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美香「仕事復帰したのはママモデルとしてのページじゃなかった」妊娠・出産→仕事への思い│モデル美香ロングインタビュー

  • 2025.1.1
andGIRL

歳を重ねるにつれて増す、大人の可愛らしさに羨望のまなざし♡その秘密は、ポジティブに楽しみながらアップデートされる、美香さんの〝いま〟にあります。今回は『andGIRL』創刊編集長の和田知左子氏とのロングインタビューの一部をお届け。

私はいまだに好きで追いかけつづけているんだよね、この仕事
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ドレス¥275,000/ヘンネ ピアス¥72,600、リング ¥385,000/ともにカラットアー(イセタンサローネ東京)

和田「モデルの仕事で、何が一番やりがいなの?」

美香「現場で感じるワクワク感だったりとか。瞬発力でつくる作品でしょ、雑誌の撮影って。リハーサルもなし。その日のテーマは毎回違う、毎回スタッフも違う。朝集まって、GO!ってつくるあの感じが性格にも合ってるのかも。表現することが楽しい。あの摑めたときの・・・今回の表紙撮影でもいろいろ試して、ベージュに着替えた瞬間、みんながもうヒュン!って入るときがあるの。『これだ!』って、アドレナリンがヒュン!って全員が。あんなものを経験できるって。

出産したときも、こんなミラクルな経験できるのっていう感動があったけど、撮影のその瞬間も、魂が感じるミラクルなの。そんな震えるほどに痺れさせてくれる現場で、読者のみなさんにファッションやビューティーの持つ力を伝えられること」

和田「あー、すっごくわかる!そのヒュン!って感じ。衣装とかヘアメイクとかライティングとか構図とか、あらゆる要素が化学反応を起こして『キタ!』ってなる瞬間あるよね。降りてきた!みたいな」

美香「あと、基本、美しいものをつくる世界だから。映画とかだと怖い殺人とか、いろんなテーマがあるだろうけど、私の世界は、雑誌の世界は、美しく可愛く綺麗なものをつくる。そんな世界に30年間いることが幸せ。去年出した『47歳・モデル美香の「一生美人」本』っていう本のタイトルにもつながってる気がする」

和田「モデルとして美容以外でがんばってきたことってなに?」

美香「マインドじゃないかな?出会ってきた人たちに磨かれた気がする。和田さんじゃない?私を変えたの。あまりその自覚がないようだけど(笑)。

『美人百花』をやっているときに妊娠して産休に入ったんだよね。13年前ぐらいかな。あの頃ってモデルが子どもを産んでからどうなるかっていうと、ママモデルとしての生き方しかなかったの。だから出産するモデルの子たち、みんなどうしたらいいかわからなかったと思う。みんな『モデルとしてどうやっていくべきかわからなかった』ってよくインタビューって言ってたの。時代がこんな時代じゃなかったから。

だけど、和田さんが、私が産休に入って産んで、3カ月だけ休んだんだけど、すぐ『表紙と12ページの大特集やるから戻ってらっしゃい』って。いや、さすがに私まだ体も戻ってなくて、それに時代も摑めてなかった。なんだけど、『美香ちゃんは休んでる場合じゃないのよ。あの安室ちゃんだってだめなのよ、休んじゃ』って(笑)

和田「えーっ、そんなふうに言ったかなあ(笑)。確かに長く休んで、なんかちょっと輝きが鈍ったり、ズレた感じになることってあるよね。それを心配したのかな」

美香「そんな感じで、『美香ちゃんすぐ戻るのよ』って、引っ張ってくれる人が私の人生にはいたんだと思う。私を引っ張り出してくれる人がいて、だから、ちょっとまだ調子が戻ってないけど、必要としてくれるなら、もうやるしかないと。それでそうやって仕事復帰したのは、ママモデルとしてのページじゃなかった。ファッションページだった。で、何事もなかったかのように、そのままその次の日からずっとファッション撮影」

和田「ママであることが売りのモデルにはなってほしくなかったんだと思うね。そういう人がいてもいいけど、美香ちゃんには」

美香「だから、私がどうのっていうよりも、なにか導かれるように、気づけばこの歳になってた。まわりの人とか、編集部に恵まれているんだと思う、私。出会った人の言葉と、自分のやる気、『好き』っていう気持ち。人生って、出会った人への愛と感謝。そういうことを感じる40代だったな」

撮影/遠藤優貴 スタイリング/井関かおり ヘアメメイク/北一騎(Permanent) モデル/美香 取材・文/雀乃メリー ※andGIRL PLUS Vol.1より

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