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水上で暮らす60人の大家族に密着 ベトナム戦争&虐殺に翻弄され「陸に降りたことは一度もない」

  • 2025.1.5
【写真・画像】「地雷を踏んだ時の感覚はない」片足を失った内戦地帯の兵士が語るミャンマー軍への思い 1枚目
ABEMA TIMES

東南アジア最大の湖・トンレサップ湖。カンボジアに位置するこの湖では、およそ1万人のチャム族が水上生活を送っている。ある大家族を取材して明らかになったのは、戦争や虐殺に翻弄されてきた、チャム族の過酷な歴史だった。

【映像】大家族が暮らす水上の自宅

1月4日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める番組『国境デスロード』#5が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。

【写真・画像】「地雷を踏んだ時の感覚はない」片足を失った内戦地帯の兵士が語るミャンマー軍への思い 2枚目
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今回スポットを当てたのは、ベトナムとカンボジアの国境。ベトナムからメコン川を進んで国境を越え、カンボジアのトンレサップ湖へやって来た、チャム族の暮らしを取材した。チャム族はかつてベトナムにチャンパー国という国家をつくったが、ベトナム人の侵略を受け、1832年に滅亡。その後も複雑な歴史に翻弄され、行き場を失ったチャム族の一部は、現在も国籍を持つことができず、水上での生活を余儀なくされている。

【写真・画像】「地雷を踏んだ時の感覚はない」片足を失った内戦地帯の兵士が語るミャンマー軍への思い 3枚目
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初めにプジョルジョDは、水上で暮らすチャム族の家族に、英語でインタビューを試みた。しかし、簡単な英語で話しかけても、苦笑いされるばかり。彼らは独自の言語しかわからないのだという。そこで現地のガイドを介して話を聞くと、コーンさんという62歳の男性には12人の子どもがおり、総勢60人の大家族だと判明。一家は湖に浮かぶ5軒の家で暮らしているのだそうだ。

そんなコーンさん一家には、タイプの異なるイケメンがそろっている。インタビュー中だったプジョルジョDが思わず目を奪われたのが、末っ子のワンくん(17歳)。ほかにも、ワイルド系のルックスが目をひく長女の婿養子・チュナさん(29歳)や、現地では1番人気という11番目の子・レイくん(20歳)など、多彩なイケメンたちが出迎えてくれた。

その後コーンさんが語った話によると、彼の両親がトンレサップ湖へやって来たのは、ベトナム戦争の頃とのこと。1955年から1975年まで続いたベトナム戦争で、アメリカ軍はカンボジアまで侵攻。多くのチャム族がトンレサップ湖まで追いやられたのだった。悲劇はさらに続き、ベトナム戦争終結後には、ポルポト政権によるカンボジア大虐殺が発生。多くのチャム族が犠牲となった。「ベトナムから船で助けが来て、逃げてチャウドック(カンボジアとの国境に面するベトナムの街)に行ったけど、我々を嫌がるチャム族もいたんです」とコーンさん。ベトナムの同じ民族からも拒絶されたチャム族の人々は、トンレサップ湖で生活せざるを得なかったのだ。そして、ベトナムには彼らと引き裂かれた家族が残っており、再会するため川を北上してくるのだという。

【写真・画像】「地雷を踏んだ時の感覚はない」片足を失った内戦地帯の兵士が語るミャンマー軍への思い 4枚目
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コーンさんの家族に「陸に降りたことはある?」と尋ねると、返ってくるのは「降りたことはない」という答えばかり。70歳の女性も「生まれてから1度もない」と言い、スタジオメンバーからも驚きの声が上がっていた。

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