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理想は何時?夕食をとるベストな時間を栄養士が解説

  • 2025.1.5

健康でいるためには、食事のタイミングが大切?

Close-up of hand holding fork, at late dinner

外食好きや夜遅くまで働いている人にとって、夕食をとる時間はレストランの予約の空き状況や仕事のスケジュールに左右される。しかし果たして、健康的な食生活を送る上でそれが本当にベストなのだろうか?実際、一日の最後の食事は何時にとるべきなのか?

寝る直前はNG?

結論から言うと、“理想的な夕食の時間”は人それぞれで、一人ひとりの好みや健康状態によって変わる。

Culina HealthのCEOであり、アメリカの管理栄養士であるヴァネッサ・リゼットは、年齢やライフスタイルなど、さまざまな要因によっていつ夕食をとるべきかが決まってくると説明。「例えばシフト制の仕事をしている人は、ほかの人と食事のタイミングが違います。基本的なルールとして、起床後2時間以内に朝食をとり、3〜4時間ごとに何かしら食べることをおすすめします」。午後5時〜7時の間に食事をすることが健康に良いという研究結果もあるが、自分の生活リズムに合わないのであれば、少なくとも寝る3時間前までに食事を済ませておくことを意識すると、胃酸の逆流などを防げるとリゼットは言う。栄養士・自然療法士で、サプリメーカーArtahの創設者であるリアン・スティーブンソンも、午後5時〜7時という時間帯が夕食をとるには適していると言う。「私たちの体には、昼と夜における明確な機能が備わっています。日中は脳も体も活発に活動するようできていて、(夜)寝ている間は心拍数、血圧、コルチゾール値、その他さまざまなホルモンが作用して、肉体的・精神的な不調を回復させます。それは胃腸も同じです」

一方、マウントサイナイ・ヘルス・システムの臨床栄養コーディネーターであるペリー・ハルペリンは、一日を通して決まった時間に規則正しく食べることの方が重要だと述べる。「約3〜4時間ごとに徐々に空腹を感じて、徐々に満腹になるパターンを繰り返せると良いです」

自分に合ったベストなタイミングの見つけ方

自分に合った食事スケジュールを組む際には、仕事、空腹度、飲んでいる薬、一日の活動量、そのほかの習慣など、さまざまなことを考慮しなければならないとハルペリン。「食事のタイミングは大まかなスケジュールとして捉えること。理想は3〜4時間ごとに食事をして、寝る2〜3時間前までにすべての食事を終えることですが、タイミングよりも大切なのは、体に良いものを摂取することです。ヘルシーな夕食をとると血糖値が安定し、体重も維持でき、睡眠の質も向上するなど、多くのメリットがあります」

また、消化器系疾患や健康上の懸念がある人は、早めの夕食にメリットを感じるかもしれないという。アメリカの管理栄養士で、多のう胞性卵巣症候群(PCOS)栄養学の専門家でもあるマッケンジー・コールドウェルによると、胃酸逆流や慢性的な胸焼けに悩まされている人は、寝るまでに食べ物が完全に消化されるよう、早めに夕食をとることがおすすめだそう。さらに、糖尿病の人は就寝の3〜4時間前までに食事を済ませると血糖値が改善される可能性があるのだとか。しかし、これもやはり人それぞれだと彼女は強調する。

そして、自分の体の声に耳を傾けるのも大事だ。「栄養バランスの良い食事をとり、早い時間帯に間食をしているのであれば、食ベる時間はたいてい体が教えてくれるはずです。体が発する空腹のサインもまた、しっかりした夕食をとるタイミングを見極めるのに役立ちます」とコールドウェルは続けた。

寝る前に避けておくべき食べ物

Close up of an espresso cup while a mocha pot is pouring coffee into it.

何時に夕食をとるにしても、質の良い睡眠と健康のために、できれば寝る前には避けておきたい食べ物がある。ハルペリン曰く、脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかり、あまり遅い時間に食べると胃にもたれる可能性があり、消化不良を引き起こしたり、睡眠の質を下げてしまったりする。また、コールドウェルが言うには、カフェインを多く含む食品も快眠を妨げてしまうので、カフェインに弱い人は特に就寝前は避けた方が良いのだとか。アルコールも睡眠サイクルを乱すことがあるので避けるのが無難。

夜遅く食べることは、必ずしも悪いことではない

では、一定の時間を過ぎた場合、夕食はとらない方が良いのだろうか?コールドウェルによると、必ずしもそうとは限らない。「個人差はあるかもしれませんが、私たちの体は昼夜を問わず何時でも食べ物を消化し、代謝することができるのです。私自身、たとえ夜遅くても、お腹が空いたら食べる派です」

ハルペリンも同じ意見で、その人の健康状態によってベストな食事時間は変わってくると加えた。彼女によると、中には食事のタイミングに敏感な人もいて、このような人たちは夜遅く食べることで低血糖が防げたり、アミノ酸を含む特定の食品を摂取することで寝付きが良くなったりと、顕著な効果が感じられることもあるそう。

遅い時間まで続く会食なども、「たまになら問題はありません」とスティーブンソンは指摘する。「実際、人との食事は夜遅めになりがちなので、あまり気にせずに参加するのが大事です」。とは言え、夜遅い時間に食事をとり続けるとさまざまな弊害が生じると付け加えた。「睡眠や腸の調子、体組成に影響を及ぼし、疲労回復を妨げる原因にも免疫力と体力低下の原因にもなり得ます。なので、夕食のタイミングを見直すのは、ある意味健康な体づくりのための近道なのです。特に過敏性腸症候群(IBS)、腸の不調、膨満感に悩む人は、早めに夕食をとると症状が緩和されることがあります」

そして体に良いものであれば、夜間に食べることは決してダメなことではない。「お腹が空いているのであれば、絶対に空腹を尊重して何か食べるべきですが、“何を”食べるかには気をつけたいです。就寝間際に甘い物をとると、寝ている間に消化活動が行われることになるので、夜中に目が覚めて、睡眠サイクルが乱れてしまうことがあります」とリゼット。

結局のところ、いつも決まった時間に食事がとれなくても問題はない。夕食をとるベストな時間帯は人によって異なり、たとえ“理想的なタイミング”を逃してしまったとしても、まったく食べないよりは夜遅くに食事をしたほうが良いとハルペリンも述べている。大切なのは時間ではなく、健康でいるために毎日栄養バランスの良い食事をとることだ。

Text: Audrey Noble Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM & VOGUE.CO.UK

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