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「娘の存在をなぐさめないで…」きれいな言葉に苦しめられた障害児のママの本音「否定して欲しくない」

  • 2025.1.3

インスタグラムで「障害児の親に捧げる創作漫画」を描かれている千尋あささん(@chihiro_asa_)。知的障害を伴う自閉症のお子さんを育てているママですが、自身の経験を交えながら描かれた漫画『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』が「とても考えさせられる」「涙涙で読みました」と反響を呼びました。

『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』第5話

自閉スペクトラム症・中度知的障害を持つ4歳の娘とを育てるあやこさん。周囲から投げかけられる「障害児のママは神様に選ばれた」という言葉への違和感を夫からも理解してもらえず、辿り着いた先は匿名の掲示板でした ──。

救いを求めて匿名掲示板で悩みを吐露したあやこさんでしたが、ここでも返させる言葉は一方的な励ましばかり。「個性を認めてあげて」「神様からのギフト」「神様は乗り越えられない試練は与えません」。いくらポジティブな言葉で溢れているとはいえ、共感がないのは孤独な世界です。

しかしリアルの世界で意外な人物があやこさんを救ってくれます。自分より余裕があって、「一緒にしてほしくない」と感じた自閉症児をもつ母親。神様から選ばれたと言われるたびににわが子を愛しきれていないのかと葛藤していたあやこさんに、当たり前に子どもが日々を過ごせていることのすごさを説いてくれたのです。

わが子の存在をなぐさめないでほしかったというのがあやこさんのいちばんの本音。そして、かけられたかったのは「あなたはひとりじゃない」という言葉でした。あやこさんにとって、孤独感がいちばんつらかったのでしょう。寄り添ってくれる人がひとりでもいるだけで、世界は大きく変わるものなのかもしれません。

「その本質は『優しさ』なのか『憐れみ』なのか。励まし言葉と言えど受け手は敏感に感じ取ってしまうのではないでしょうか。『憐れみ』を浴び続けると存在に自信がなくなってしまいますが、私も仲間ができたことで『自分も子もかわいそうなんかじゃない!』と思えるくらいには強くなれた気がします」(千尋さん)

※この作品は、実体験を踏まえて描かれた創作漫画です。タイトルの『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』は、千尋あささんが子育てを通してよく耳にしてきた言葉です。よかれと思って投げかけられた言葉で言い表せない気持ちになってしまった当事者の葛藤が作品の主題であり、決してこの言葉の是非を問う作品ではありません。

作/千尋あさ 文/可児純奈

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