「野菜ジュース」でしっかり“野菜の栄養”を摂取できるの？管理栄養士の回答は？

コンビニやスーパーなどで、みずみずしい野菜がプリントされたパッケージの野菜ジュースをよく見掛けます。野菜が苦手な人にとっては、「野菜ジュースだったら気軽に飲めるし、栄養も摂取できてお得なのではないか」と思うかもしれません。野菜ジュースで野菜の栄養素をしっかりと摂取できるものなのでしょうか。野菜ジュースにまつわるさまざまな疑問について、管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

ジュースにする過程で食物繊維が減少

Q.野菜ジュースを飲むことで、原材料の野菜の栄養素をしっかり摂取できるのでしょうか。

桜井さん「フルーツのジュースでも同じことが言えるのですが、ジュースにする過程において、どうしても失われてしまう栄養素が出てしまうんです。例えば、ジュースにすると捨てられてしまいがちな搾りかすには、整腸作用などがある食物繊維が豊富に含まれています。洗浄作業などで水に流れ出てしまう水溶性ビタミンなども、減少しているものが多いのではないでしょうか。

また、『野菜を○○グラム取れる』と書かれている市販品がありますが、ジュースを1本飲んだだけでは、実際に同じ量の野菜を食べたときの栄養素をそのまま摂取できるわけではないという点は注意です」

Q.生野菜と野菜ジュースとを比較すると、やはり生野菜の方が効率的に栄養素を摂取できるのでしょうか。

桜井さん「そうですね。先述の通り、ジュースにすると失われる栄養素もあるため、生野菜を摂取した方が明らかに栄養は豊富だと思います。

また、市販の野菜ジュースは飲みやすくするために、糖分や添加物をたくさん追加しているものも少なくありません。ビタミンなども、後から人工的に添加されている場合もあるため、必ずしも原材料由来のものではない可能性があります」

Q.野菜ジュースを活用するコツや注意点について、教えてください。

桜井さん「基本的には、『野菜の栄養を取るために野菜ジュースを飲む』と考えない方が良いかもしれません。あくまで間食であると捉え、選ぶとするなら糖分や添加物が多く含まれていないものが良いですね。

また、ジューススタンドなどで売られている無添加の野菜ジュースのほか、自宅などで手作りしたものは糖質過多をそれほど気にする必要がないため、1日1杯程度を目安に楽しんでいただくのも良いのではないでしょうか。どちらにしても、食事として置き換えるものではないということは、覚えていただきたいですね」

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残念ながら、野菜ジュースは野菜を原料にしているものの、生野菜と同等の栄養素を摂取できるわけではありません。ただ、1日1本程度を目安に間食として飲むのは問題がないということです。野菜ジュースは、添加物や甘味料などが少ないものを選びましょう。

オトナンサー編集部