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役者で観る?作品で観る?はじめての人におすすめの演劇・ミュージカル4選[2025年上半期]

  • 2025.1.6

演劇やミュージカルは最初が肝心である。残念ながら(他の芸術作品も同様に)、作品群は玉石混合で、ましてチケット代も安くなく、また舞台上の役者の演技や演出をみるがゆえに、その期待を裏切られる”失敗”のインパクトは大きい。だからこそ、編集部が責任を持っておすすめしたい演劇・ミュージカルを厳選。今回は、2025年1月初旬時点でチケット入手可能な、上半期の注目作品を紹介。どの作品も、新しい世界の入り口としてふさわしい感動を与えてくれるはず。今年こそ演劇世界の扉を開こう。

実力派俳優の掛け合いに注目-『おどる夫婦』。

まずは、「役者で観る」方法。作品選びを出演する役者で決めるのは賛否両論あるものの、やはり、はじめての演劇となれば、演出やストーリーがいまいちでも、「生の役者の演技を間近で観られた」という感動はひとつの担保にはなる。

そこでおすすめはBunkamura Production 2025 「おどる夫婦」。同作品は、とある夫婦が現代社会に生きづらさを感じながら過ごす10年の軌跡を追う物語。作家は、劇団モダンスイマーズの全作品を手掛ける蓬莱竜太。演劇フリークの間では知らない人はいない実力作家である。ストーリー・演出部分でも”間違いない”作品だが、注目は長澤まさみと森山未來のダブル主演だろう。

長澤まさみは、ご存じの通りテレビ・映画でもその演技力が支持される人気俳優だが、実は、舞台俳優としてのキャリアも長い。昨年も、野田秀樹率いるNODA・MAPの最新作『正三角関係』にも出演し、ロンドン公演を果たした。

一方、森山未來は、5歳からダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。東京2020オリンピック開会式では鎮魂の舞を踊ったことでも知られるほか、国内外で幅広く活動を展開している。ダンスはもちろんテレビや映画で醸し出す独特の存在感と演技は白眉。

そんな二人の演技を間近で観られるのは、まさに特別な体験だ。また、この作品は超人気作であるため、チケットは争奪戦になること必至である。Bunkamura会員の先行抽選販売がおすすめ。一般発売の先着よりもチャンスあり。

ちなみに2024年に開業した新宿歌舞伎町タワー内の劇場「@THEATER MILANO-Za」はどの席でも見やすく、観劇初心者にも安心だ。

• Bunkamura Production 2025 おどる夫婦
• 公演場所: THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
• 公演日: 2025/4/10(木)~5/4(日・祝)
• チケット発売
Bunkamura会員向け先行抽選発売あり(受付期間:1/18(土)12:00〜1/24(金)23:59)
• 公式サイト
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/25_odorufuufu.htmlHarumari Inc.

王道の演劇こそ“はじめて”にふさわしい-『マクベス』

演劇の王道といわれる「シェイクスピア」は、馴染みのない人からするともっとも敷居の高い存在かも知れない。しかし、実はシェイクスピアの作品が作るドラマ構造は、現在のあらゆる創作ドラマの基本パターンを網羅しているといわれる身近なストーリーなのだ。と例え歴史がわからない人でも、人生や人間そのものの本質的な問いに感動・共感できる余地が無数にある。まして、現代の演出家によって新たに解釈されていることで、読者が思っているよりもはるかに入り込みやすい作品群なのだ。

そして『マクベス』は人間の欲望、金銭欲、信頼の境界を描いた作品。本作には現代にも通じる大きな気づきがあり、演劇初心者にもわかりやすく受け取れるだろう。

本作は俳優としても人気の吉田鋼太郎が芸術監督を務め、2024年5月にスタートした【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】の第二弾。前作「ハムレット」は、その美しいセリフまわしに注目が集まったが、二作目『マクベス』で、吉田鋼太郎がどんな演出を施すのか期待大だ。しかも主演は藤原竜也。若くして故・蜷川幸雄に見いださせられ、大舞台で数多くの古典演劇を演じてきた大俳優が「マクベス」に挑戦。舞台での真に迫る演技と圧倒的な存在感は、初めて舞台を見る人ならば、自身の想像を超える感動とインパクトをもたらすことは間違いない。

• 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.2『マクベス』
• 公演場所: 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
• 公演日: 2025年5月8日(木)~5月25日(日)
• チケット発売
ホリプロ会員抽選先行あり(1月26日(日)11:00~1月30日(木)12:00)
• 公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/macbeth2025/Harumari Inc.

