【おとなのソロ部】日本初のサウナ＆シアター「シアターギルド 下北沢」へ。ととのい後に映画に没入するひとり時間

サウナの後は感覚が研ぎ澄まされて、食べ物がいつもよりおいしく感じたり、そよ風が肌にあたるのを敏感に感じ取ることができたりしますよね。そんな“ととのった”状態でごろんと横になってヘッドホンで映画鑑賞ができたら、最高です。今回はそんなサウナの前後に映画体験ができる「シアターギルド 下北沢（しあたーぎるど しもきたざわ）」を訪れました。

ひとりでじっくり。ゆったりできるソロサウナ

「シアターギルド 下北沢」は、小田急小田原線・京王井の頭線下北沢駅から三軒茶屋方面に7分ほど歩いた、茶沢通り沿いにあります。下北沢駅から歩く道には飲食店や古着屋が連なっているので、退屈せずに楽しく散策しながら歩くことができますよ。

「シアターギルド 下北沢」があるのは、サウナ施設「HUBHUB下北沢（はぶはぶ しもきたざわ）」内。2023年12月オープンの、トレーラーハウスを改装した珍しいサウナ施設です。サウナ施設に併設している音響システムは、シアターギルド社®の特許技術「サイレントシアター®」を採用しています。

「サイレントシアター®」は、シアターギルド社が開発したヘッドフォンシステム。半径30m範囲内において最大100台までのヘッドフォンを「1対N通信」で同時接続することが可能となりました（近日完成予定の新型ヘッドフォンでは半径100mに範囲が広がり、接続台数も無制限にアップデート予定）。

サウナとシアターが一体化した施設は、なんと日本初だそう。3つのサウナゾーンがあり、各部屋でセルフロウリュができるフィンランドサウナを楽しめます。

施設内に入ったら、まずフロントにてチェックイン手続き。予約不要のドロップイン利用ができる男性専用のパブリックサウナか、要予約の貸切利用専用のプライベートサウナのいずれかを選び、該当の二次元コードから入館手続きをします（プライベートサウナは枠が空いていれば、当日予約も可能）。フロントにはスタッフが常駐しており、分からないことがあれば気軽に質問できるのでご安心を。
取材時は貸切利用をチョイス。チェックインを済ませてタオルを受け取ります。

貸切利用専用のプライベートサウナに入る場合は、ロウリュに垂らすアロマオイルを選ぶことができます。こちらで使用しているのは、「OSMIA（オスミア）」という、フィンランドのブランドのサウナ専用のアロマ。フィンランドの森を思わせるフレッシュでさわやかな香りの「白樺」、定番人気の柑橘系の香り「グレープフルーツ」、白樺の枝葉を束ねた少しスモーキーなニュアンスの「ヴィヒタ」、落ち着けるウッディなサンダルウッドの香り「白檀（びゃくだん）」の4種類です。

使用オイルは、青々しさとみずみずしさをふんだんに感じる「白樺」に決定！ こちらが一番人気だとか。

受付を済ませたら、早速サウナへ。フロントからすぐ出られるデッキに、SaunaA、SaunaB、SaunaCの3つのサウナゾーンがあります。SaunaAは男性専用のパブリックサウナで、SaunaBとSaunaCが貸切サウナ（SaunaBも月・木曜はパブリックサウナとして利用可能）。パブリックサウナ、貸切サウナともに、サウナでは水着着用がマストで、水着はレンタルすることもできます（レンタル料500円）。

SaunaAには2種類のフィンランドサウナが、SaunaBとSaunaCには専用のフィンランドサウナが付いています。いずれのサウナもセルフロウリュが可能で、すべてのサウナ室に水風呂と外気浴スペースを完備しています。

今回のテーマは「ソロ時間を思い切り楽しむ」。それならぜいたくに、貸切プライベートサウナを予約しておくのもいいですね。今回訪れたのは、SaunaC。貸切は、2名6000円から、追加料金（1名4000円）で最大4名まで利用できます（ひとりの場合は2名分の料金）。

扉を開けると、手前のシャワー室、奥のサウナ室、突き当たりの外気浴スペースしかないプライベートな空間です。天井がないトレーラーハウス造りで、開放感たっぷり。気持ちのいい外気を感じながら、サウナを楽しむことができます。天井のない外の空間ですが、しっかりと壁で覆われているトレーラーハウスなので、周りから見える心配はありません。

