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七草粥だけじゃない!「春の七草」の知っておきたい豆知識とおいしい食べ方

  • 2025.1.6

1月7日に七草粥を食べるのはなぜ?

1月7日は「人日(じんじつ)の節句」。桃の節句や端午の節句に並ぶ五節句のひとつです。

人日の節句の朝に食べるものといえば、春の七草がすべて入った「七草粥」。

春の七草とは、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種類で、子どものころに一生懸命覚えたという方も多いのではないでしょうか。

七草には、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うという言い伝えが。そこで、無病息災を祈って七草粥が食べられるようになりました。この習慣は江戸時代に広まったのだとか。

七草粥を食べるのは、青菜の摂取が不足しがちな時期にしっかりと体に取り入れるためでもあり、お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわるためともいわれています。

七草粥でしかあまり馴染みのない春の七草ですが、実は意外といろいろな料理で活躍しているんです。そこで、春の七草の特徴やおいしく食べるコツをご紹介します!

春の七草をおいしく食べるコツを知ろう!

せり

せりは、山野に自生するセリ科の多年草。シャキシャキとした食感と独特の爽やかな香り、根っこの甘くほろ苦い風味が特徴です。

ビタミンやミネラルが豊富で、捨てるところがなく丸ごと味わえるのもうれしいポイントです。

せりといえば、宮城県の特産品である仙台せりを丸ごと使った鍋料理「せり鍋」が有名。

根っこも入れることで出汁のおいしさが格段とアップし、香りと食感が楽しい一品です。せりの葉や茎はしゃぶしゃぶ感覚で、根はさっと茹でて召し上がれ。

ほかにもサラダに入れたり、混ぜごはんにしたりとアレンジいろいろ。詳しくは、おうちごはんの特集記事をチェックしてみてくださいね。

なずな

なずなは、野に自生する小さな花を持つ植物。「ペンペン草」という呼び名の方が有名かもしれませんね。

葉は柔らかく、独特の香りと苦味があり、春の訪れを告げる食材としても親しまれています。

古くから民間療法で用いられてきた植物でもあり、解毒作用や利尿作用、止血作用などに効果があるといわれています。

なずなは天ぷらにすると、葉はサクサクとした食感で、根元部分にはなずなの風味と歯ごたえが感じられて美味。

お蕎麦との相性が抜群なので、年越し蕎麦が余っていたらぜひ一緒に楽しんでみては。

ごぎょう

ごぎょうは、キク科の越年草。葉や茎が白っぽく、黄色い花を白い綿毛が包んでいる様子が母子を連想させることから、母子草(ハハコグサ)や這子草(ホウコグサ)とも呼ばれています。

見た目もかわいらしくて、ドライフラワーにするのも素敵。

また、咳や痰、のどの痛みに対して効果があるといわれていて、明治時代ごろまでは、蓬のかわりに草餅の材料にも使われていたそう。

食べ方は、湯がいてからお浸しや和え物にするほか、細かく切って料理に混ぜても。

こちらは「サクラマスとハハコグサのディル香るキッシュ」。パセリも加えることで、とても風味豊かな仕上がりに。

見た目も華やかで、おもてなしにもぴったりですね。

はこべら

はこべらは、ナデシコ科の越年草で「はこべ」とも呼ばれています。昔から腹痛薬として使用されており、胃炎や歯槽膿漏に効果があるといわれています。

はこべらの特徴はなんといっても食感。三つ葉のようなシャキシャキとした食感で、ほのかな甘みがあります。

少し青臭さがあるので、味噌やゴマと組み合わせたり、ごま油で炒めたりすると青臭さが和らぎ、はこべら本来の味を楽しむことができますよ。

ほとけのざ

キク科の越年草。春に紫の花を咲かせるシソ科のほとけのざとは別物で、正式名は「たびらこ」です。胃腸を整え、食欲を増進させる働きがあるといわれています。

ほとけのざは、ほのかな香りとほろ苦さを楽しめる食材で、天ぷら、和え物、お浸し、炒め物などに向いています。

すずな

すずなはアブラナ科の野菜、カブの別名です。その形から「神様を呼ぶ鈴」とされ縁起物として扱われてきました。

胃腸の消化を助けてくれる消化酵素、免疫力を高めるビタミンCが含まれていて、風邪予防にも◎です。

柔らかい食感が特徴で、生でもおいしく食べられます。

癖がなく葉から根まで余すことなく食べられるので、漬物やスープ、煮物などさまざまな料理で楽しめます。

寒い季節は、素材の旨味が溶け出した中華風のとろとろスープはいかがでしょう?

ラー油をかけてピリ辛にすれば、さらに体が温まりますよ。

すずしろ

すずしろは、アブラナ科の野菜。食卓に馴染みのある「大根」の別名です。

すずなと同じく消化酵素やビタミンCが豊富で、葉の鉄分は野菜の中でもトップクラス。

この時期がまさに旬で、甘くてみずみずしく、繊維が柔らかいのが特徴です。

食べ方は、煮てよし、焼いてよし、すりおろしてよし! 上部がもっとも甘みが強く、下部は辛みが強いので、料理に合わせて部位を使い分けると良いでしょう。

おでんや煮物を作るなら、甘みがあって加熱により柔らかくなる中間部がおすすめです。

こちらは「塩スペアリブと大根の煮込み」。

塩をすり込んだスペアリブを一晩~3日程寝かせてから、鍋にスペアリブ、乱切りにした大根とかぶるくらいの水を入れ、中火にかけます。

沸いたら酒を加え、再沸騰したら弱火で40分くらい煮て、良い塩加減になったら出来上がりです。

素材の旨味と塩だけでこんなにおいしくできるのか!と驚くこと請け合い。体もぽかぽかになって、寒い冬も乗り切れそうですよ。

春の七草には縁起の良い意味もある!

春の七草は、体に有効な成分を含んでいるものが多く、弱った胃腸を助けて食欲を増進する効果が。お正月に食べすぎてしまった方や体調を崩してしまった方には特におすすめです。

また、せりは「競り勝つ(せりかつ)」、なずなは「なでて汚れをはらう」という縁起の良い意味も込められています。

今年はさまざまな食べ方で、春の七草のパワーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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