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【RIZIN】なぜ、鈴木千裕の戦いはファンを魅了し続けるのか クレベルと血染めの死闘…再び愚直に突き進む“最強への道”

  • 2025.1.1
(C)RIZIN FF
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さいたまスーパーアリーナで12月31日に開催された10度目の大晦日大会「RIZIN DECADE(RIZIN.49/雷神番外地)」は大盛況で幕を閉じた。20カード超えという大ボリュームの大会の締めくくりとして実施されたフェザー級タイトルマッチはクレベル・コイケが判定で王者・鈴木千裕を下して王座に返り咲き。2023年6月の対戦(クレベルの体重超過によりノーコンテスト)とは比べ物にならない両者の駆け引きが繰り広げられた死闘となった。
王座から陥落したが、試合後にはすぐに力強く前を向いた鈴木。常に全力、常に王道を突き進もうとする25歳は、なぜ敗れてもファンの心を掴むのか。インタビューの言葉などを振り返りながら改めて考えてみたい。

■RIZINの歴史に残る名バウト

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大会開始直後に朝倉未来と平本蓮による「THE MATCH 2」の開催決定がアナウンスされるなど、異様な雰囲気でスタートした大晦日RIZIN。ビッグイベントらしく盛り上がるファイトが続いたが、年越し跨ぎのメインマッチ「鈴木千裕 vs. クレベル」は文字通りの死闘だった。
打撃と柔術、両者の持ち味は対極だが鈴木の寝技に対するディフェンス力の進歩は目を見張るものがあった。グラウンドに引きずりこみ優位な状況を作り出すクレベルが三角を極めかけたシーンもあったが、鈴木とすれば「練習していたので想定内」。半ば強引に逃げ切った場面では観客のボルテージも最高潮を迎えた。鈴木の肘による鉄槌でクレベルが出血した時点では流れを手繰り寄せたかとも思われたが、クレベルも最終盤では怒涛のパウンドから肩固めを狙うなど、最後まで手を緩めなかった。

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判定は鈴木をコントロールし続けたクレベルを支持したが、RIZINの歴史に残る名バウトであったことは明白。試合後のマイクでクレベルが「千裕、あなた強いよ」と称賛したのは間違いなく本心からのリアクションだったはずだ。

■「やっぱやめられないんですよね、格闘技って」

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クレベルの“土俵”にあえて付き合ったうえで、それでも勝ち切る――この日の鈴木の戦い方はそんな意図もどこか感じさせるものだった。
試合後、プレスルームで行われたインタビュー。トレードマークの金髪には鮮血も滲む。だが、王座陥落で失意のはずの鈴木の言葉に悲壮感は全くなく、むしろ愚直なまでに先を見据えるものだった。
「やられたんでしょうがない。やりたいことはやった、やれることもやった。結果を受け入れるしかない。強いの一言。すごい勉強になりました。でも……やっぱやめられないんですよね、格闘技って」
清々しさすら感じさせる言葉と表情の裏には、RIZIN王座を手にしてから常に前進し続けた男としてのプライドも見てとれた。過剰な演出やストーリーに頼ることなく、強さだけを追い求める。気がつけば多くのMMAファンが彼に魅了される理由は、ここにあるのかもしれない。敗れた直後に「さっきクレべルと話して、練習に行きますと言いました。教えてくれよ、勉強したい、と」となる“ピュアさ”も鈴木ならではだ。
「人間一回落ちたら悩んでつぶれて戻ってこれない人が多いけど、こういう時だからこそ俺は最短で返り咲きますよ」と宣言した鈴木。だが、王座に返り咲いたクレベルだけではなく、久保優太をまったく寄せ付けずに粉砕した13戦13KOの怪物、ジャブアリ・シェイドゥラエフの台頭など、フェザー級は混沌とした様相を呈している。
目指す道が険しいいほど、熱く燃え上がる。RIZINの顔役として揺るぎないポジションを得た鈴木は、ここからさらなら高みを目指してくれるはずだ。

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