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「怖い、逃げたい──」初めての出産。クズ夫さえ頼れず孤独な夜【陣痛ドライバー】に人生を救われた話

  • 2025.1.2

人生の転機にどん底に落とされた女性。そんな時思いもよらぬ人に助けられたのです。
これは筆者の知人から聞いたとある女性タクシードライバーとの心温まる体験談です。

画像: 「怖い、逃げたい──」初めての出産。クズ夫さえ頼れず孤独な夜【陣痛ドライバー】に人生を救われた話

クズ旦那との人生に絶望

当時20代前半だった私は、職場で出会った男性と子どもが出来たことをきっかけに結婚をしました。
ギャンブルとお酒が好きで、正直いい旦那とはいえないような人でした。
普段は温厚な人でしたが、お酒のことになると人が変わり暴言を吐くので、「臨月に入り陣痛が来たら運転をお願いすることもあるしお酒は控えてほしい」と言っても聞いてもらえませんでした。
旦那がパチンコに行く回数も増えていき、喧嘩も絶えなくなり、もうこの人には何を言っても無駄なんだとこの先の人生を諦めていました。

1人きりで出産へ

出産予定日2日前の夜、明らかに陣痛のような痛みがあり病院に電話すると「すぐ来てください」と言われたのですが、当然旦那は酒を飲んでいてまともに会話もできない状態。
こうなるだろうと予想して、この日のために申し込んでおいた「陣痛タクシー」に急いで電話をし、完全に酔っ払っている旦那を置いて1人タクシーに乗り込みました。

運転手は50代ぐらいの女性ドライバーさんで、孤独な不安と痛みで泣きそうになっている私を見て状況を察してくれたのか、タクシーを降りた後も荷物を運んでくれたり、手を繋いで背中をさすりながら「大丈夫。大丈夫」と、ずっと私に付き添ってくれたのです。
私は泣きながら何度も何度もお礼を伝えました。

その後

無事に出産した私は、退院後、そのタクシー会社にお礼の手紙とお菓子を送ると、そのドライバーさんから返事の手紙が届いたのです。
そこには、「出産という命がけの大仕事を1人でも立派にやり遂げたあなたはとても強い人。あなたなら大丈夫。頑張るんだよ」と書いてありました。
その後すぐ、話し合いの末旦那とは離婚し、現在はシングルマザーとして働きながら8歳の娘を育てています。
今こうして娘と幸せな日々を送れているのは、あの時の言葉が背中を押してくれたからです。
つらい時何度も見返したドライバーさんからもらった手紙は、今でもずっと私のお守りです。

【体験者:30代・女性、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:かたひらむぎ
大手マスメディアに勤務し、結婚を機に退職。現在は2児を育てる専業主婦ライター。家族や友人など、波乱万丈な人生を送る人たちに囲まれ、取材対象に。インタビューを行う中で「事実は小説よりも奇なり」を実感。体験者のリアルな思いを読者に届けるべくltnで活動中。

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