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追い込まれて取り乱す人と平常心な人の決定的違い…和田秀樹「キレそうなとき唱えると効果的な5文字の言葉」

  • 2025.1.6

どうすれば日常生活の中でネガティブな感情をコントロールできるのか。精神科医の和田秀樹さんは「自分は正しい、相手が100パーセント悪いと思う『決めつけ』や、大きな不幸が待ちかまえているという『思い込み』が入り込むと、人は一気に最悪の結論を出してしまう」という――。

※本稿は、和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)の一部を再編集したものです。

小さなパニックを起こしやすいタイプ

職場にかぎらず、さまざまな人間関係の中でわたしたちがいちばん後悔するのは取り乱してしまったときです。

◎ヒステリックな声を上げて相手をなじる……。
◎どうしていいのかわからなくなって「もうダメ!」と泣きわめく……。
◎緊張のあまりことばが出なくなったり、逆に支離滅裂なことを口走ってしまう……。

いわゆるパニックですね。

めったにないことですが、たいていの人には覚えがあると思います。自分の感情をまったくコントロールできなくなった状態です。

そういう経験をすると、あとで「みっともないところを見せてしまったなあ」と恥ずかしくなるのですが、感情的になりやすい人はじつは、本人も気がつかないうちに小さなパニックを起こしていることが案外、多いのです。

紙の怒った顔
※写真はイメージです

たとえばキレやすい人です。キレて怒り狂ったり暴れる人ではなく、なにもかも放り投げてしまうような人です。「じゃあ、好きにしてよ」と自分は降りてしまいます。

執念深くなるタイプもいます。

納得できないことがあると「どうしてなの?」「わたしのせいなの?」「じゃあ、だれのせいなの?」「ごまかさないでよ!」と、しつこく追及します。

大げさになるタイプもいます。

「わたしが気づかなかったらどうなったと思う?」「会社の信用はガタ落ちだよ」「結局、わたしの責任になるんだよ」「なにもかもアンタのせいじゃないの!」

上司にそんな調子で責められても、部下は途方に暮れます。

「感情的になりやすい」のは信頼を失う原因になる

パニックというのは、決して特殊な状況ではありません。「パニック障害」は明らかな神経症ですが、わたしたちはだれでも小さなパニックを起こすことがあります。ついヒステリックになってしまう傾向のある人もいます。

けれどもそのたびに、周囲はうんざりします。「また始まった」と思うし、「この人、ちょっとのことで感情的になる」と軽蔑します。どんなに仕事ができても、この「感情的になりやすい」というのは信頼感を失う大きな原因になってきます。

本書(『感情的にならない本』)の前半の章で、わたしたちがつい感情的になってしまう理由について考えました。

「こうでなければならない」という思い込みや、白か黒かという決めつけ、イヤな感情にこだわり続ける内向きな気持ち、相手の悪感情をまともに受け止める態度など、さまざまな理由が浮かんできました。

ふだんから自分の感情を明るく保つ思考法があって、それを身につけることも大事だと説明しました。感情的になりやすい人ほど、ふだんの「感情コンデイション」が悪いからです。

オール・オア・ナッシングでパニックになる

ではパニックを起こしやすい人はどうでしょうか?

こちらは不機嫌なタイプというより、心配性だったり、緊張しやすい性格だったり、思い詰めるタイプだったりします。ひと言でいえば、気持ちに余裕のない人です。

たとえば頼みごとをして断られただけで、「じゃあ、わたしはどうなってもいいの?」と相手をなじるような人は、断られただけですべておしまいだと思い込んでいるのです。

ほかの人に頼んでみるとか、同じ人にもういちどきちんと説明して頼んでみるとか、自分でやってみる工夫を考えるとか、できないなら仕方ないじゃないかと割り切るとか……そういったさまざまな考え方がまったく浮かんできません。オール・オア・ナッシングです。しかも、起こりうるあらゆる事態の中で、最悪の結果だけを信じ込んでしまいます。

「もうダメだ」とか、「なにもかもおしまいだ」といった受け止め方をするのです。

その結果、行動もメチャクチャになります。

パニックというのは判断力や思考力がかぎりなくゼロに近づいた状態ですから、常識では考えられない行動や態度を取ってしまいます。

立ち直れるピッチャーと崩れるピッチャーの違い

でもこういった行動や態度というのも、決めつけが入り込むからですね。自分は正しい、相手が100パーセント悪いと決めつければ、少しの反論を受けただけでカッとなります。

かならず成功させなくちゃと思い込めば、小さなミスでもガタガタになります。

自分に大きな不幸が待ちかまえていると思い込む人は、ちょっとした事故にあっただけで「つぎはなんだ?」とおびえてしまいます。想定外のことだけでなく、想定していることが起きても一気に最悪の結論を出してしまうのです。

たとえば、高校野球でもプロ野球でも、それまではすごくいいピッチングをしていたのに、ホームラン一本打たれてガタガタに崩れるピッチャーがいます。

すると本人は、試合後のインタビューで「あの一本で自分を見失った」という意味のコメントを残します。

「打たれた瞬間、なにがなんだかわからなくなって」とか、「頭の中が真っ白になって」といったことです。

けれども立ち直るピッチャーもいます。たった一球の油断がホームランになったとしても、それ以降はピシャリと抑えるピッチャーです。

マウンドの投手
※写真はイメージです

そういうタイプは試合後のインタビューで、「気持ちを切り替えた」という意味のコメントを残します。

「打たれたものは仕方ないから、ショックを引きずらないようにした」
「まだ負けたわけじゃないと自分にいい聞かせた」

こういったコメントを聞くと、パニックに陥らない技術がわかってきます。

受けるショックは同じでも、すぐに気持ちを切り替えられるかどうかということですね。

「これで終わりだ」ではなく「これからだ」と思えるかどうか

そのときの受け止め方に、「これで終わりだ」という絶望型と、「これからだ」という希望型があります。

どんなに大きなショックでも、「これで終わりだ」と受け止めればほんとうに終わってしまいますが、「これからだ」と受け止めればパニックに陥ることだけは避けられます。すべての決着が着いたわけではないのですから、まだわからないと受け止めるのはしごくまともな反応で、少し冷静になればパニックは起こさずに済むはずです。

和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)
和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)

それなのになぜ、「もうダメだ」と思い込む人がいるのでしょうか?

出された結果をあまりに重く受け止めるからですね。まだなにも終わっていないのに、最終的な答えが出されたと思い込んでしまうのです。

たとえば部下の小さなミスにもカッとなって、「きみのせいでせっかくのプランが台無しじゃないか!」と怒るような上司は、ミスだけを大げさに受け止めてしまって、プランじたいはいまも進行中だということを忘れてしまいます。パニックを起こすときには、目の前の出来事が最終結果だと思い込んでしまうのです。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。

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