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「たった今」したいことは何?常に自分に問いかけ、探求する

  • 2025.1.4

私にとって「ごきげん」とは、機嫌が悪い状態ではないことを指す。落ち込んだり、イライラしたりしていない、平穏な状態。それを踏まえた上で、ごきげんでいることの難しさ、大変さを私は知っている。

というのも、約一年半ほど前、私はごきげんではなかった。鬱病と診断され、会社を休んでいた。毎日何も気力がなく、ただただ横になるだけの日々だった。自分だけが世界から取り残されたような気分だった。

仕事がしたい、でもできない。仕事どころか家事もできない。趣味を楽しむこともできない。そんな自分がどうしようもなく情けなくなり、涙を流すこともあった。

◎ ◎

私がごきげんを探求し始めたのは、そんな日々から脱却するためだった。少しずつでもごきげんになりたくて、少しでもやりたいと思うことをやってみることにした。

あるときはアニメを見た。人が死んだり、悲しい描写は見たくなかったので、ごくごく平凡な日常を描いた作品を選んだ。
あるときはギターを弾いた。アニメに影響を受けてやってみたくなったが、買うと高いし、挫折したという人が大勢いるので、レンタルした。簡単な曲を弾き語りするようになった。とにかく上手くなりたくて、夢中になって何時間でも弾いていた。

あるときは料理をした。買い物は母の担当だったので、母が買ってきた材料をもとに、ネットでレシピを検索して作った。

頭の中で順序を組み立てながら手を動かすのは、余計なことを考える余地がなくなって、頭を空っぽにできた。早起きして妹の弁当を作り、家族全員の朝食を作り、昼食を作り、おやつを作り、夕食を作った。次に何を作ろうか、そればかり考えていた。

◎ ◎

いろんなことをやってみてわかったのは、同じことをやってもいつもごきげんになるとは限らない、ということだ。
アニメはお気に入りの作品を繰り返し見ていたが、あるときから内容が頭に入ってこなくなった。ギターは一向に上手くならない自分に嫌気がさし、何分もギターを片手に呆然としてしまった。料理はだんだん義務感を感じるようになり、作ることが苦痛になってしまった。

いろんなことを試して辿り着いた答え、それは、自分の心の声によく耳を傾けるということだ。そしてできるだけ、たった今したいことをする。

やりたいこと、やってみたいことは沢山ある。でも、今したいことはどれか?今の気分はどうか?ごきげんになりたいときは、常にそれを自分に問いかける。

◎ ◎

不思議なことに、一度離れてしまったものも、時間を置いて、気が向いたときにやってみるとまたごきげんになれたりするのだ。

だから次にごきげんじゃなくなったときのために、私のノートには沢山のごきげんの方法が書いてある。その中から今できそうなこと、今の気分に合いそうなことを試してみる。

ごきげんの理由はひとつではない。だからこそ探求し続ける。ごきげんの時間を少しでも増やせるように。

■春風凜のプロフィール
エッセイにどハマり中の24歳女。読む専から書き手にシフトチェンジしていきたい今日この頃。

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