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歴史的快挙“Gグローブ賞”4冠「SHOGUN 将軍」の魅力とは? “強く美しい日本人女性像”を見事に体現 アンナ・サワイ、二階堂ふみらの熱演光る

  • 2025.1.7
第82回ゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得したアンナ・サワイ 写真:AP/アフロ
第82回ゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得したアンナ・サワイ 写真:AP/アフロ

【写真】まさに“日本の美”…!アンナ・サワイ&二階堂ふみの2ショット場面

史上最多18部門を受賞した「第76回エミー賞」に続き、1月6日(日本時間)にアメリカ・ロサンゼルスで授賞式が行われた「第82回ゴールデングローブ賞」でも、作品賞(テレビドラマ部門)や真田広之の主演男優賞など“4冠”を達成する歴史的快挙を成し遂げた「SHOGUN 将軍」(2024年)。中でも英語圏のファンを熱狂させたのは、見事な英語を駆使して物語を牽引した“戸田鞠子”を演じ、今回主演女優賞を獲得したアンナ・サワイを筆頭に、二階堂ふみや穂志もえから強くしなやかなキャラクターを演じた女性陣。日本女性の美しさを体現し世界が恋に落ちた「SHOGUN 将軍」の女性キャラクターたちに注目する。(以下、ネタバレを含みます)

米スタジオが制作した日本の戦国スペクタクル

「SHOGUN 将軍」は、戦国時代の日本をモチーフにしたジェームズ・クラベルのロングセラー小説を「トップガン マーヴェリック」のジャスティン・マークス氏らが新たに映像化した、米スタジオ制作による戦国スペクタクル。

1600年代の“天下分け目の戦い”前夜の日本を舞台に、真田演じる戦国最強の武将・吉井虎永、伊豆網代に漂着したイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(のちの按針/コズモ・ジャーヴィス)、ブラックソーンの通詞(通訳)を務めることになったキリシタン・戸田鞠子(サワイ)らが直面する陰謀と策略を壮大なスケールで描いている。

虎永が徳川家康、ブラックソーンは三浦按針、鞠子は細川ガラシャ…と歴史上の人物にインスパイアされたキャラクターも存在する一方で、エピソードの多くは小説を基にしたフィクション。今回、日本人として初めて同賞助演男優賞を受賞した浅野忠信は、虎永の家臣でありながら柔軟に立ち回る伊豆の武将・樫木藪重を演じたが、この藪重もモデルはいない。

「SHOGUN 将軍」第9話より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
「SHOGUN 将軍」第9話より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

なぎなたアクションも! “Mariko-sama”トレンド入り

そんな本作で大きな役割を果たした女性キャラクターが、サワイ演じる鞠子だ。真田演じる虎永と並び、ドラマを引っ張るメインキャラクターとして活躍し、今回「第82回ゴールデングローブ賞」では日本人として44年ぶりとなる主演女優賞を獲得した。

鞠子は、常に冷静かつミステリアスな雰囲気をまとったクールビューティーで、虎永とブラックソーンの橋渡し役。凛とした佇まいと、虎永も唸る賢さを持ち、日本の武家社会について何も知らないブラックソーンに虎永やその他の武将たちの置かれた立場や狙いを解説する。そしてこれが、日本文化に詳しくない視聴者に戦国時代のさまざまな時代的背景を分かりやすく伝えるガイド的な役割も果たしている。

着物姿で妖艶な魅力!世界で注目された二階堂ふみ演じる“落葉の方” (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
着物姿で妖艶な魅力!世界で注目された二階堂ふみ演じる“落葉の方” (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

そして鞠子は、ひとたび敵に対峙(たいじ)すれば大迫力のなぎなた捌きを披露する。敵に襲われ刀で応じる虎永を手助けしようとなぎなたを手に敵へ向かっていく場面(第3話)、虎永の決死の“紅天”作戦の要として大坂城で振り下ろすなぎなた捌き(第9話)も美しく、SNSでは“Mariko-sama”がトレンド入りする人気ぶり。サワイが「本気でやり過ぎて(歯を食いしばり過ぎて)、歯がちょっと欠けました」と語るほどの緊張感あふれるなぎなたアクションとなった。

強烈!二階堂ふみ“落葉の方”のラスボス感

そしてもう一人、圧巻の存在感を見せたのが、豊臣秀吉の側室・淀君にインスパイアされた“落葉の方(おちばのかた)”を演じた二階堂。初登場シーンは第5話、わずか2分ほどだったが、大老衆を「またもや虎永にたばかられ、動きを封じられたそうじゃな」と皮肉り、五大老の一人・石堂和成(平岳大)をもたじろがせる強烈な威圧感で視聴者の目をくぎ付けに。視聴者からは「落葉の方のラスボス感よ…!」の声が飛び交った。

9話では、鞠子と落葉の方による演技合戦も視聴者の心を震わせる。 幼なじみの2人は10年ぶりに再会するが、終盤、立場の変わってしまった2人にもはや、相手を理解する余地は残されていない。

目に涙をためた鞠子の説得に、怒りで応じる落葉の方。かと思えば、鞠子を理解しようとする落葉の方の思いを、今度は鞠子自身がはねのける。分かり合いたいのに分かり合えない2人の哀しみの演技が胸に迫る。

「SHOGUN 将軍」第3話より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
「SHOGUN 将軍」第3話より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

世界が恋した!穂志もえか“藤”「お引き取りくださいませ」

夫と幼い子を失った直後、ブラックソーン改め按針の妻となる武家の娘・藤(穂志もえか)も抜群だ。はじめこそ、死んだわが子の後も追わせてもらえず、“異人”の妻とならねばならないわが身の不運を嘆いていた藤。

だが、いざ妻として仕えると、完璧な“旗本の妻”を務めてみせる。按針を守るため藤が城主に銃を構えて「お引き取りくださいませ」と毅然と立ち向かうシーンは大反響を呼んだ。藤の腹の据わった振る舞いに、SNSでは、日本語での「藤さまに惚れた」「意に染まない結婚でもきちんと妻として夫を守る、戦国時代の女って感じで痺れた!」といった声のほか、英語や韓国語、中国語など外国語の称賛メッセージも多数。

“世界がフジサマに恋した!”、“フジはこの原作の中で最も好きなキャラクター。あなたの演技も素晴らしい”、“ピストルを向けるシーンで恋に落ちた”といったメッセージが続々と寄せられた。

伊豆一の遊女・菊(向里祐香)のなまめかしいもてなしや、ピンチを迎えた虎永をもう一度奮い立たせる茶屋の女主人・吟(宮本裕子)の力強いメッセージなど、強く、賢く、しなやかな「SHOGUN 将軍」の女性陣。真田や浅野が演じたサムライたちとはまた違った存在感でドラマを彩った。

今回、エミー賞に続く快挙を成し遂げた「SHOGUN 将軍」だが、日本時間の1月13日(月)に発表される「第30回放送映画批評家協会賞(クリティクス・チョイス・アワード)」では今回戴冠した真田、サワイ、浅野に加え、助演男優賞で平、助演女優賞で穂志もノミネートされている。まだまだ終わらない「SHOGUN 将軍」フィーバー、快挙はどこまで続くのだろうか。

「SHOGUN 将軍」はディズニープラスのスターで全話独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「SHOGUN 将軍」より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
「SHOGUN 将軍」より (C) 2025 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
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