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ヒュッゲ、サウナ、etc.。“スローエイジング”の首都コペンハーゲンから学ぶ、7つの習慣。

  • 2025.1.7

遺伝が老化のスピードに影響を与えるのは確かだが、研究によればその割合は全体の15~20%にすぎないという。また、肌の老化の原因はさまざまあるけれど、そのほとんどが自分でコントロールできるもの。では一体、何によって大きな違いが生まれるというのだろうか? その答えは、毎日のスキンケアルーティーンと、そして何よりもライフスタイルの選択にあった。

イギリス発の海外コスメ通販サイト「Lookfantastic」の調査によると、コペンハーゲンヨーロッパで最も肌の老化が遅い都市だという(反対に、最も老化が早いのはバルセロナらしい)。この結果はあまり驚きではないかもしれない。というのも、コペンハーゲンの人々はほかの多くの首都の住民よりも高い生活の質、低い環境汚染、そして年間を通して平均的に紫外線量が低いという条件下で暮らしているからだ。環境に依存する要素は大きいものの、それでもきっと、デンマークの女性たちのライフスタイルから学べることがあるはず。今回は、生活環境から思考、食事法、スキンケアまで多角的に深掘りしてみた。

1. 自宅を最高の癒し空間に

「ヒュッゲ」をご存知だろうか? 「ヒュッゲ」とは、自宅で居心地の良い雰囲気を作り出すテクニックであり、デンマークのライフスタイルを象徴する要素の一つだ。マイク・ヴァイキングの著書『マイ・ヒュッゲ・ホーム 癒やしの空間のつくり方』によると、「ヒュッゲ」はデンマーク文化に深く根付いており、博士論文のテーマになるほどの価値があるという。デンマークの人々にとって、小さな喜びの中に幸せを見つけ、自宅を安全で安らげる場所と感じることは非常に重要なことだ。ちなみにデンマークは「世界で最も幸福な国」のランキングで常にトップまたは上位に位置しており、幸福の専門家といっても過言ではないはずだ。

デンマークの人々は部屋の雰囲気やインテリアが気分に与える影響をよく理解している。そのため、デンマークの家庭にはいくつかのルールがある。フロアランプやテーブルランプを使って「光の島」を作り、招き入れるような雰囲気を演出すること、ディナーキャンドルライトで楽しむこと、円形のダイニングテーブルを好んで使い、会話や絆を深めやすい空間を作ることなど。さらに、ブランケットやラグ、クッション(床にも!)を多用して、柔らかく心地よい感覚を大切にしている。

慢性的なストレスは老化を加速させることがわかっている。リラックスできて居心地の良い家は、ストレスを軽減し、体に与える負担を和らげてくれるはず。

2. サウナでデトックス

北欧では、サウナや冷水浴が昔から日常生活の一部になっていて、肌を含む体にさまざまなメリットをもたらすと言われている。ホリスティック栄養学と老化の専門家であるベアトリス・ラレアは、体内に蓄積される毒素の量が生物学的な老化を加速させると説明している。その毒素を排出する方法の一つが、サウナで定期的に汗をかくことだという。この習慣はデンマークでも根付いていて、多くのデンマーク人女性は月に一度、ときにはそれ以上の頻度でサウナを訪れている。

3. 日常的な運動強度を高める

コペンハーゲンは世界でも有数の自転車都市でり、このおかげでデンマークの女性たちは「NEATカロリー」を多く消費できている。NEATとは「非運動性活動熱産生(Non-Exercise Activity Thermogenesis)」の略で、自発的な身体活動によるエネルギー消費を指し、意図的や計画的な運動によるものではない。毎日自転車で通勤することで、デンマークの女性たちは日常的に心血管を鍛え、生物学的な年齢(つまり細胞の年齢)を若く保っている。

実際に、デザイナーのジャンネット・マドセンは、スカンジナビア版『VOGUE』で仕事には必ず自転車で通うと語っており、スタイリストのソフィア・ロエもロージー・ハンティントン=ホワイトリーが展開するコスメブランド、ローズ・インク(ROSE, INC)のインタビューで、スマホを見ずに、呼吸を意識しながらできるだけたくさん歩くことを心がけていると明かしている。このように、ジムだけではなく、日常生活の中にできるだけ多くの動きを取り入れることが重要なのだ。

4. 食事は賢く、計画的に

デンマークの食事は、魚、果物(特にベリー)、野菜、健康的な脂質、全粒穀物(オーツ麦など)を豊富に取り入れているのが特徴で、これらはすべて肌の健康に直接影響を与える。ただし、デンマークの食事には他にも重要な側面がある。ヴァイキング氏の著書によれば、「ヒュッゲ」の中心的な要素の一つは「外の嵐から守られ、冬の到来に備えること」だという。そのためにはパントリーに備蓄をし、「家での何気ないひとときを豊かにするために、いつでも魅力的な食べ物を手元に用意しておくこと」が大切だと言う。また「特別な夜を演出し、何かを逃しているような気分にはならないことが重要なんだ」とも語っている。

季節の食材を買い、時には保存することを考えてみてほしい。例えば、ビーツやパプリカのピクルス、キムチ、ブラックベリーのジャムなどが良い例だ。また、ヴァイキング氏が提案するもう一つの実用的なアドバイスは、冷凍庫に何が入っているかを常に最新のリストとしてスマホに保存しておくこと。これがあれば、忙しい日でもすぐに健康的な夕食を用意できる。

5. 快適さの追求

「デンマークのビューティーに対する考え方は、とてもリラックスしている」。美容ウェブサイト「Into the Gloss」にそう語ったのは、スタイリスト兼インフルエンサーのペニーレ・タイスベック。「私が本当に大切にしているのは、着るものすべてが快適であること。快適であれば気分が良くなるし、自信がついて見た目も良くなる」。そのため、デンマークの女性たちはメイクに関しても、心地良さを重視。厚塗りのファンデーションや頻繁な化粧直しが必要なアイシャドウはあまり使わないのだ。

6. 自然と触れ合う

自然とのつながりはスカンジナビアの生活に欠かせない要素。コペンハーゲンには緑がたくさんあり、これが汚染やフリーラジカルを抑え、空気の質を向上させている。これらはデンマークの女性たちの肌にとって朗報でもある。それに加えて、自然光の恩恵を受けながら過ごす時間を増やしやすい環境でもある。多くの専門家は、生物的リズムを調整するなどの理由で、1日少なくとも2時間は自然光を浴びることを勧めている。

7. シンプルが一番

スキンケアにおいて「少ないほど良い」というアプローチが広く人気になり、複雑な多段階のルーティンへのこだわりが薄れてきたが、この考え方の先駆者はデンマークの女性たちだった。「デンマークの女性は、ビューティーや肌の保護に関して“少ないほど良い”という哲学を取り入れている。この考え方は、メンタルヘルスを重視し、使う製品には高い効果と持続可能性を求めるという特徴がある」と、デンマークのスキンケアブランド、グラムス オーフス(GRUMS AARHUS)の創業者ラスムス・ネアゴーは語る。

デンマークのビューティーブランドはクレンジング、ビタミンCやEといった抗酸化物質の使用、通年のSPFケア、そして保湿の4本柱からなることが一般的。また多くのデンマーク女性が実践している秘密の一つは、フェイシャルオイルの使用だ。クレンジングルーティンの最後に塗布することで、寒い冬の乾燥を防いでいる。

Text: Ana Morales Translation: Makiko Yoshida

FROM VOGUE.ES

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