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セックスを楽しむ、感じやすくなる。そんな体の整え方

  • 2025.1.2

セックスを楽しむ、感じやすくなる。体を整えることから始めるプレジャー

Photo_ Christy Hahn / Trunk Archive
chhn20231129-002Photo: Christy Hahn / Trunk Archive

元始、女性は実に太陽であった─日本における女性の解放運動がこう口火を切られてから、100年余り。女性の生き方やそれを取り巻く価値観は、令和を迎えた今もなお日々目まぐるしく変化している。それを受けて昨今とりわけ注目度が高まっているのが、女性の性を視野に入れたウェルネスのあり方だ。“フェムケア”の概念が浸透し、広く定着。だがその一方で、セックスレスや不妊の悩みも多く聞こえてくるようになった。そこにはもちろんパートナーとの関わり方や周囲の環境も影響するけれど、自分の中の快楽と素直に向き合い感覚を研ぎ澄ますことで、毎日をより過ごしやく変えていくことができるのではないか。さまざまな角度から女性のウェルネスライフを手助けしてきたエキスパートたちに話を聞いた。

婦人科医の海老根真由美先生によれば、現代人にはやせ型の女性が多く、子宮も膣も小さい傾向が見られるという。さらに「若いうちから生理をコントロールしようとピルをのんで、膣が萎縮してしまう人が多いんです」。プレジャーを得やすい膣の状態を定義してもらうと「お餅みたいにふわふわで、水分量が多くしっかり濡れており、温度が高い状態であること」との答えが返ってきた。そのために心がけるべきは、よく寝る、しっかり食べる、リラックスする......といった行動。「食事の偏りはうつ病に繋がることも。女性は特に亜鉛が足りない人が多いので、ひじきや魚介類を多く食べることを心がけるのもよいでしょう。温度を上げるためには、湯船に浸かったり全身の筋トレをしたり。つまり、ストレスを溜めない生活に必要なことと共通するんです」。このような習慣は“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌も促してくれ、性交渉の際の多幸感を高める結果にも繋がるのだそう。「セックスに及ぶ際のプレジャーや解放感、これを阻むのは主に痛みだと思いますが、実はその大きな原因のひとつに数えられるのがストレス」と海老根先生。「気疲れで心身がこわばると快感を得るのが難しくなるばかりか、女性ホルモンであるエストロゲンのレベルが下がって、卵子が着床しにくくなる傾向に。副交感神経を優位にするには、筋肉の収縮と同じくらいに、ゆるめることが必要なんです。この弛緩の動きで血液がより循環してホルモン分泌が促され、妊娠可能性にも影響を及ぼしますよ」

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Photo: Getty ImagesPhoto: Getty Images

ヨガを通して多くの女性をサポートしてきたTaccoさんも、心身をゆるめることの必要性を重視しているそう。「筋肉が柔らかいほうが体を動かしやすくなるので、感度は上がります。ですが、体と同時に心の柔軟性もとても大事だと感じていて。男性のほうが性欲旺盛なイメージがあるけれど、女性にだって性欲はある。“今日は少し頭が痛い”“お腹がすいたな”という感覚の延長線上に“ここが伸びると気持ちいい”とか“セックスしたい”という気持ちもあってよいのです。それを自分の中で認められたとき、プレジャーの度合いはグンとアップ。“ヨガを通して男女ともに性的機能が向上する”などとよくいわれますが、自らの状況をありのまま受け止め、マインドフルネスの状態に近づくからではないかと考えています」

心と体は深く通じているから、ストレスや凝り固まった考えが全身の緊張を招き、結果としてプレジャーに最も直結しやすいパーツである膣の萎縮をも招いてしまう。海老根先生は「気持ちよさを感じるためには、硬くてもゆるくてもダメ」とレクチャー。「例えば乗馬やスイミング、バレエなどを頑張っている人は、鍛えすぎて膣の表面が切れるなどするケースが。反対にこれもよくいわれることですが、座ってばかりの生活ではゆるみっぱなしに。デスクワークが多い人に見られがちですね」。Taccoさんも同じく、心と同様に体もほどよく中庸の状態であることの重要性を説く。「見方を変えると、硬さは“安定性”、柔らかさは“不安定性”とも取ることができます。最適なバランスを保つには、今自分が傾いているのとは反対のほうの要素を深めていくようにすること。そうすれば、さらなる快楽の扉が開けるのでは」

話を聞いたのは……

MAYUMI EBINE

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長。妊娠から出産、産後までの周産期の母子医療に長らく携わり、人々の生活をホリスティックに見据えた医療を実践する。その姿勢は多くの信頼を集め、院内には多彩な年齢や国籍の人の姿が。

TACCO

ヨガインストラクター。妊娠前後から周産期を対象にした骨盤ヨガの講師を数多く務め、自身も45歳で自然妊娠、出産した経験を持つ。サーフボードの上で行うサップヨガをこよなく愛し、ROXY fitness公式アンバサダーとしての顔も。

Text: Misaki Yamashita Editor: Muramatsu Kyoko

※『VOGUE JAPAN』2024年12月号「ウェルビーイングなセックスを考える」転載記事。

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