時は色んな方と絡みすぎていて、意外と一人ひとりとガッツリ向き合う時間はあまりなくて。今回の作品で共演して感じたのは、心のきれいさ、まっすぐさ。僕にはない部分があるし、かつそれが今回の美海というキャラクターに反映されていて、美海の魅力に繋がっていたんだなという印象があります。

上白石萌歌(以下、上白石):『366日』のお話をいただいて思い出したのは、赤楚さんの誕生日が3月1日で、私の誕生日が2月28日で1日違いだということ。ちょうど私たちの誕生日の間に、うるう年の366日目、2月29日があるんですよ。前のドラマの現場でも「1日違いだね」と一緒にお誕生日お祝いして、2月29日が間にあったということも覚えていたので、その2人で『366日』をやるということに、すごく運命的なものを感じました。1年前にご一緒した現場では、赤楚さんがとっても面白くて、それこそ太陽のようなイメージ。毎日、お腹が痛くなるくらい笑わせてもらって、赤楚さんの明るさに私は毎日励まされていたので、今作でもベースの信頼がすごくあって、色んな相談もしやすかったです。今回は湊という役を背負って現場に存在していらっしゃったので、太陽というよりも月のような印象で、すごく多面的な人だと思いました。

赤楚衛二 撮影=山田健史
赤楚衛二 撮影=山田健史

映画主題歌「恋をして」は、「『366日』を当時から聴いていた方たちが答え合わせをするようなアンサーソング」

――HYさんの楽曲「366日」はどんな印象でしたか。

赤楚:学生時代、失恋した女の子が聴いていたイメージがあります。悲しい時に寄り添ってくれるような曲なのかなと思っていましたが、今回の作品を通してまた印象が変わって、人を思いすぎるあまり...という温かみを感じるようになりました。

上白石:自分の人生のシーンで、裏に流れている音楽が誰しもあると思うんです。音楽って記憶と紐付いていて、今回のように「366日」から物語が生まれるのもすごく自然なことだと感じていました。私が「366日」と出会ったのは高校生くらいの頃で、当時はまだ分かり得なかった感情がこの作品を通して分かるようになったりして、失恋の痛みだけでなく、誰かを思うことの幸せもちゃんと描かれている曲なんだなと改めて思いました。

――主題歌の新曲「恋をして」についてはいかがでしょうか。

上白石:読み合わせの後に初めて聴いて、美海の気持ちを全て代弁してくれてるような曲だなと感じました。本読みからの帰り道、すごく感動してポロポロ泣いてしまったことを覚えています。「366日」を当時から聴いていた方たちが答え合わせをするようなアンサーソングだなと感じました。

赤楚:すごくすてきな曲だと思いました。湊の気持ちをめちゃくちゃ代弁してくれているなって。「湊はずっと、このために耐えてきたんだな」「湊の気持ちが全部浄化されたような曲だな」と思いましたね。

映画『366日』 (C)2025映画「366日」製作委員会
映画『366日』 (C)2025映画「366日」製作委員会

映画のこだわり、そして2人にとって特別な日とは?

――お2人が本作でこだわった点や印象に残っているシーンを教えてください。

赤楚:“出力”ですかね。基本的に感情をこらえていて、溢れるものに蓋をしているような役だったので、その出力をどう出すか、監督とずっと話し合っていました。そしてその後で、いかに引き算をしていくか。自分が気持ち良くなっちゃうような芝居にせず、台本を見て、全体を見て、「湊は何を思っているんだろう」という塩梅を、相談しながら演じました。

上白石:2時間くらいの作品の中に20年分の時間が流れていて、“学生”、“仕事を探す20代前半”、“母”と3世代の美海を演じる上で、「今の湊と美海の間にはどういう空気が流れているんだろう」と確かめ合いながらの撮影は、すごく繊細で大変な作業でした。私は、赤楚さんを見て、その時々の美海の年齢を測るようなところがあって。撮影が時間の流れ通りではなかったので、自分の装いや環境を感じて、ちゃんとそのシーンごとに生きるということを心掛けていました。

――うるう年の2月29日はこの作品の中で特別な1日でしたが、お2人にとって1年の中で特別な日はありますか。

上白石:私が以前住んでいたメキシコに、死者の日という文化があったんです。日本でいうお盆に近いんですが、11月の頭に亡くなった人が帰ってくると言われていて、街がマリーゴールドでいっぱいになるんです。だけど悲しい雰囲気じゃなくて、骸骨にデコレーションをしたりして、すごくハッピーなんですよ。それは日本にいても思い出しますね。

赤楚:僕は12月31日が1番好きなんですよね。今年が終わるぞ、と。未来への希望もあったりするし、何より休みですし(笑)。夜の静けさとかでしんとした気持ちになって、自分と向き合える時間にもなっています。すごく高尚な感じがして、好きです。

上白石萌歌 撮影=山田健史
上白石萌歌 撮影=山田健史

本作を通して心に残ったもの、「『好きなものを忘れない』ということがすごく大事」

――今作では湊が音楽に救われる展開がありますが、お2人にとって「〇〇に救われる」というものがあれば教えてください。

上白石:私は焼肉が大好きなんです。特に牛タン塩がすごく好きで、やっぱり食べることによってリセットされるということはあるなと思います。自分が頼みたいものだけを頼んで、七輪でお肉を食べる時間が好きです。

赤楚:僕は本ですかね。上手くいかなかったりする時、モヤモヤとした思いは本の中に言語化されているんじゃないかなと思って、本に答えが書いてあるんじゃないか、とよく探します。ちょっと前に読んだのは「謝罪論」(柏書房刊)という本。謝罪するとはどういうことなのかを掘り下げていく本で、面白かったです。

――最後に、本作を通してお2人の心に残ったものについて聞かせてください。

赤楚:僕は「好きなものを忘れない」ということがすごく大事だと思いました。役者というお仕事は自分にとって“好きなもの”なので、改めて頑張っていきたいなと思いました。

上白石:私は、人が人を思うことは本当に美しいな、とこの作品で感じました。男女の愛でも親子の愛でも、人が人のことを思っている時に心の中で生まれるものって、本当に良いものだなと思ったので、たとえばそれが報われなかったとしても、気持ちを持つだけで素晴らしいと感じられたので、これからも自分でもそういう気持ちを大切にしていきたいなと思いました。

◆取材・文=山田健史

映画『366日』本ビジュアル (C)2025映画「366日」製作委員会
映画『366日』本ビジュアル (C)2025映画「366日」製作委員会
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