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「空腹で走っても早く減量できない」「運動前にはコーヒー」米医師が朝ランの意外なおすすめ方法を解説

  • 2025.1.6

朝食をガッツリ食べた後にランニングをして後悔したことがある人は、きっと多いのでは? 運動と満腹の胃は相性が悪い。軽い吐き気や腹痛で済めばまだいい方で、最悪の場合は、朝から嘔吐することも…。

「多くのアスリートにとって、食べものの消化と運動を同時に行うのは大変なことなのです」と話すのは、ロサンゼルスの整形外科クリニック「Cedars-Sinai Kerlan-Jobe Institute」に勤務するプライマリ・ケア・スポーツ医学専門医のジョシュア・スコット医学博士。でも、空っぽの胃で走るのもエネルギー切れを起こしてしんどくなる。

では、どうするのが一番いいのかな? ここからは、走る前に朝食を食べるメリット・デメリットと、後で気分が悪くならない燃料の補給法について詳しく学んでいこう。

走る前に朝食を食べる場合

まずは、走る前に食べる利点からみていこう。前の晩からなにも食べていなければ、体内のグルコース(筋肉がエネルギーとして使う燃料)値はかなり低い状態。低・中強度の1時間未満の短いランニングであれば、無理せずなんとか走り切れることは多いが、1時間以上、または高強度のインターバルランニングを空腹のままで行えば、次第に走る速度は落ちていき、体はだるくなり、軽いめまいが起きやすくなる。

ハードな運動をする前に食事をすれば、グルコース値を上げ、すぐに使えるエネルギーを筋肉に届けられる。問題は、胃の中で大量の食べものが揺られることで、吐き気や脇腹の痛み、嘔吐を引き起こしてしまうこと。たとえ吐き気がなくても、普段より走るのがきついと感じやすくなる傾向は高い。消化中は、血液が消化器官に集中し、筋肉(この場合は、脚)への血流が減少するため、「普段よりトレーニングがハードに感じてしまうのです」とスコット医学博士。

胃が空っぽのまま走る場合

空腹のまま走れば、胃の不調を回避できるのは確か。「胃を空にすれば、食べものが胃の中で揺れ動くことはないので、吐き気に襲われることもないでしょう」とスコット医学博士。時間も重要な要素。なにも食べないということは、食事の準備や食べる時間を省略できるということなので、その分の睡眠時間を増やせるという利点もある。

けれど、長時間や高強度のランニングをする際には、朝食を抜くことが問題の始まりになる。グルコースというエネルギー源が足りていないため、足が重たく感じることも。「空腹でトレーニングをすると、結局は短時間で強度の低い運動になってしまいがちです」と話すのは、スポーツ栄養を専門とする管理栄養士のジョージー・フィアー氏。無理に走り続けると、めまいや立ちくらみが起きることもある。さらに悪いのは、十分なエネルギー補給をせずに走ることで、体内のストレスホルモンであるコルチゾールが上昇し、免疫系が一時的に抑制され、病気にかかったり、体調を崩しやすくなること。

体重を減らしたければ、「空腹で走ったほうが体脂肪のカロリーを多く消費する」と聞いたことがあるかもしれないが、だからと言って早く減量できるわけではない。「走っている間は、炭水化物と脂肪の両方を燃焼しています」と説明するのは、カリフォルニア大学デービス校のスポーツ栄養学部の元理事、リズ・アップルゲート博士。「糖質が不足していれば、体は貯蔵された脂肪を燃料として利用します。ですが、エネルギーが低い状態では長く速く走ることが難しくなるでしょう。走り終えた後は半絶食状態であるため、代謝が遅くなり、カロリーの燃焼量は結果的に少なくなります。軽い食事を摂ってください。そうすれば、空腹で走るよりもパフォーマンスが上がり、より多くのカロリーを燃焼できます」

なにを食べるといいの?

それはワークアウトの内容次第。1時間未満の軽いジョギングであれば、空腹でも問題なくこなせるはず(食事を摂りたい人は、もちろん摂るべき)。一方で、1時間以上走る場合や、インターバルトレーニング、坂道ダッシュ、スピードトレーニングといった激しい運動をする際には、スコット医学博士いわく、食べたほうがいい。

朝食をしっかり食べるなら、走る2時間までに済ませるのが望ましい。消化時間を十分に確保でき、ランニング中の吐き気を防ぐことができる。スコット博士は、「スクランブルエッグと全粒粉トースト」「ヨーグルトとフルーツと全粒粉シリアル」または「ミルクとフルーツ、ナッツを加えたオートミール」のような、複合炭水化物とタンパク質を組み合わせた食事をとるように勧めている。シナモンロールやベーコン、卵、チーズサンドイッチなどは、休息日に食べるか、ランニングの後にとっておこう。脂肪分の多い食べものは消化に時間がかかり、おなかを壊しやすくなる。

とはいえ、走る前に朝食をとることがすべての人に適しているわけではない。走る前に食べて消化するための時間がない人や、早朝に食欲が出ないという人は、少量の食事で燃料補給をするといい。「運動前にもっとも重要となるのが炭水化物です。消化にも一番やさしいですね」とフィアー。

よって、走る前はバナナやプレッツェル、全粒粉シリアル、トースト1枚など、炭水化物が豊富な食品を食べ、少なくとも100kcalは摂取すること(朝食べないようにしていたタンパク質やフルーツ、野菜は、ランニング後に食べるといい)。100kcalのエナジージェルもいい選択肢。

朝のコーヒーに関する21件の研究レビューによると、走る前にカフェインを摂取することが、より速く、長く、力強く走るのに役立つことがわかった。この研究著者は、「走る1時間前にコーヒーを2杯を飲むこと」がもっとも効果的であると結論付けている。ただし、カフェインでおなかを崩しやすい人もいるとスコット博士は指摘。その場合は、コーヒーはランニングの後で楽しもう。

大事なのは、いろいろな方法を試して、自分に合った燃料補給や走り方を見つけること。見つかったら、それを貫いて。レース当日はとくに大事!

※この記事はランナーズワールドの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Marygrace Taylor Translation : Yukie Kawabata

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