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初詣は京都で願いを叶えるご利益巡りへ!混雑回避でまるっと周遊する京都の神社・寺院

  • 2025.1.1

その先の京都へ

京都 新春巡り
京都 新春巡り

何度訪れても新たな魅力が発見できる、京都。

 

今回フォーカスするのは、2025年の初詣に巡りたい、ご利益満載の京都の神社や寺院だ。
京都の玄関口・京都駅を起点に交通公共機関を利用して周遊できる、混雑回避のコースを提案する。

 

縁結びで有名な京都帝釋天(南丹市)、仕事や学問のお願いごとなら生身天満宮(南丹市)、
子宝、縁結びの野宮神社(嵐山)を巡るコースと、宮津市の元伊勢籠神社や長岡京市の長岡天満宮も合わせて紹介。
2025年が良い年になるよう、京都へ初詣に出かけよう。

 

京都駅

 

↓ JR嵯峨野線+タクシー(約90分)

「願いの鐘」で心願成就を祈念   良縁をつなぐ「小石結び」、病を飛ばす「身代わり鶴」も■スポット1 京都帝釋天(南丹市)

 

 

まずは、京都府中部・南丹市にある「京都帝釋天」へ足を伸ばしたい。

 

ここは平安遷都の少し前、宝亀11年(780年)に創建された寺院。御本尊の帝釋天は、毘沙門天などの四天王を率いて、悪神や病魔、災魔、悪霊を退散させて力を与え、さまざまな願いごとを叶えてくれる仏神として古来信仰を集めてきた。

1200年以上の歴史を誇る京都帝釋天。参道は徒歩15分、700mほどの上り坂となっている。
1200年以上の歴史を誇る京都帝釋天。参道は徒歩15分、700mほどの上り坂となっている。

年が明けてから訪れるのも良いが、おすすめは大晦日の夜だ。

 

午後11時になると、参道にずらりと並ぶ108基の梵鐘(ぼんしょう)「願いの鐘」に明かりが灯る。その一つひとつに思いを込めて打ち鳴らし、煩悩を払って、新年の諸願成就を祈る——つまり”自らの手で108つの除夜の鐘を打つ”という稀有な体験ができるのだ。さらに本堂前の輪に火が灯され、心身を清め健康を呼ぶ「火の輪くぐり」も行われる。

 

ただし大晦日から元旦にかけて、公共交通機関の臨時便や終夜運転は無い。大晦日に訪れるなら、近隣に宿を確保しておきたい。

 

 境内にある大梵鐘「よろこびの鐘」も自分の手で撞くことができる。
境内にある大梵鐘「よろこびの鐘」も自分の手で撞くことができる。

境内には、2つの石を赤い糸で結んで良縁を祈願する「小石結び」、自分の年齢に合わせて打ち鳴らす「厄除招福の鐘」、折鶴に災厄や病、不運を移して飛ばす「身代わり鶴」など、さまざまなご利益を得られるスポットが点在する。

 

本堂左手の祠には「びんずるさま」の木像が鎮座。自分の体の悪いところと、木像の同じ部分を交互になでると、病気がよくなるとされ、このことから「なで仏」とも呼ばれている。

 

そのほか境内では、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三神猿など、帝釈天のお使いとされる猿をモチーフにした石像・木像が多数見られる。

カラフルな猿のお守り「くくり猿」などの授与品も。一年の健康と幸せへの願いを込めて手にしてみては。
カラフルな猿のお守り「くくり猿」などの授与品も。一年の健康と幸せへの願いを込めて手にしてみては。

◆京都帝釋天(きょうとたいしゃくてん)

 

【住所】 京都府南丹市八木町船枝里ノ内1 福寿寺内
【TEL】 0771-42-3315(福寿寺)
【アクセス】 JR「八木駅」下車、タクシーで約10分

↓ ぐるりんバス30系統(約60分∔徒歩)

「仕事の神」「学問の神」に出世と成功を祈願する日本最古の天満宮■スポット2 生身天満宮(南丹市)

続いて参拝したいのは、同じく南丹市にある生身天満宮。

全国に約12000社ある天満宮の中で唯一、菅原道真公を生前から祀ったことから「生身(いきみ)」と称される日本最古の天満宮だ。

天満宮
境内には京都府指定文化財である本殿のほか、生身天満宮の始祖を祀る「武部源蔵社」、伊勢の神宮を祀る「大神宮」、芸能の神様・女性の守護神である「厳島神社」など、15の摂末社が鎮座する。

その起源は、歌舞伎の三大名作の一つ「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の登場人物である武部源蔵(武部左衛門尉治定)が、太宰府に左遷された道真公のご安泰を祈って建てた小さな祠。学者としても政治家としても卓越した力量を発揮した道真公にあやかって、「学問の神」、就職や出世を叶える「仕事の神」として崇敬を集めている。

