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「この時代、どこの会社にも受かっていないなら反省すべき」。就活や転職で不採用が続く…どう考える?|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方”#4

  • 2025.1.6

プロテインやサプリメント、アパレル、フィットネスジムなどを展開する『VALX(バルクス)』は、フィットネス業界において急成長を続けている。ボディビル界レジェンド山本義徳氏とタッグを組み、3期連続の増収、約4年で1360%成長するなど、もっとも勢いのあるフィットネスブランドとなっている。

前回は、学校や職場でのいじめに対する考え方を伺った。今回は「就職活動や転職がうまくいかないとき、どう考えるか」について。

只⽯社長の人生ヒストリーは #1にて

──就活がうまくいかない、それでも立ち止まらずキーエンスに挑戦したエネルギーはどこから出ていたのか?

編集部:希望の高校、大学合格と進んだものの、大学時代の就活がなかなかうまくいかなかったとお聞きしました。めげずに大手企業のキーエンスに挑戦できたエネルギーは、どこから出たのでしょうか。

只石社長:最初の頃の就活は、聞いたことのある会社とか、学生からの人気が高い会社にしかエントリーしていませんでした。選考に進んでも志望動機は後付けで。そんなの情熱を持って(面接で)喋れるわけないじゃないですか。

僕らの時代って、本当に超就職氷河期で、同級生の女の子は100社受けて一社も受からなかったくらいだったんですよ。で、僕は言い訳してたんです。受かるわけないよなって。そんな中、どうしても入りたい会社を見つけた。

編集部:キーエンスですね。給与の高さに惹かれたと。ちなみにお金以外に惹かれた部分は。

只石社長:お金です。お金がすべてでした。なぜなら、幼少期の頃から両祖父が起業して倒産した。その結果、借金取りが家まで来た。それで苦しめられた。親からはとにかく「おじいちゃんみたいにはなるな、起業だけはするな」。

そして父親も転職ですごく苦労したので、転職なんか絶対考えるな、とにかく給料は我慢代で、平日に関してはもう諦めて生きろと言われてたから。転職もできないとなると、1社目からいい会社に入らないと人生地獄だなと思っていたから。

いい会社という概念も、大企業だから、知名度が高いからとか、ふわっとしたんですよ。でもキーエンスだけは「給料が高いから」って、ぶっ刺さったんですよね。ここしかないと思いました。

編集部:ちなみに志望動機に「給料が高いから」とは?

只石社長:言うわけないです(笑)OB訪問を死ぬほど繰り返して、キーエンスが求めている人物像を掴みました。給料が高いというのはこっちの都合で、そう言ってしまうと他の学生と一緒だから、それをあえて言わずに、そこ以外のことを言った方がいいというのは、OBから教えてもらったテクニックです。

編集部:いま、就活転職がなかなかうまくいっていない人に向けて、アドバイスをお願いします。

只石社長:そもそも、この時代に生まれて超ラッキーって思いますよ。めちゃくちゃ羨ましいです、この人手不足の状況。どこでも受かるはずなんです。それでも受かってないのは、まず反省すべきだと思います。

自分の何かが良くない。そう、まずはきちんと受け止めないと、人って変われない。ちゃんと受け止められた人は、可能性しかないと思うので、その可能性を伸ばすような努力、たとえば自分がどれだけ使い勝手がいい人間で、どれだけ社会に貢献できて、その会社が求める人であるかというのを、多少オーバーでいいから自信をもって伝えましょう。

多少やりたいことがはっきりしている、もしくは入りたい会社が決まっているんだったら、背伸びしてもいいんじゃないのかなって。

編集部:社長目線で、採用したい人を教えてください。

只石社長:「素直さ」です。たとえば未経験職で入社した場合、「こういうやり方でやってごらん」という言葉に対して「そういうやり方は違うと思います」とか「そういうのやりたくて○○やってるんじゃないんですよね」とか言うのは違うかなと。

まずやってみる。それは素直さがないと絶対にできないこと。素直さは絶対大事だと思います。

とくに学生さんの場合、社会経験がないことは認めて、ゼロベースで「素直さだけが自分の武器」というくらいにしておく。語るのは過去(これまで)の実績だけで、それ以外は素直さしか残ってないです、くらいのほうが僕は採用したいですね。

編集部:あまり採用したくないなという人は?

只石社長:素直じゃない人です。どんなに優秀でどんなに高学歴でも。さすがに社会はそこまで甘くはないので。

次回へ続く

プロフィール

只石昌幸(ただいし・まさゆき)

群馬県出身。群馬県立高崎高校より、法政大学経営学部へ。株式会社キーエンスを経て、起業。2006年、株式会社レバレッジを創業。WEBサイトの受託からスタートさせるも、Blogブームに乗って、こだわり社長のニックネームで独自のグルメブログを展開し、自身のアメブロがアクセス数において、アメブロ日本一に。2016年より自社メディア『ダイエットコンシェルジュ』を開始、パーソナルジムのマッチングメディアとして日本最大規模に成長。2019年よりフィットネスブランド『VALX』を山本義徳先生とともに開始。ブランド開始から約5年で、ブランド累計販売数550万個突破、プロテインの累計販売食数は1億3千万食を突破する。35歳の時、趣味で始めた極真空手も優勝8回、世界シニア大会8位を受賞。X(旧Twitter)フォロワー数5.2万人。
・X公式アカウント https://x.com/kodawari_ceo

<Text & Photo:編集部>

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