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変化がなかったという研究も?「ピラティスはダイエットに効果的?」専門家がエビデンスを徹底分析

  • 2025.1.5

グーグルに「ピラティスはダイエットに効果的?」と聞くと、2300万件以上の検索結果が表示される。でも、その中には誤った情報や偽りの情報がいっぱい。そこで今回は、元プロダンサーで産後専門フィットネスのロージー・ストックリー氏(@mamawelluk)がピラティスに関する情報を徹底調査。

ピラティスは、ウェルネスアプリ『Mindbody』で2023年の最も人気のあるワークアウトだった。昨年だけでクラスの予約が92%増加して、ピラティスのネット検索数も124%増加したという人気ぶり。これには数々の理由があって、過去にイギリス版ウィメンズヘルスが話を聞いた女性の多くも姿勢が良くなり、ストレスと痛みが軽減すると言っていた(これは科学的に証明されているメリットであって、単なる経験談じゃなない)。でも、ピラティスがダイエットに効果的というエビデンスはあるのだろうか?

これに対してストックリー氏は、次のように語ってくれた。

私のSNSのフィードには、減量効果をアピールするピラティス系ワークアウトが溢れていて、毎月1000万人の女性がグーグルに「ピラティスはダイエットに効果的?」と聞いている。でも、その答えは、その人の年齢や生活習慣といった数々の要素によって変わる。

例えば、30~50歳の過体重または肥満の女性37名を8週間フォローした2017年の研究では、ピラティスをすると実際に体重が減るという結果になった。しかし、その2年前(2015年)の研究では、59~66歳の閉経後の女性が12週間ピラティスを続けても、体組成に変化が見られなかった。また、2021年に発表されたメタ分析論文は、ピラティスには肥満の人に対してのみ減量効果があるとしている。

Women's Health

研究結果がまちまちなのはなぜかって? それはダイエットのカギが食事管理にあるからだ。体重を減らすには、摂取するカロリーが消費するカロリーよりも多くなきゃダメだから。

前述の2015年の研究を例にとると、対象となった女性たちの体組成に変化が見られなかったのは、「食生活を変えなかったから」とされている。つまり、この女性たちは何らかの運動をもともとしていて、それをピラティスに置き替えた可能性が高い。運動を何もしていない状態でピラティスを始めれば、カロリーの摂取量を変えなくても体重は減るだろう。

体重の減り具合は運動以外の要素によっても変わる。分かりやすいのは、質の高い睡眠の量や筋肉の割合(筋肉の量が多ければ多いほど代謝率は高くなる)、ストレスレベルや免疫システムの状態など。

そのため、1日7~8時間の睡眠を確保して、週1~2回のヨガや瞑想、ブレスワークでストレスを軽減することが大切。また、運動のメリットは減量に限られないし、限られるべきでもない。睡眠の質の向上、ストレスレベルや血圧の低下、内臓脂肪の減少なども、健康の重要なバロメーター。

そして最後に1つだけ。確かにピラティスでは、ランニングなどの激しい運動ほどカロリーが消費されない。それを理由にピラティスの効果を疑う人は多いけれど、大事なのはあなたがその運動をどのくらい楽しめるか。これまでの研究により、自分が楽しいと思える運動は長続きする可能性が高く、結果的に目標も達成しやすいことが分かっている。だから、あなたにとってそれがピラティスならピラティスを。継続は力なり!

※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Bridie Wilkins Translation: Ai Igamoto

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