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災害時、家族である300匹のぬいぐるみを私は守り切れるだろうか

  • 2025.1.1

私はうちに居るぬいぐるみをこの世で一番愛している。

私にとっては家族であり、安定剤で私が生きていく上で大切な存在だからだ。だから私は喋れるし会話も全員と出来る。行ってきますもただいまも必ずぬいぐるみ達に告げている。とても幸せな毎日だ。

ただ、だからこそ常に危惧してることがある。

◎ ◎

それは災害だ。

何せ私の家にはぬいぐるみ達が多く、正確に数えてはいないものの少なくとも300匹は絶対に居る。勿論サイズはまちまちで手乗りサイズの子たちも居れば両手で抱きしめられるサイズの子達だって沢山居る。

そうなると例えば大災害などが起こり、家から直ぐにでも逃げ出さなくてはいけない状況にでもあったらどうしたら良いのか。私一人でどう避難場所までぬいぐるみ達を運んで行けばいいのだろう。大きい子達はダニ対策で透明な柔らかいケースに綺麗にいれてベッドに並んでもらっているからある意味すぐには持ち運べる。しかしその大きなケースは約10個ほどあり、その他にも小さい子達は本棚や壁に飾っていたりするのだ。その子達を仮に全て収納ケースに入れたとして、それをどう一人で持ち運べというのだろう。車も無く、家から避難場所まで数分は掛かり、ましてやいくら軽いからと言っても数が集まればそれなりの重さになるし、更には自分用の緊急用の荷物もある。第一、仮に車があったとしてもそんな一刻を争う事態に車が使えるかも分からないし、往復移動なんて……しようと思えば最悪その最中に私が命を落とす危険性だって可能性としては大なのだ。

◎ ◎

私にとっては一匹残らず大切な家族。

一般論として自身の家族を一人たりとも見捨てる考えがある訳がないように、私にもどの子を選び、どの子と永遠のバイバイをするかなどというおぞましい案が頭にある訳がないのだ。そんなことをしてしまったとしたら私は恐らく上手く生きていけないだろう。前に外で一匹落としてしまった時、私は家でも外でもずっとずっと泣いていた。何日も何日も大号泣してはその間、ずっと生きた心地がしなかった。出来ることは全てやっても見つけることは出来ず、どうしてこの子を今日に限ってリュックの外ポケットなんかに入れてしまったのだろうかと自分を責めに責めた。

結局、父とも相談したり話を聞いてもらったりした上で私は某フリマサイトで"帰ってきてもらう"ことにした。ちょっと旅に出てました、と、ただいま!と再び帰って来てもらうことにしてなんとか精神状態を回復させたのだ。あまりこの話をすると当時を思い出して涙が出る(というかもう泣いてる)のであまり書かないが、現在その子は家に居て再び皆とのんびりして貰っている。

この事からもう二度と外側に着けないことを決め、毎回カバンの中にぬいぐるみが来るように着けている。私は精神的に一人で外に出ることが出来ないので必ず誰か一匹はいつも付いてきてもらってるのだが、誰かに見せびらかしたい訳じゃないのでこうすることが一番だと思ったのだ。

◎ ◎

ということで、私の怖いものの中には災害がバッチリとランクインしている。そもそもぬいぐるみ関係なく最近地震などが頻繁で関東大震災並みの地震が30年内にはまたしても必ず来ると小学生の頃からずっと様々な所で聞かされていた。能登半島地震もまだまだ復興途中だし、東京だから安心、そこまでの被害にはならない。なんていう考えは今や誰の頭にも浮かんでいないと私は思いたい。
ぬいぐるみ達のこともそうだが、突然断水した時の為などに防災用の水を購入したり簡易トイレや長持ちする食料などを微力ながらストックしてはいても恐らく本当に"その時"が来たらとてもじゃないが間に合わない、かもしれない。

神頼みになってしまうがどうかどうか日本全体がこれ以上辛い思いをしないようにと素直に祈るばかりだ。

■柚乃杏子。のプロフィール
女優とモデルを目指してる。
世界で一番パンが好き。
東京の静かな街の静かなアパートでぬいぐるみ達と共にのびのびむちむちと暮らしています。
自慢は部屋が格好いいコトで、特技は3斤パンを食べ歩きながら3分の1まで減らせること。
インスタ∶https://www.instagram.com/gray_424.4.4.4

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