ミュージカルの敷居を一気に下げる-『ウェイトレス』

『ウェイトレス』は、シンプルなストーリーと親しみやすいキャラクターで楽しめるミュージカルだ。難解さは一切なく、観劇の入り口として最適である。本作は、2007年のアメリカ映画『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』をベースに製作され、2016年にブロードウェイで初演されるやいなや、記録的な興行成績を収めた。全米ツアーやロンドン・ウェストエンド公演でも大成功を収め、その魅力は世界中に広がっている。

特筆すべきは、脚本、作曲、演出、振付の主要クリエイティブをすべて女性が担当したブロードウェイ史上初の作品である点。そのキュートな世界観は多くの女性の心を掴み、圧倒的な支持を得ている。また、アメリカ南部の田舎町で評判のダイナーのウェイトレス、ジェナを演じるのは高畑充希。彼女自身がブロードウェイやウェストエンドで観劇し、出演を熱望して実現した作品といわれている。2021年の日本初演では満席の大盛況を記録し、第46回菊田一夫演劇賞を受賞した彼女の演技は必見だ。テレビでは味わえない彼女の生の歌声と表現力をぜひ劇場で体感してほしい。楽しい、はもちろんミュージカルの楽しみ方をシンプルに学べる『ウェイトレス』は、入門編に最適なのだ。

• 日生劇場 ミュージカル『ウェイトレス』
• 公演場所: 日生劇場
• 公演日: 2025年4月9日(水)~4月30日(水)
• チケット
東宝ナビザーブ抽選先行発売有り(1月21日(火)~1月24日(金))
• 公式サイト
https://www.tohostage.com/waitress/Harumari Inc.

朗読劇『タチヨミ』で新たな発見を

朗読劇は、近年演劇の中でも注目されているジャンルだ。特にその魅力は、演者の声や表現がダイレクトに観客に伝わり、視覚的な演出が少ない分、物語の世界観を自身の想像で補完する楽しさにある。さらに、舞台美術や衣装に頼らず、声だけで物語を表現することで、観客の想像力を大いに刺激する点が特徴である。

『タチヨミ』は、2013年の第0巻以来、豪華な声優陣が出演して公演を重ねてきた人気シリーズだ。ひとつの公演が1本のストーリーで完結するのではなく、5~6本の短編からなるオムニバス形式で展開される。また、出演者は固定の役柄を演じるのではなく、毎回異なる役柄を演じるシャッフルキャストが特徴であり、一公演ごとに新しい驚きと発見を提供している。

そして『タチヨミ』は、単なる朗読ではなく、演者の声と演技が観客を物語の世界へ誘う作品だ。また、語り手が目の前でストーリーを紡ぐことで、あたかも観客自身が物語の一部であるかのような親近感が生まれる。これまでに10回以上公演され、どれも好評を博している。そしてシリーズはいよいよ「最終章」へ進むという。初めて観劇する人にとっても、親しみやすいスタイルであり、演劇の新たな魅力を発見するきっかけとなるだろう。

• 朗読劇タチヨミ-最終巻-
• 公演場所: 下北沢 本多劇場
• 公演日: 2025年6月11日(水)〜15日(日)
• チケット
一般発売 2025年2月2日(日)10:00〜
• 公式X
https://x.com/Tachiyomi_TM/status/1870303190648008977Harumari Inc.

いざ、演劇の世界へ!

観劇の入門として選ぶべき2025年上半期の演劇作品は、『おどる夫婦』、『マクベス』、『ウェイトレス』、『タチヨミ』の4作。それぞれが初心者でも楽しめるポイントを持ち、「演劇」や「ミュージカル」の魅力を最大限に伝えてくれる。この機会に「観劇」を体験し、その奥深い世界へ足を踏み入れてみてほしい。

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