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「陸に降りたことは一度もない」水上生活者の人生初の地上体験に密着!初めての車や靴に感動

  • 2025.1.6
【写真・画像】「陸に降りたことは一度もない」水上生活者の人生初の地上体験に密着!初めての車や靴に感動 1枚目
ABEMA TIMES

これまで一度も陸へ降りることなく、水上で暮らしてきたチャム族の若者たちが、生まれて初めて陸上へ。靴を履くのも、車に乗るのも、牛肉を食べるのも初体験。果たして彼らの反応はいかに……?

【映像】大家族が暮らす水上の自宅&初の地上を楽しむ息子たち

1月4日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める番組『国境デスロード』#5が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。

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今回スポットを当てたのは、ベトナムとカンボジアの国境。ベトナムからメコン川を進んで国境を越え、カンボジアのトンレサップ湖へやって来た、チャム族の暮らしを取材した。チャム族はかつてベトナムにチャンパー国という国家をつくったが、ベトナム人の侵略を受け、1832年に滅亡。その後も複雑な歴史に翻弄され、行き場を失ったチャム族の一部は、現在も国籍を持つことができず、水上での生活を余儀なくされている。

水上での生活には多くの不便があるものの、集落には美容院やレストランなどの店も存在。チャム族の人々はこれまで、地上の文化も取り入れながら、水上で家族と穏やかに暮らしてきた。しかし近年、漁業で生計を立てる彼らは、ある大きな問題に直面している。水質汚染と乱獲により漁獲高が激減し、物乞いをしなければ生きられない人もいるほど、貧困が深刻化しているのだ。

【写真・画像】「陸に降りたことは一度もない」水上生活者の人生初の地上体験に密着!初めての車や靴に感動 3枚目
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そんななか、今回密着した大家族の父親・コーンさん(62歳)が、難民カードというものを見せてくれた。このカードがあれば、公務員以外の仕事への就労や、賃貸の住居での生活が可能になるという。しかし、チャム族の多くは独自の言語しか理解できず、陸に上がったことが無い人がほとんどのため、難民カードを持っているのはごく一部に限られるそうだ。また、チャム族の子どもたちは、漁師になるのが当たり前の世界で育つ。コーンさんは「地上の方が楽なはずです。でも私たちは魚を獲ることしかできません。他の選択肢などないと思っています。言葉すら通じませんから」と話していた。

だが、魚が獲れない状況では、漁頼みの生活にはいつか限界が訪れる。コーンさんが地上に出る必要性を説くと、長女の婿養子・チュナさん(29歳)は大賛成。11番目の息子・レイくん(20歳)も「漁師以外の仕事にも挑戦してみたい」と乗り気な様子を見せ、12番目の息子・ワンくん(17歳)も陸で働くことを考えていると明かした。そんな彼らにコーンさんは「これから(陸へ)行ってきたら?」と提案。こうして、チュナさん、レイくん、ワンくんの3人で陸へ出かけることになったのだが、ここで早速問題が発生。なんと、船に乗るワンくんは裸足。靴を一足も持っていなかったのだ。

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午後11時、3人を乗せた船が岸に到着。チャム族にとって大きな一歩となるが、3人はノーリアクションだった。そして初めて乗った車では、終始不安げな様子。無言の3人に「どうですか?」と聞くと「速い」とワンくん。レイくんは車よりも「船の方が好き」と言い、チュナさんも「ゆっくりな方がいい」と同意した。

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初めての車移動で緊張してしまった3人。気分を変えるため向かった食堂でも、慣れない環境に硬直していたが、食事を口にしたワンくんは「美味しい」と、陸で初めての笑顔を見せた。注文したのは、水上では手に入りにくい牛肉のメニュー。チュナさんも「魚より美味しかった」と絶賛し、3人で5人前を平らげた。

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その後は市場へ行き、ワンくんの靴を購入。この頃になると陸に慣れてきたようで、3人の表情は柔らかくなっていた。ワンくんのファーストシューズは、黒のサンダルに決定。ワンくんは履いた感想を「いい感じ」と話し、グーポーズを見せた。

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水上とは全く違う環境を体験した3人に「どうだった?」と尋ねると、「楽しかった」「来て良かった」といった答えが返ってきた。しかし、その一方でチュナさんは「今日も魚を捕らなきゃ」と、早く漁をしたくて仕方ない様子。「早く帰りたい」というのが3人の総意だった。こうして陸での滞在はわずか3時間で終了し、水上の自宅へ帰宅。家に到着すると、チュナさんは「家族に会えて嬉しい」、ワンくんは「父の顔を見て安心した」とそれぞれ語り、彼らの顔には穏やかな笑顔が浮かんでいた。チャム族の若者たちが望んだのは、地上の豊かさではなく、貧しくとも家族と過ごせる水上の生活だったのだ。

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