シャワー室は、更衣室やトイレも完備した広々とした空間。写真が更衣室で、扉の向こうにシャワーとトイレがあります。バスタオルやフェイスタオルなどのタオル類、シャンプー・リンス・ボディソープ・スキンケアセットなどのアメニティも完備。ドライヤーも付いているため、手ぶらで訪れても大丈夫。ドリンクを購入できるミニ冷蔵庫も付いています。

これからのサウナ体験に思いを馳せながら、ひとりでゆったりと着替えを済ませて、まずはシャワーでお清めです。小さい音でなら、着替え中に音楽を流しながら……というのもいいでしょう。

こちらが洗い場です。モダンな雰囲気で、トレーラーハウスの中にあるとは思えないぐらいおしゃれ。

ハンドタイプと、上から降り注ぐタイプの2タイプがあるシャワー。まずは、日頃の疲れをゆっくりと落としましょう。ソロサウナだからこそ、人の目を気にせずに、自分のペースで洗うことができます。

体を洗ってさっぱりしたら、シャワー室を出て早速奥の専用サウナの部屋へ。どんなサウナかな。サウナの扉を開ける瞬間は、サウナを楽しむなかでも、とてもわくわくする瞬間です。

SaunaCは、ヒノキの一枚板ベンチの3段サウナです。4人まで入れるスペースなので、ひとりだと十分すぎるぐらいの広さ。できるだけ日常から開放されるように、時計や温度計などは一切置いてありません。砂時計もありません。自分の感覚だけを頼りに、サウナを楽しむことができます。
照明は薄暗く、本場フィンランドサウナの雰囲気が満載。不定期で開催されるレディースデーには、ここでウィスキング（サウナ室の中で、オークや白樺といった植物の枝葉を束ねた「ウィスク（ヴィヒタ）」で身体を叩いてマッサージをすること）を受けられるイベントなども開催されるそうですよ。

体感は80度くらいですが、セルフロウリュウが出来るため、自分の好きな体感温度での蒸気浴が可能。じっくりと温まることができます。ひとりだからこそ、まわりに気を使わずに自分の好きな温度までセルフロウリュできるぜいたくさ、たまりません。フロントで選んだアロマの香りが、ふんわりとサウナ室内に香り、芯までじっくりと温まります。ひとりだから、鼻歌を歌ったっていいんですよ。

じっくりと蒸された後は、ご褒美の水風呂です。水風呂があるのは、外気浴スペース。湯船に水が張ってあります。水温はいつも15℃くらいに設定しているそうですが、外にあるため、冬場は冷却装置を入れなくても13℃ぐらいのキンキンの水温になることもあるとか。

水風呂で体をクールダウンしたら、いよいよご褒美のととのいタイムです。シャワー室のミニ冷蔵庫には、たっぷりとドリンクが用意されています。ビールも飲めるのがうれしいですね。ドリンクを冷蔵庫から取り出したら、上に備え付けのオーダー用紙に書き込み、後で精算するシステムです。今回は、「ビール（ハートランド）」700円をセレクト。ビールを飲みながら、好きな音楽を流しながらの、ソロサウナ。この上ないぜいたくですよね。

ビールを片手に、いざ外気浴スペースへ。「コールマン」のインフィニティチェアはワンタッチで水平までリクライニングすることができる、サウナ界のトップに君臨するスグレモノ。これでととのいの世界へトリップしてしまいましょう！ 寒い日や風の強い日は、フロントでサウナ用ポンチョ（レンタル料500円）をレンタルするのがおすすめです。

周辺の喧騒を耳にしながらの、ととのいタイム。向かいに幼稚園があるので、時間帯によっては園児たちの声が響いて、ほのぼの。インフィニティチェアに寝転んで上を見上げると、高い空と木々だけ。大きめのパラソルが日よけになり、直射日光が当たらずにリラックスできます。

トレーラーハウスだからこその、この開放感。凜とした外気を全身に感じつつのサウナタイムを、じっくり90分間楽しむことができますよ。

ソロおすすめPoint
完全にひとりの空間でありながらも、天井がなく外気に面している開放感がたっぷり。ひとりだからこそ、何を飲んでもいいし、音楽のチョイスも自由。自分のペースで、ゆっくりとサウナを満喫できます。

2つのサウナが楽しめるパブリックサウナも

とはいえ、プライベートサウナをひとりで貸切するのはさすがにぜいたくすぎるかも……という場合は、1名1800円から楽しめる（1時間からの利用、30分ごとに500円プラス)パブリックサウナがおすすめです。ただし、残念ながらこちらは男性専用。不定期ですがレディースデーも開催されているので、ぜひチェックしてみてください。