 

初詣の期間(大晦日から1月15日まで)には、境内でご神木のお焚き上げや、お神酒の接待、献花展示・巫女作品展・写生画展を開催予定。

 

大晦日には心身の穢れや、災厄の原因となる諸々の罪・過ちを祓い清め、清々しい心で新年を迎えられるよう祈願する「年越の大祓式」を齋行。約100個の行灯に明かりを灯す「万灯会」も行われ、境内は幽玄の世界に包まれる。

 

授与所では干支土鈴や神矢といった縁起物のほか、Google検索1位の「しごとのお守り」、手作りのとんぼ玉にちりめん製の紐をつけた世界にひとつだけの「とんぼ玉合格お守り」など、多彩なお守りが揃う。

 

天満宮お守り
手作りゆえに色柄や形が一つひとつ異なる、世界でたった一つの「とんぼ玉合格お守り」。「しごとのお守り」には、天まで晴れわたるような爽快な人生が送れますように、との願いが込められている

道真公がこよなく愛した「梅」にちなんだ、諸願成就のお守り「梅結び」も定番。”固く結ばれてほどけないように”という願いが込められた水引の「梅結び」をモチーフにしたデザインが愛らしい。

◆生身天満宮(いきみてんまんぐう)

 

【住所】 京都府南丹市園部町美園町1-67
【TEL】 0771-62-0535
【アクセス】 JR「園部」駅下車、西口から徒歩12分

↓ JR嵯峨野本線(約60分)

源氏物語にも描かれた    縁結び、子宝安産のパワースポット■スポット3 野宮神社(嵐山)

最後は、嵯峨野の竹林に囲まれた幽玄なる風景のなか、静かにたたずむ小さな社。縁結び、子宝安産の神様として信仰を集める野宮(ののみや)神社を訪れたい。

「黒木の鳥居」
クヌギの樹皮を剥かずに使用した「黒木の鳥居」、境内を囲むクロモジの「小柴垣(こしばがき)」は今もなお平安の風情を伝えている。

平安時代、この地は「野宮」と呼ばれ、天皇に代わって伊勢神宮に仕える斎王が、伊勢へ赴く前に身を清めるために滞在した神聖な場所であった。その様子は、源氏物語「賢木(さかき)」の巻にも描かれている。

 

光源氏は、斎王である娘と暮らす、かつての恋人・六条御息所に会うために野宮を訪れる。しかし御息所は源氏への未練を残しつつも、再び会うことなく伊勢へと下向する……嵯峨野の情景と二人の心情が重なりあう、切なくも美しいシーンだ。

 

戦乱によって斎王制度が廃絶したあとも、野宮は神社として受け継がれてきた。

 

御祭神は、健康と知恵授けの神様である「野宮大神(天照大神)」。そのほかにも縁結びのご利益で知られる「野宮大黒天」や、子宝安産・商売繁盛を司る「白福稲荷大明神」など、さまざまな神様が祀られている。

 

表は十二単をまとった女性、裏は装束姿の男性が描かれた「開運招福お守り」。なんと西陣織で作られているのだとか。
表は十二単をまとった女性、裏は装束姿の男性が描かれた「開運招福お守り」。なんと西陣織で作られているのだとか。

お守りは、源氏物語をモチーフにした繊細で美しいデザインの「開運招福お守り」が人気。そのほか良縁や縁結び、子宝安産を願うお守りも豊富。

 ◆野宮神社(ののみやじんじゃ)

 

【住所】 京都市右京区嵯峨野宮町1
【TEL】 075-871-1972
【アクセス】 JR「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩約10分

↓ JR嵯峨野本線(約30分)

京都駅

▼こんなスポットもおすすめ!

海を渡って、縁結び、商売繁盛の「伊勢のふるさと」へ◎元伊勢籠神社(宮津市)

日本海に突き出た丹後半島。この地には神々にまつわる伝説・伝承が数多く残っていることから、霊妙なる力を持つパワースポットが点在している。

 

若狭湾の西側、宮津市にある「元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)」もその一つ。山陰地方唯一の大社として、最高の社格と由緒を誇る古社で、正式名称は「丹後一宮 元伊勢 籠神社」。現在、伊勢神宮に祀られている天照大神と豊受大神は、この地から伊勢に遷られたといわれている。

籠神社
籠神社の本殿は建築様式・規模ともに伊勢神宮御正殿に近似しており、両宮の深い繋がりを物語っている。とくに高欄上の五色の座玉(すえたま)は、伊勢神宮御正殿と籠神社でしか見られない貴重なものだ。

