管理栄養士のともゆみです。ごぼうは日持ちのする野菜ですが、冷蔵保存するとぬめりが出たりしなっとやわらかくなってしまったりすることがあります。そんなごぼうは冷凍保存が可能だそうで、長期保存するなら冷凍するのがおすすめだそう。ごぼうをおいしく冷凍する方法と冷凍後の使い方が記載されているのは、ニチレイフーズのホームぺージ内にある「ほほえみごはん」。実際にごぼうを冷凍して食感を確認してみようと思います。
冷凍食品業界では国内最大手のニチレイフーズは自社のホームページ内に「ほほえみごはん」という食サイトを運営しています。そこでは、さまざまな食品の冷凍方法や保存方法、おいしい食べ方などが紹介されています。
今回はその中から、ごぼうの冷凍保存とおいしい食べ方についてやってみたいと思います。
ごぼうは冷凍保存ならば1か月程度保存できます。冷蔵保存でも同じくらいもちますが、痛まないようにペーパータオルに包んで3日に1回は取り替える必要があります。それならば冷凍保存の方がラクチンですね。
ごぼうの冷凍方法は、「生のまま」「炒めてから」の2通りあります。ごぼうは冷凍すると「筋っぽくなる」など食感が悪くなりがちですが、下の方法で冷凍・解凍すれば、劣化はほぼ感じないそうです。
ごぼうの冷凍方法①生のまま冷凍(冷凍庫で約1か月保存可能)
生の場合はごぼうを大きめに切るほうが水分が飛びにくく劣化しにくいので、大きめに切って冷凍し、使うときに好きな大きさに切ります。冷凍すると切り口が少し褐色になりますが、アクで変色しただけなので、気にせず食べて大丈夫です。
【冷凍方法】
1.よく洗ったごぼうを4cm長さのぶつ切りにしてさっと水にさらし、水分をよく拭き取ります。
2. 1回使用分ずつラップに包んで冷凍用保存袋に入れ、袋の口を閉じます。
3.金属製バットに置き、上に保冷剤をのせて冷凍します。出来る限りの急速冷凍ですね。
※ごぼうは下処理で酢水につけることが多いですが、さっと水にさらしてアクを除くだけでOKです。酢水につけるとごぼうの色が白くなり、えぐみも減りますが、栄養損失や酢の匂いが付くというデメリットもあるためです。
【使い方】
ごぼうは凍ったままでも切ることができます。凍ったまま好きな大きさに切って加熱調理します。もし硬くて切りにくい場合は、常温で3分ほどおくと切りやすくなります。この方法で冷凍したごぼうは、煮物、汁物、炒め物など幅広く使えます。
冷凍したごぼうを出してすぐに切ってみたところ、サクッと包丁が入りました。乱切りにし、筑前煮を作ります。鶏肉、にんじん、こんにゃくを適当な大きさに切り、油少々を引いた鍋に入れて中火で炒めます。そこに乱切りにしたごぼうも入れて炒めました。
ひたひたの水、しょうゆ、砂糖を適量入れてやわらかくなるまで煮たら出来上がりです。
ごぼう、食べてみます。冷凍したごぼうは筋っぽくなったり噛み切りにくさがあるかなと思いましたが、それとは違う食感でした。冷凍したことにより、生のごぼうのようなしっかりとした噛み応えではなく、少しふにゃっとしたやわらかさがあります。かえってそれが味も染みてやわらかく、噛み切れるので食べやすいです。ごぼうの風味はありますが、アクやえぐみは感じないですね。
ごぼうの冷凍方法②炒めてから冷凍(冷凍庫で1か月程度保存可能)
ささがきやせん切りにしたごぼうは油で炒めてから冷凍します。小さく切ると冷凍中に水分が抜けて食感が悪くなったり味が落ちたりしやすいのですが、炒めることで食感の大きな変化を防げます。ごぼうを炒める手間はかかりますが、解凍調理するときは包丁いらずで時短になります。
【冷凍方法】
1.よく洗ったごぼうをささがきやせん切りにしてさっと水にさらし、水分をよく拭き取ります。サラダ油で軽く(中火で3分ほど)炒めてから冷まします。
2.ごぼうを1回使用分ずつラップに包んで冷凍用保存袋に入れ、袋の口を閉じます。金属製バットに置き、上に保冷剤をのせて冷凍します。
【使い方】
この方法で冷凍したごぼうは、凍ったまま汁物、炒め物、鍋料理などに加えて加熱調理します。
豚汁にしてみます。鍋に豚汁の具と水を入れて中火で煮ます。具材がやわらかくなったところでごぼうを入れます。
豆腐や油揚げも加え、みそを溶き入れ、ひと煮立ちしたら出来上がりです。
食べてみます。炒めてから冷凍すると、生のごぼうの歯ごたえに近いですね。おいしいです。ふにゃっとしたやわらかさはなく、ちゃんと歯ごたえがあります。風味も生のまま冷凍したものよりも残っていますね。ごぼうを冷凍するときに切って炒める手間はかかりますが、作るときにはラクでいいですね。
ごぼうは食物繊維の宝庫
食物繊維は大きく分けて水溶性と不溶性に分かれます。野菜に含まれる食物繊維は多くが水に溶けない不溶性に偏っていますが、ごぼうの場合は水溶性のイヌリンと不溶性のリグニン、両方の食物繊維をともに多く含んでいます。水溶性食物繊維の働きとしては、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着して対外に排出する作用があります。この働きにより、糖尿病をはじめとする生活習慣病全般の予防に働きます。また、不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を活発にし、腸の働きを整えます。
ごぼうを生のままぶつ切りにして冷凍したものは、やわらかさがあり食べやすく、ささがきにして炒めてから冷凍したものは、生のごぼうに近い味や食感になることがわかりました。ごぼうの冷凍はおいしくないイメージがありましたが、思ったよりもずっとおいしく食べられて、冷凍もアリだなと思いました。参考にしてみてくださいね。
参考文献:
春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典 監修 吉田企世子 エクスナレッジ