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新しいブランドAtlein(アトライン)によるジャージー素材のコレクション、早くも話題に。

  • 2016.4.6
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3月のパリコレ中、ごく限られたジャーナリストとバイヤーに対して発表されたブランドAtlein。この名前はデザイナーのアントナン・トロンによる、場所、行き先を感じさせる造語で、アトラインと発音するそうだ。

左:Atlein をデザインするアントナン・トロン。都会暮らしの傍ら、大自然に包まれサーファーを楽しむ時間も大切にする31歳。photo:Damian Noszkowicz
右:ファースト・コレクションより。


アントワープ王立芸術アカデミーで学んだ彼によるファースト・コレクションは、すべてジャージー素材である。シルク・ジャージー、ウール・ジャージー、コットン・ジャージー......。なぜジャージーか? というと、ブランド創設前にジバンシイ、バレンシアガで仕事をしていた時代に、彼はジャージーという素材の可能性に注目したからだ。伸縮性があり、ゆったりとした服に使われることが多いこの素材を用いて、彼はスポーティともいえるし、エレガントともいえ、そしてヴィンテージ感もあればモダンでもあるという、ミニマルなデザインのコレクションを作り上げた。フェンシング、柔道などの格闘技のウエアにみられるような細かいステッチを帯状に用いることで、張りやボリュームをもたせたり、あるいはドレープやプリーツで、時に布を重ね使いするなどして、とろっとしたジャージー素材に形をもたせているのが興味深い。ナイトブルーや深いグリーンなどシックな色合いもあれば、ピンクとブルーという意表をつく色合わせも。カッティングも縫製もとても丁寧な作りだ。

Atleinのファースト・コレクション。70年代に活躍したデザイナーJean Muirにインスパイアされたという。


若いデザイナーによる最初のコレクションながら、かなり骨太の仕事。早速、バーグドルフ・グッドマンやオンラインショップのNet à Porterなど16箇所のバイヤーが買い付けるという好調なスタートをきった。あいにくとその中にパリのブティックがひとつも含まれていない......。これは、モードの都としてはちょっと残念!

素材の使い方、ディテール......美しい仕事。日本でも入手できるようになるといいのだが......。

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