主祭神は彦火明命、相殿は豊受大神・天照大神・海神・天水分神。ご利益は、家内安全・商売繁盛・五穀豊穣・病気平癒・子孫繁栄・海上安全・漁業繁栄・諸願成就など。

 

毎年元旦の午前0時には、宮司が関西一の大太鼓を108回打ち鳴らし、新しい年を迎える。その後、新年を祝って2人の巫女による「浦安の舞」を奉納。正月期間中には参道に高さ7mの「天の羽々矢」が設けられ、その間をくぐれば1年間無病息災であるといわれている。

 

籠神社を訪れたら、奥宮である眞名井神社にも参拝を。境内には天橋立を造ったと言われるイザナギ・イザナミ両大神を祭る磐座や、御神水「天の眞名井の水」があり、日本屈指のパワースポットとも称されている。

 

新月と満月の日に元伊勢籠神社・眞名井神社に参拝することを「むすひ詣り」と言い、その日にだけ「産霊守(むすひまもり)」が授与される。

 

新月の日は黒色、満月の日は白色の「産霊守」が授与される。
新月の日は黒色、満月の日は白色の「産霊守」が授与される。

2024年12月31日は、ちょうど新月となる日。せっかくならば、大晦日に訪れて特別なお守りを手にしてみては。

産霊守の裏面にはそれぞれ「日」と「月」の字が。2つを合わせると「明」の文字があらわれる
産霊守の裏面にはそれぞれ「日」と「月」の字が。2つを合わせると「明」の文字があらわれる。

◆元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)

 

【住所】 京都府宮津市字大垣430
【TEL】 0772-27-0006
【アクセス】 京都丹後鉄道「天橋立駅」で観光船に乗り換え「一の宮桟橋」下船、徒歩約3分

早咲きの梅がほころぶ天満宮で学業成就や厄除け祈願◎長岡天満宮(長岡京市)

京都市内からアクセスしやすい「長岡天満宮」もおすすめ。

 

年間約10万人の参拝客が訪れるという長岡天満宮。四季折々の草花に彩られた広大な境内を散策するのも心地よい。
年間約10万人の参拝客が訪れるという長岡天満宮。四季折々の草花に彩られた広大な境内を散策するのも心地よい。

学問・文化芸術・厄除けの神様として広く知られる菅原道真公を祀るこの地は、道真公が在原業平らと共にこの地で詩歌管弦を楽しんだという逸話が残る場所。太宰府への左遷される際に立ち寄られ「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しまれた。道真公の没後、公御自作の木像を拝領し、これを御神体として祀ったのが長岡天満宮のはじまりと伝わっている。

 

御本殿は昭和16(1941)年に平安神宮から拝領移築されたもの。これは、長岡京が平安京と同じく、桓武天皇によって都が築かれた地であることから実現したという。御本殿は京都府の有形文化財に、手水舎と透塀は長岡京市の有形文化財に指定されており、朱塗りの拝殿と合わせて荘厳な佇まいを見せている。

 

例年1月には新春を言祝ぐように、早咲きの梅が開花。清々しい空気のなか、甘くさわやかな梅の香りがふわりと漂う。
例年1月には新春を言祝ぐように、早咲きの梅が開花。清々しい空気のなか、甘くさわやかな梅の香りがふわりと漂う。

新年を迎えるにあたり境内では、さまざまな行事が執り行われる。元旦の午前0時、午前9時からは甘酒の振る舞いも。1月1日から3日までは奉納書初大会が開催され、書道の神様としても崇敬される道真公に書を奉納することができる。

 

授与品を手にするなら「うめおまもり」はいかがだろう。道真公が愛でたという「梅」をデザインした透明のお守りで、背面は境内にある樹齢約170年と言われる名木キリシマツツジがモチーフ。クリアに先が見通せる、開運導きの御守だ。

光に当てると、七色に美しく輝く「うめおまもり」。紅梅(左)、白梅(右)の2色からセレクトできる。
光に当てると、七色に美しく輝く「うめおまもり」。紅梅(左)、白梅(右)の2色からセレクトできる。

もちろん学業成就に関連したお守りも充実。新年の参拝と併せて自身の目標達成を祈願するのもよいだろう。

◆長岡天満宮(ながおかてんまんぐう)

 

【住所】 京都府長岡京市天神2-15-13
【TEL】 075-951-1025
【アクセス】 JR「長岡京駅」下車、西口より徒歩約20分または阪急電車「長岡天神駅」下車、徒歩約10分

京都府と京都市では「もうひとつの京都(海の京都、森の京都、お茶の京都、竹の里・乙訓の4エリア)」および「とっておきの京都(伏見、大原、高雄、山科、西京、京北の6エリア)」に広がる多彩な魅力を一体的に発信し、各エリアの周遊観光を推進する「まるっと京都」プロジェクトをスタートさせている。

 

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