パブリックサウナは、SaunaAの部屋。フィンランドサウナが2つあり、写真のメインサウナは、室内壁に白樺の木が貼られています。

もう一つのサウナは、少しコンパクトな造り。ベンチがらせん階段状になっていて、ロウリュから出る蒸気がまわりやすい設計になっています。ロウリュの石の上には鉄器の急須がのっていて、中にはデッキで栽培している詰みたてのハーブを入れてもらえます。

SaunaAには、温水風呂（写真手前）も付いています。

SaunaA、SaunaB、SaunaCの3つのサウナ室があるデッキではハーブで育てられています。詰み立てのハーブを入れた蒸気をふんだんに浴びることのできるロウリュはとてもいいものですよ。蒸気が上がると、サウナ中にハーブの香りが広がって、とてもよい香り。

ソロおすすめPoint
パブリックサウナは貸切ではなくほかの人と一緒に入ることになりますが、1つの部屋にサウナ室が2つありスペースも広めに作られているため、周りがあまり気にならず、サウナを楽しむことができるはず。風が吹くたびに鳴り響く風鈴の音で聴覚も刺激され、よりととのいの世界へと没入することができます。

サウナでととのった後はそのまま館内で映画鑑賞

サウナを満喫した後は、お待ちかねの映画鑑賞です。サウナのあるデッキから館内に入ると、すぐそこがシアタールーム。動線がよく、サウナで温まった体が冷めることなく、シアタールームでリラックスすることができます。臨場感のある映像に、リラックスできる落とし気味の照明。サウナ後の体をゆだねることができる空間です。

フロントで、ヘッドフォンを借ります。ここで楽しめるサイレントシアターは、シアターギルド社®が開発した特許取得済のヘッドフォンシステムにより、外部に音を出さずに没入体験を共有できます。

ボリュームは各自で調整が可能。周りを気にせずに、臨場感のある大音量を耳元で体感できるのです。

シアタールームでは、ドリンクを購入することもできます。アルコールは、ビール、レモンサワー、ハイボール。ソフトドリンクは、ミネラルウォーターをはじめ、「ポカリスエット」や「オロナミンC」などのサウナ後にうれしいドリンクも。温かいハーブティーやコーヒーでほっとひと息つくのもいいですね。

映画が上映されていないときは環境音楽や自然の様子が常に流れています。取材時は、焚き火の映像が流れていました。パチパチという焚き火の音が、まるで目の前で焚き火をしているように、耳からダイレクトに伝わってきます。

映画の上映スケジュールの詳細は、シアターギルドの公式サイトをチェック。気になる映画の上映に合わせてサウナを予約するのもいいですね。

サウナでととのって五感が研ぎ澄まされた後の、映画鑑賞。サウナ室とシアタールームは歩いて数秒の距離なので、体がサウナで温まった状態でそのまま映画鑑賞に没入できます。これこそが「シアターギルド 下北沢店」だけでできる、特別な体験です。

ソロおすすめPoint
シアタールームはパブリックスペースですが、ヘッドフォンを装着することで、完全にひとりの世界へ。周りにいる人もみな自分の世界に没頭しているので、周りを気にすることなく、音や映像に集中することができます。

サウナの後の感覚が研ぎ澄まされた状態での映画鑑賞は、充実したソロ時間になるはず。男性専用のパブリックサウナのレディースデーの開催日や、映画上映スケジュールなどの詳細は、公式サイトを確認しましょう。休める予定が決まっている場合は、早くから予定を立てるのもいいですね。サウナ施設に空きさえあれば、ドロップインでの利用も可能。シアタールームでの上映がないタイミングでも、癒やしの動画が常に流れています。日々の疲れをひとりでゆっくりと癒やす場所として、ぜひ覚えておきたいスポットです。

■シアターギルド 下北沢（しあたーぎるど しもきたざわ）
住所：東京都世田谷区代沢5-8-6
TEL：なし
営業時間：9～23時
定休日：無休

ソロMemo

■取材時のソロ率：100%（火曜の13時）

■おすすめの利用シーン：ソロサウナでじっくりと心と体をととのえたいとき、サウナ後の研ぎ澄まされた感覚ですぐに映画を観たいとき

Text：松崎愛香
Photo：斉藤純平

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●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。