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“松山英樹vs.日本選手”実現なるか 久常涼、金谷巧実、星野陸也、大西魁斗らが日本人3人目の優勝を狙う ソニーオープンインハワイ

  • 2025.1.7
松山英樹(C)Getty images
SPREAD : 松山英樹(C)Getty images

1月9日から、ハワイ州のワイアラエカントリークラブで、ソニーオープン・イン・ハワイが開催される。
1983年大会は、青木功が最終日のパー5の18番ホールで、PWでの3打目を直接カップイン。2022年大会は、松山英樹が18番ホールで行われたプレーオフ1ホール目に、2打目をスプーンでピンそばに絡める会心の一打を放った。
このように過去の大会では、18番ホールで日本選手が優勝を決定づけるスーパーショットを見せてきた。
今回、新たにソニーオープンの1ページに、日本選手のスーパーショットが加わるかもしれない。
松山だけでなく、久常涼、金谷拓実、星野陸也、大西魁斗の米ツアー主戦場組がその候補となる。

■日本勢をリードし続ける松山

米ツアー開幕戦ザ・セントリーで同ツアー新記録となる35アンダーを叩き出し優勝した松山。
グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示すSG:アプローチトゥグリーンが2位、グリーン上の貢献度を示すSG:パッティングが3位と、隙のないプレーで、米ツアー11勝目をあげた。
ソニーオープン過去5大会では、20年が12位タイ、21年が19位タイ、23年が48位タイ、24年が30位タイ。優勝した22年大会以外、上位争いはできていないが、前週優勝は好材料。
米ツアー公式サイトの優勝予想は1番手。開幕戦から2連勝も十分にあり得る。

■久常は初日からエンジンかかるかがポイント

2024年が米ツアールーキーイヤーとなった久常は、27試合に出場してトップ25に7回、トップ10に1回入り、シード権を獲得した。
まずまずの成績と言えるかもしれないが、スロースターターであるという点が気になる。
第3ラウンドの平均スコアが49位、第4ラウンドの平均スコアが9位と、好スコアでプレーする傾向であるのに対して、第1ラウンドの平均スコアが101位、第2ラウンドの平均スコアが108位と、低調に終わる傾向にあった。
予選ラウンドから昨季の決勝ラウンドのようなプレーをする回数を増やせれば、上位争いの回数が増えるはず。
ソニーオープンでは初出場で30位タイだった昨年大会の経験を生かして初日からエンジンがかかることに期待したい。

■悲願の米ツアーメンバー入りの金谷

昨季日本ツアーで賞金王となった金谷は、今季の米ツアー出場資格獲得に向けて、2次予選会から挑戦。2次通過後、最終予選会で上位5名に入り、悲願の米ツアーメンバー入りを果たした。
日本ツアーで賞金王となった翌年に米ツアーを主戦場、とするのは2013年日本ツアー賞金王の松山以来となる。
また、アマチュア時代の経歴を見てみても、金谷は松山と‟かぶる”。
出身大学(東北福祉大学)、アマチュア優勝した大会(三井住友VISA太平洋マスターズ)、松山以来で日本選手2人目となる世界アマチュアランキング1位、プロで優勝した大会(ダンロップフェニックス)というように、共通のポイントが多い。
米ツアー優勝大会もかぶることに期待したいが、ソニーオープンは、24年、22年、21年、19年(アマチュア)と、4度出場歴があるものの、すべて予選落ち。
これまでとは違う金谷を見せてほしい。

■欧州ツアーで米ツアー出場資格獲得の星野

2月に開催された欧州ツアー、カタールマスターズで優勝し、24年の同ツアー年間ポイントランキングで16位に入った星野。米ツアー出場有資格者を除く上位10名に入ったことで、今季は米ツアーを主戦場にする権利を得た。
欧州ツアーポイントランキング81位だった23年と比べると、ドライバーショットとショートゲームの精度が向上。
ティーショットの貢献度を示すSG:オフザティーは23年が131位だったが、24年は80位。
グリーン周りからのショットの貢献度を示す、SG:アラウンドザグリーンは、23年が44位だったが、24年は31位だった。
ソニーオープンにはこれまで3回出場。22年は予選落ちだったが、19年と20年は予選を通過し、67位タイと45位タイ。19年は初出場ながら初日7位タイ発進だった。
3年ぶりの舞台となるが、欧州ツアーで積んだ経験を生かして上位争いをしたいところだ。

■大西魁斗、米下部ツアーでの2年間を生かせるか

22年の日本ツアー、フジサンケイクラシックで優勝した大西魁斗は23年から米下部ツアーを主戦場にした。
23年は、ポイントランキング100位で米ツアー昇格とはならなかった。だが、24年はUNCヘルスチャンピオンシップでの優勝で大きなポイントを獲得し、ポイントランキング25位。上位30名に与えられる、米ツアー出場資格を獲得した。
24年は23年と比較するとショットの精度が向上。
フェアウェイキープ率は、23年が126位だったが24年は72位。パーオン率は、23年が128位だったが24年は94位。パーオンしなかったホールでパー以上であがる確率を示すスクランブリングは、23年が115位だったが、24年は30位だった。
ソニーオープンには23年大会に出場し予選落ちだったが、全体的に底上げされているショット力を発揮できれば、4日間戦えるはずだ。

■日本選手同士の優勝争い見られるか

昨季、米ツアーを主戦場にした日本選手は2名。今季はこの5名。
米ツアーで戦う日本選手が増えるほど、米ツアーで日本選手が上位争いに顔を出す確率が高まる。
ソニーオープンにはこの5名に加えて今季米下部ツアーを主戦場にする予定の平田憲聖、杉浦悠太、アマチュアの松山茉生も出場する。
もしかしたら「松山英樹vs.日本選手」の優勝争いが見られるかもしれない。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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